laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
楽しく気楽につぶして生きてます。

カンク史上最大カンク濃度、そして豆紀尾井町にきゅんきゅん!

2014-03-27 | kabuki a Tokio

俳優祭昼夜行ってきました。はい馬鹿ですw

個人的には勘ちゃんの文屋を見られただけで三階8000円の元は十二分に取った。その上祭りならではの胸きゅんもいろいろと。

勘ちゃんは別格として

1に大河、2に吉弥。34がなくて5にコタロー。番外に梅玉魁春兄弟。
模擬店ほとんど見なくても十二分に祭りはたのしいのであった。

…のであった、のであるが、何しろ一週間も放置したので何がどう楽しかったのか忘却のかなた、なのであった。

のであったので、ごくごく簡単に。昼夜まとめて。(4/3記)

六歌仙

結局この踊りは文屋と喜撰だけ見ればいいんだなあというのが、おもな感想。そういえば三津五郎が通してやったときもそう思ったのであった。
喜撰の染五郎は、なんだかとっても新鮮だった。こんな背の高い二枚目の喜撰は初めてだったので。そういえばこの踊り色っぽいんだよなあ、と初めて気づいたようなw
ただ、目にあるのがなんせ、富十郎三津五郎勘三郎菊五郎・・・そりゃ染五郎くんとしては手も足も出ない感じですわな。手も足も長かったけど。
文屋も同じように三津五郎や勘三郎しか目にないはずなのに、勘ちゃんの踊りにはすんなり入れた。
ずっと手足も長くてスタイルいいはずなのに、いい意味で背の高さが目立たないのであった。
そして、とにかく勘三郎そっくり!
これまでいろんな人がいろんな場面で「おとうさんそっくり!」という声を耳にしてきたけど、そのたびに「そんなに似てないよねぇ・・・」と8割の反発をもって聞いていたのであった。
それが今回は、本当にちょっとした身のこなし、微笑み、息の整え方に至るまで、正直息を呑むほどの生き写し。
難曲を歌舞伎座で初めて踊る勘ちゃんを心配しておとっつぁんが下りてきたんじゃ?と思うくらいだったのであった。

ほかの人についてはどーでもいい、と思うのであった。
菊之助と染五郎は踊りが逆でもよかったのじゃ、とも思ったのであった。美男美女の役は菊七でも悪くはなかったけど、染七のほうが普通に綺麗だったんじゃないかなあ。
喜撰は菊のほうが巧いようにも思ったのであった。

楠公

遠目に見て国生?と思ったのが成長したよっしーだったのにまず胆をつぶした。よその子の成長は早いねぇ。
で、よっしーは独自の色気があったはずなのに、なんだかすっかり普通の、しかもちょっとおっさんくさい中学生になっていた。まあ一番色気がなくなるお年頃だから、また暫く後を楽しみにするぜ。
はっしーはさすがに踊りが上手だなあ、錦ちゃんは白髪で素顔のほうが素敵だなあ、などと思ってるうちに前段があっという間に終わり。
合戦の場は・・・もううじゃうじゃ御曹司だらけ(失礼!)雨後の筍かよお前らは、という状況で
昼の部はその中から「私の」まんちゃんと亀鶴さんと玉ちゃん。そして団子くんを探すので手一杯。
夜の部はぼーっと全体見回して誰が巧いかなあ、とやってみた。やっぱり右近巧い。みっくんが意外にいけてる。チビの中では圧倒的に玉ちゃん巧い。
素踊りだと圧倒的に隼人がやっぱりかっこいい。
誰とは言わないが、ちょっと一人だけもう歌舞伎の道以外を探したほうがいいんじゃないの?と思った人もいたことは、あえて伏せておこうか。誰だか忘れちゃうといけないからまんじろちょうなんとだけ書いておく。

後段のベテランの中では又五郎さんがかっこよかった。
橋之助と渡り合ってるところでは不覚にもw橋之助よりかっこよくみえるほどなのであった。。

模擬店+幕間演芸会

当方、まったくやる気無しw

昼の部こそ、さらっと勘ちゃん眺めて、團子と中車見て、カンジャクさんと橘三郎さんとお話したりしたけれど。夜の部はほぼ100パーセント席に座って、今年から制定された幕間寄席wを楽しみました。
落語で三久太郎が巧いのにびっくりしたのと、大衆舞踊?の化粧した吉弥さんの妖しい美しさにやられたのがハイライト。
役者の落語は巧いんだけど、笑えないな、というのが大まかな感想なのであった。(急に~のであったシリーズを思い出したのであったw)。

まんじろさんの天皇小噺というのがくだらなすぎて脱力したのであった。
花粉症ですか?「め、いじってんの」
釣りが趣味ですか?「たい、しょってんの」
(忘れた)「しょう、わってんの」
なんか楽しそうですね。「いま、のってんの」

だったかなw書いてるだけで脱力するのであった。

冒頭のサダンジさんの「ろーそくたーらたら」の脱力感も凄かったけど、
個人的にはまんじろ小噺のほうがより脱力できたのであった。
力抜天皇って人がいたら、「ちから、ぬけてんの」って言うくらい。

模擬店命!ではないlavieのような人間のためにも、今後ともぜひこの
幕間演芸会は続けていただきたいなあ・・・

 

鈴ヶ森まがい

金太郎と大河が権八と幡隋長兵衛で、大幹部たちが雲助ってんで、大体想像して、なんの期待もしてなかったんだけど、いや、想像よりずっとちびっこ二人はがんばった、と思う。
金太郎はとにかく風情が白井権八。白塗りが良く似合う。父ちゃんそっくりだと思いながら、親子二代で弁慶やれないのかなあ、などとじいちゃんの心を察したりw
でそれなりに感心してたのだけど、大河の長兵衛が全部さらっていっちゃった。w
もちろん小学生だからそんな巧いわけじゃないんだけど、なんというかハートが江戸っ子wなのよね。
江戸前の台詞が気持ちよく決まって、しかも何がすごいって、受けるたびに巧くなってく感じ。
同じ芝居の中で終わりに近いほうがかっこいいし、昼より夜のほうが巧くなってた。
客に育てられるなんてまあ役者冥利に尽きるわね。
とにかく見られてることを楽しんでる感じが、父ちゃんより役者に向いてるんじゃないの?と思ったのであった。
じいちゃん連の中では女形なのに小汚い雲助になってた秀太郎さんと魁春さんにちょっとときめいた。
とくに魁春さんは凄く汚い扮装なのに、なんか女形より綺麗wで、ちょっと素敵だったの。鼻筋がすっと通ってて、ナイス雲助w
女形として汚いほうが素敵っていうのは褒め言葉ではないと思うのだけれど、まあ本当にそうおもってしまったのだからしょうがない。

こちら小汚いけどちょっと素敵な秀太郎さんと魁春さん。秀太郎さんのブログから盗用wwwしました。秀太郎さん、使用料請求しないでね。


客が誰も気づいてくれないと思ったのか、梅玉さんが彼を指差して、「これ、弟」といったのにもちょっとときめいた。

…と全部の胸きゅン書いたつもりだったけど一個忘れてたわ。
児太郎。
物凄く大きい声で物を売ったり、売れ残ったものを一人で客席まで売りに来てたり(ほかはお弟子さんみたいな人しかやってないようなこと)、うわ、コタがんばってるな、父ちゃん倒れて必死なんだな、と思ったらちょっと胸きゅんしたのでした。
他にもシャイっぽい感じの新悟くんや私のまんちゃんもすっげー大声で物売ってて、シャイとはいっても役者は役者だなあ、とこっちは胸きゅんというより感心したのであった。のであった。

…というわけで勘ちゃんが踊る限り、やっぱり俳優祭は参加しよう、模擬店見なくても、押隈買えなくても、楽しいなあ、と思ったのであった。


ひさびさの「勘ちゃんかっこいい!」

2014-03-26 | kabuki a Tokio

歌舞伎座夜の部楽見てきました。素直にタイトルのようなことを感じられてよかった!

前回観劇時の空耳アワーですが。

加賀鳶

は前回以上に爆睡してしまったため「ペナルティ」の謎は永遠に封印されてしまいました・・・
楽は高麗屋さんも秀太郎さんもお疲れっぽくて、どうも気合が感じられなく、ついついこちらも眠ってしまった・・・と言い訳してみる。

勧進帳

見れば見るほど山城屋の義経が素晴らしい。
そして見れば見るほど、今月あちこちで絶賛されてるほどは播磨屋音羽屋がよくもない。
少なくとも彼ら二人のベスト弁慶、ベスト富樫でないことは確か。
まあトータルでみれば、かなり水準が高い勧進帳であることは間違いないのだけれど。
二人の芝居はすべて、少しずつ大げさになってしまっていた。これはやはり後半に来れば来るほど疲れが出て、大げさに表現することでそれをカバーしてる(意識的にか無意識にかはわからない)んじゃないかな。
とりあえず口跡のいい二人なので問答をすべて?聞き取れたのが何より。
で、消防士、はちゃんとおきて聞いてました。
東大寺がやけちゃったので再建したいのよ、という文脈だったのでおそらく、というか確実に「焼亡し、」だと思う。まあ消防士と関係ないわけじゃなかったw

弁慶の引っ込みをお出迎え?お見送り?したくて一階後方花道脇を取ったのですが、物凄い声あげながら引っ込んでいくのでびっくりした。なんとなく播磨屋ってあんなに声出さないイメージだったので。
これも、それだけいっぱいいっぱいで必死だったってことなんでしょうね。

振袖始

1>2>3って感じだった勘ちゃんスサノオ(対玉さん比)、楽は圧倒的存在感で結局最後がいちばんかっこよかった。

最前列→四階→三階と来て、今回は一階後方だったのですが、座席位置が結構関係してるのかしらん?三階四階までは玉さんオーラは届いても、勘ちゃんのちっちゃなw華は届かない?
最前列だと勢いと熱は感じられるけど、やはり踊りの形を堪能するにはある程度の引きが必要、てことで、弁慶さんのために取った座席ポジションが結果的に、勘ちゃん堪能するのにもベストだったかも。

とにかく極まり極まりの形がきれいなのはもちろん、トータルバランスとしてのこの人の踊りが本当に私はすきなのだなあ、と。
そして初日に感じた「ヒーローっぽさの不足感」も楽にはまったく解消していて。
エネルギッシュでありながらクール、というなんか物凄く素敵なスサノヲさんだったのでした。

ふと思ったのですが、このエネルギッシュでありながらクールっていうの、今月の萬太郎梅王にも通じる気がして。
まんたろーとかんたろー。名前が似てると芸風も似るのかw
そして私はそういうのが好きなんだなあ、と思ったのだった。
まんくろーにはならないだろうな、まんちゃんはw 


決定!今月のMBK!

2014-03-22 | spectacles

メガバンクでもモースト馬鹿でもありません。モースト美脚。幸四郎や彌十郎を褒めてた私が馬鹿でした、つか比べてどーするのぶっちぎり。この方です。

やっぱり素敵だわ。の私のエルヴェたん。

パリオペラ座バレエ団公演「椿姫」見てきました。画像は公演とは関係ないです。美脚と美男子ぶりが良く分かると思ったので。

ちなみに年に2-3回見るか見ないかの、バレエに関してはまったくの門外漢の言うことですんでいつもにもまして読み流してくださいませ。

どの程度門外漢かというと、燕尾服の下がブラックタイツだけなダンサーをみて「お、ズボンはき忘れてる!」と思っちゃう感じですw
ところで、父親役の年配の方も踊ってたのでダンサーだと思うんですが、その人はちゃんとズボンはいてました。年配者はタイツだけで出ちゃいけないという規則でもあるんでしょうか?ま、見たくはないですがw


椿姫はオペラで何回も見てるので筋知ってるよ!とまったく予習してなかったらいきなり設定が妙で、どうしようかと思いました。
なんか劇中劇風にマノンレスコーが絡んできてるんですね。配役表にマノンとかデグリューとか書いてあったので理解したけど、あれがなかったら影の存在?表裏?白鳥と黒鳥みたいのもの?とか脳内で混乱してしまったと思う。やっぱり門外漢は予習はすべきかも。しないけど。

そのマノンレスコーとデグリューの踊り手さんがとても上手で。だけど見た目イマイチみたいな感じで。
それに対して「私の」エルヴェたんこと、エルヴェ・モローのアルマンと、オレリー・デュポンのマルグリットのカップルはそれは美しい。もう見てるだけで幸せになるくらい。
世界でいちばん肉体エリートは役者でもモデルでもなくてバレエダンサーじゃないの?と思うくらいの美しさ。身体の線の美がバレエの価値の90パーセント以上なんじゃないのかな。
…というわけで美を堪能、したのですが。

したといえばしたのですが。

 

実は、「私の」と書いておきながら、モローの踊りは個人的にはそれほど好きではない、ということをまたまたまたまた確認してしまったりして。

なんなんだろう、この人の踊りってよく言えば玄人受けする?悪く言えば地味?
外に出る表現というより内に内にこもっていく感じ。
そういう表現者、表現態度は個人的には嫌いじゃないはずなんだけど、ことバレエに関してはもっと派手なものを私は求めているらしい。
たとえば、このバレエでの彼のいちばんの見せ場は、マルグリットが置手紙を置いて出て行ったことに気づき、裏切られたと思って激情し、悲しみ、憎しみ、苦しみをソロで表現するところだと思うんだけど。そこがなんとも地味だったのだ。
ここ、見せ場でしょ!ここでどや顔しないでいつするの!と「どや顔」大嫌い」の私が思ってしまったくらいに地味だった・・・
逆に、いちばん凄いと思ったのが、マルグリットの前で他の女と戯れるところ。
マルグリットを意識しつつ、他の女に媚態を示し、かつ、その女への無関心さといらつきを同時に表現する・・・これって言葉でいうと簡単そうだけど、台詞ゼロの肉体表現だけでこれを見せるって相当高度なテクだと思うんですが・・・そこはもう凄かった。とくに顔つきが大げさなわけじゃなく、手先、指先、身のこなしでそれらを表現できるんですね、この方は。

結論として、この方はひょっとして、大雑把な心理描写でも派手なアクションがあったほうがいい古典バレエより、より緻密な表現を必要とするモダンのほうが向いてるのかな、と思ったり。まあ椿姫も作られたのは最近なので、モダンちゃモダンなのかな。ただ題材が古典なので、やはり古典的表現をミーハーは求めてしまう・・・
あと、容姿がどうしても王子様なので、古典で見たい!と思っちゃうのもあるかな。
なんであれだけ踊れるのに太ももがすんなりしてるんだ!だから綺麗なんだけど!肉体エリートであるダンサーだって、ほとんどのの人が太ももはもっこりしてるのに、この美脚!体質なんだろうけれど、本当に奇跡だと思う。ま、だから怪我が多いんだろうけどね。

玄人受けする派手じゃない表現力、怪我の多いドラマチックなダンサー人生。それらは勘九郎と共通してるんだけど。勘九郎の踊りは大大大大好きで、エルヴェたんのはそうでもない・・・やっぱり私が歌舞伎舞踊に求めてるものと、バレエに求めてるものが違うんだろうな、という結論に達するわけなのであります。

まあエルヴェたんが現役である限り、他のダンサーのバレエに注目する余裕は私にはないので(何しろ年に数回しか見ないので)、こんな感じで今後数年は行くんだと思います。永遠の門外漢。

…と、後方だったのでオペラグラスでほぼエルヴェたんしか見てなかったのですが、オレリー嬢も、超美しいのはともかく、なんかpasがパパパパ・・・じゃなくてどたどたどた・・・って感じで。いや、本当にほかのバレリーナと比べても、足音が格段にでかいのよ。このどたどたぶりと、美しい外見は、今月の玉様を彷彿とさせる。

ってことで踊りとしての満足度はイマイチだったのですが、とにかくエルヴェたんの顔と脚を眺めているだけで幸せになれたのも事実なので、ミーハー的には大満足!ってことにしておきましょう。

私にとってのエルヴェたんは、勘九郎と月乃助を足して三で割った、くらいの存在かなあ。三で割るところがミソですがwww


…で、っていう。

2014-03-20 | spectacles

万獣こわい@パルコ劇場見てきました。

1/3でも出てる芝居はほぼもれなく見たい!の役者であるナマセとフルチンが2/3で出演するという、個人的にはなんとも贅沢な芝居。
池田成志も加えてのねずみの三銃士ユニットとしては三度目?の芝居。前回は三田佳子ゲストで2009年上演の印獣だから、5年ぶりか。
それだけ待たせてのクドカン脚本、河原雅彦演出、そしてこの三人に加えて小池栄子とか小松和重とか、好きな役者てんこもり!なんだから期待するなというほうが無理。

しかも今回なんと、後援会でもないのにw最前列ど真ん中という、どうしたらいいの?のかぶりつきで。

…それがよくなかったのかもw

いや、面白いのよ。実に面白い。

とくに「枕」の部分の落語パロディは、これからどんな物語を見せてくれるの?とものすごーく期待させるいい滑り出しだったんだけどね。

笑い要素も、ブラック要素も、スプラッタも、ぞっとする問題発言も、全部ぶち込んでの大サービス。
ただねぇ・・・芝居という非日常空間だからこそ、の遊びや冒険が、残念ながらすべて予定調和から一歩も出てない感じがしちゃったんだなあ。

監禁され続けた少女役の夏帆がちょっとつたなくて、いや、つたないのはかえって妖しさにつながるからかまわないんだけど、なんというか、存在感に欠けたせいかなあ。
ラストの恐怖感が一切なくて、、あ、やっぱりこう終わるわけね。エンドレスの恐怖シリーズね。みたいな、ね。

心理的にも視覚的にもグロがいっぱい詰め込まれているのに(最前列の方は血しぶき浴びないようにご注意!www)、舞台を見終わって、ちっとも嫌な感じがしない。
(褒めてない)。

オレタチめじゃーニナッテモコンナえろぐろすぷらったヤッチャウンダゼスゲーダロ!って
自己満足しかみえてこないというか。エログロスプラッタは底に流れるテーマあってこそ生きるんだと思うんだけど。そのテーマが、ありそうで、ないw

まさにタイトルどおり「…で、っていう」なんですよ。

たまたまクドカンのメガロックオペラをテレビで見たばかりで、その果てしない才能にがつーんといかれたばかりだったので、ほんの数年で、メジャーになってつまんなくなったのかなあ、などとマイナー思考に陥ってしまった。
もっともっと物語世界、悪夢の世界を広げて、収拾がつかなくなってもいいから、思い切って遊んで欲しかったなあ。


そんな中、小池栄子が狂気と色気を感じさせていい芝居をしていた。この人、舞台女優としても相当いいね。

客席は満席、追加公演も出る売れっぷりのようだけれど、これだけの顔ぶれをそろえて、5年ぶり!の割には正直ちょっと残念だったのでした。

 

蛇足ですが、メガロックオペラは阿部サダ、松田息子、森山未来、はいり、皆川猿、誰をとっても素晴らしく、作品のぶっとび具合もまさにメガ級なので、チャンスがあれば映像でもいいからご覧ください。今までみたクドカンの中で、天日坊かこれか、ってくらいの傑作。


 


ひだまり家族

2014-03-18 | kabuki a Tokio

…みたいなタイトルのドラマ、昔やってませんでしたっけ?なんとなくそのタイトルを思い出しました、の国立劇場。春一番が吹いて、気分も陽だまりだったせいかもしれませんが。

 

…ってことでコメントで突っ込まれた結果、ドラマの正式なタイトルは『青春家族』だったようです。
親二人はちょっと違うけど、息子二人はそのタイトルでもいいかもw

 

車引

「わたしの」萬ちゃんが初日の硬さが取れて、いい感じに仕上がりつつあります。
三津五郎に教わったそうなのだけれど、まさにそんな感じの「ちゃんとした」梅王。
面白みがないっちゃないんだが、初役20代としてはこれでよし!(えらそう)。
できればもう少し、時平への恨み、時平に歯が立たない悔しさみたいなものが出るとねぇ・・・
ま、あの時平では無理かw
桜丸の隼人は笠はずすまでの語りが本当に進歩した。
数年前までの彼があの長い語りをやったとしたら、たぶん聞いてられなくて中座したくなったと思うもん。
所作と顔がごつごつしてるのは、もともと女形の人じゃないから仕方ないとしても、せめてもう少し柔らか味があれば十分今の彼としては合格だったと思う(またもえらそう)。
まったくニンじゃないのにやらされてて気の毒とはいえ時平の秀調と、親なんだから、そしてまあまあニンなんだからもう少しがんばってよ!の松王の錦ちゃん。二人のおっさんは若者のがんばりにもう少し答えてやって欲しかったなあ。
とっきーが桜丸で付き合ってやって、松王を隼人にやらせてやれば、そして彌十郎が時平やってやれば、若者二人もがんばり甲斐がもっとあったと思うのだがね。

切られお富

とりあえず前回眠りの国に行ってしまった部分は覚醒していて、全体がつながったw
てかまあ寝ててもわかった程度のいつものお家の重宝紛失関係だったのだけれどねw

ドラマはてんこ盛りで、物語としての起伏が大きいのだけれど、なぜかタイトルのような「ひだまり」感が。
時蔵と錦之助の兄弟ってなんかいい意味でも悪い意味でもまったりしてるよね・・・
前進座で見たのが一番面白くて、次に福助で見たのがイマイチで、でも時蔵よりは福助のほうがあってるかなあ、ってことで誰だったら面白いんだろう、とまたまた脳内キャスティング。

福助のお富、染五郎の与三郎、松緑の蝙蝠安蔵、歌六の赤間源左衛門。でどうでしょ。
本当は蝙蝠安蔵は勘ちゃんで見たいのだけれど、福助のお富だといかんせん若すぎるからご遠慮w
勘ちゃん蝙蝠安蔵だと、お富は梅枝あたりどうだろ。与三郎が松也か菊之助。いずれの場合も赤間は歌六さんで。てか橘三郎の赤間もよかったのだけど、ずーーーーーーーーっと脳内で歌六さんに置き換えてたのは私です。えろくてかっこよいだろうなあ。
橘三郎さん、ごめんなさい。

ここでも若い者で萬ちゃんと隼人が出ていて、全体の「ひだまり」感が増す仕掛けw

画像は萬屋ファミリー3/5による車引きの押隈から、萬ちゃん梅王の部分だけw

なんか実際より横に広がってないか?w


ペナルティとか消防士とか

2014-03-14 | kabuki a Tokio

すぐ感想書かないと絶対なんの意味だかわすれるぞ、のタイトルをつけてしまいましたw

とりあえず歌舞伎座夜の部二度目(一幕見はカウントしない)。

 

4日放置しましたが、タイトルの意味はなんとか覚えてますw

加賀鳶

勘ちゃんのかっこいい鳶っぷり。

幸四郎の美脚、いい感じの道玄ぶりは相変わらず楽しめたのですが、店先で睡魔が・・・二度目ですからね(言い訳)。

で、かなり眠って急に目覚めたときに幸四郎が口にしていたのが「ペナルティ」。
いや、ペナルティって言ってるわけはないんで、「空耳アワー」なんですけどね。
とにかく、ペナルティという言葉で目覚めたことは確か。あれ、なんていってたんだろう。楽にできれば確かめたい。

秀太郎さんの着付けが初日よりもっとぐずぐずで、それこそ乳が見えそうだった。見えない、つかみえても差し支えないんだけど、なんかドキドキしたw
宗之助さんは本当に14歳に見えるから凄いなあ。
さとぴは捕手やってももうトンボかえらないんだなあ。

などとうとうとしながら考えていたことを覚えています。

勧進帳

11日に見たときはお年寄り、とくに台詞の多いお二人がお疲れ気味だったのだけれど、不老の奇跡か、二人とも持ち直していて、(延年の舞や六方はもともと求めてないのでw)素晴らしい出来だった。
ただ、吉右衛門が高麗屋っぽいなと感じた初日の感想はそのまま、つーかより高麗屋っぽさを、増していて。
なんかで読んだものによると今月は、播磨屋の型ではなく、高麗屋の型でやってみてるそうで。どこがどうだか知りませんが。型が芸風に影響してるんでしょうね。私さすがだ(自分褒め)。
そして初日には感じなかったことだけれど、菊五郎の富樫もより感情表現が緻密になっていて、なんつーかちょっと松嶋屋の富樫のようだった。
緻密といえば褒め言葉、貶していえばくどいつーか大げさ、ね。
ああここで弁慶だってばれてるな。ここで見逃すことを決めたな、そして泣いてるな、みたいなのが分かりやすい、つか個人的には分かりやすすぎるのが、ちょっと不満。
でも、明朗な台詞術の二人だから、とっても聞きやすくて、問答のところとか、初めてゆっくり聞いてみた。
意味不明な単語はあるものの、ちゃんと聞けばなんとか意味わかるもんだのう(今さらwww)。
で、ここでも空耳アワー。「消防士」。うーん。なんだろう。正法関係かな、と思ったり。でもだったら「しょうほう」だよなあ、とか。まあ一つにひっかかると後の意味が分からなくなるのでスルーした。いろいろな単語をそうやってスルーしたわけですが、消防士、だけは覚えていたので、広辞苑チェック。
おそらく「消亡し」でしょうね、という結論なので、これまた楽に検証したいものです。

言語明瞭なお二人に対して、言語不明瞭ながらも絶対的な感動を与えてくれたのはこの日も義経の藤十郎。この品格と存在感と情感は、それこそ一朝一夕に出るものではない。
芝翫の義経も好きだったけど、やっぱりこの役に関しては、山城屋のほうが格上かなあ。。。

やり方や気分で日によってばらつきはあるものの、まあ当代一といって差し支えない勧進帳。今見られる幸せをかみ締めました。

振袖始

前回幕見したときの感想がまた強まった感じ。

すなわち、玉三郎は踊れてないけど、存在感がある。
勘ちゃんは踊り凄いけど、なんかこの役に関しては、(あるいは玉三郎と比べると?)存在感に欠ける。
勘ちゃんを待って待って、出てきて全部さらってってくれた!と思ったのが初日だとすると、
前回幕見で見たときは、あれ?もう少し凄くなかったっけ?と思ってしまい、
今回は、立ち回りつまらない(は言い過ぎか?)と思っちゃった。
振りを抜いたりしたのかどうか、いや、恐らくそれはないと思うんだけど、
そして勘ちゃんの踊りのどこがさえないってわけでもないんだけど。
なんなんだろう、自分でも説明つかないや。
跳んだりはねたりだけじゃない勘ちゃんを見たいってことなんだろうな、きっと。
客席は勘ちゃんの立ち回りで大盛り上がり。玉三郎より勘九郎に拍手が大きい日が私の目の黒いうちに来るとは思わなかったよwww

あ、たぶん勘ちゃんが客に大うけしてるのが気に食わなかったのかも、ひねくれ客ゆえw

この幕は空耳アワーありませんでした。台詞少ないしねw


はじめてのまくみ

2014-03-11 | kabuki a Tokio

こけら落とし一年間の間でようやくできました!

一人で並ぶのもつまらないし、ふらっと行って売り切れだったらいやだし、でなかなかトライできずにいた幕見体験ですが、付き合ってくれる人がいて、万一売り切れだったらそのままディナーになだれ込めばいいや、と、夜の部勘ちゃん見物。

振袖始だけのはずがなぜか仕事が早く終わったとかで、勧進帳も!
へへ。あたしは勧進帳あと二回見るからどっちかというと酒でも飲んでたかったような気もするんですが。

幕見席、旧歌舞伎座よりずっと広々として(特に立ち見スペースがゆったりした)、何よりエレベータで行けるようになったのがすばらしい!これで貧乏な年寄りになっても幕見でたまには歌舞伎見られるわ。

肝心の舞台は

勧進帳・・・お年よりが早くもお疲れ模様?
声と足腰に疲労感が・・・
振袖始・・・遠くから客観的に見ると、やっぱり玉三郎には華がある。
勘ちゃんにはいまいち華つーか「めでたい感」がないなあ。なんなんだろうね。ああいうヒーローものをやっていながらもどこか翳のようなものを感じちゃう。そこが魅力でもあるんだけど。


そろそろ、幕見もそんなに長時間ならばなくてもOKになってきたようだし、また機会があったらトライしてみようと思います。


ひしょう、無限大

2014-03-05 | spectacles

スーパー歌舞伎と銘打ってるんで、もちろん飛翔もあるんですが、タイトルの意図は

卑小であります。

ってことでめちゃめちゃ貶しますので、ファンの方はスルーしてね。

ま、たまってる感想をこなしてから、なので怒りも収まる、てか忘れちゃうかもしれませんがwww

3月8日現在、少し忘れたようですw四連荘は見事に右肩下がりの一直線でしたなあしかし。
そしてあえてこちらはkabukiジャンルからはずしました。私見です。

空を刻むもの

ちなみにそらでもくうでもいい、と某猿さんは言っていたようですが、見終わったらやっぱりクウでしょ、と思います。それこそ飛翔するからwそらでもいいのかしらん。

一幕

ただただ退屈。
主人公の悩みが悩みに思えない。卑小すぎる中二病的な甘えのために、自分を慕ってくれるものを不幸にし、親を捨て、人をあやめる・・・主人公にまったく共感できないのが致命的。
頭でっかちで周囲から浮いていて、伝統に反抗して・・・という設定はまるでどこかの誰かのようなのにwそこをもう少し生かせなかったものか。
スペクタクル的にも盛り上がりがなく、舞台装置もスーパーどころかコクーンでももう少しこってるんじゃないの?と思われるほどのしょぼさ。
蔵之助以下のキャストのギャラが高くて、ほかに金をかける余裕がなかったのか、と思ってしまった。

二幕

話に動きが出てきて、少しは面白くなるかと思ったら。
結局主人公の動きにまったく説得力がなく、なんで盗賊一味に加わって仏を壊しまくってるのかが意味不明。主人公の親友のほうがまだ描けてるともいえるが、蔵之介の台詞に力がなく、存在に魅力がないので、やはりつまらない。
一幕で死んじゃって出番終わり?と思っていた笑三郎の目の覚めるような啖呵と、妖しい美しさを称えた春猿、古典じゃないとなぜか魅力を出す笑也の三人の女形だけが救い。
この芝居を見にいく最大の原動力だった浅野和之もまったく使い切れてないし、福士は百両首の役柄から一歩も抜け出せてないし。

三幕

最後まで二人の主人公の行動が謎。中二病かと思えば急にすべてを理解して物分りのよい人間に変身してるし。ラスト20分は古典スーパーの粋を極めたこれでもか、のけれんてんこ盛り。
宙乗り、戸板倒し、戸板駆け上り(蘭平みたいなやつ)、屋体くずし、雪降らし、火の演出・・・息つく暇もないテンポで、これはさすがに楽しいのだけれど・・・考えてみたら何一つ新しいものがない。
ぜーーーーんぶ、歌舞伎、あるいは三代目の工夫を順列組み合わせしてるだけ。
四代目猿之助ってとにかく偉そうで頭よさそうだから、自分が初めて手がける新作でここまでなんの工夫もしないとは思いもしなかった・・・

…というわけで一幕二幕でしずまっていた客席もラストで大盛り上がり。初日だけにスタンディングオヴェーションまで起きたのだが。
おまえらさっきまでつまらなそうな顔してたの、忘れたのかよ、鳥頭かよ、と心の中で静かに毒づいていたのは私だけではない、と思いたい。延々四時間の退屈+最後の30分の興奮・・・ま、三階席だったので得意の「金返せ!」的立腹とはちょっと違いましたけど。

 

 

整理してみるとこの作品への不満は大きくわけて三つ。

1.脚本が悪い。主人公二人、とくに猿之助演じる仏師の悩みに共感できないので、主人公に魅力が感じられない。せっかく歌舞伎界における今の猿之助?とにやりとするような設定をしておきながら、それがまったく生かせてないし、二人とも頭が悪いとしか思えない展開。ラストに至ってはあまりにご都合主義で思わず笑ってしまった。

ちなみに芝居の題につながる最後の落ちは嫌いじゃない。四代目猿之助的哲学を感じさせて。
しかし、その結論があまりに唐突で、あんな主人公に到達できるとは思えない高みwにあるのがよけい違和感なのだった。


2.外部俳優の起用がまったくといっていいほど意味ない。蔵之助の役を月乃助がやったほうがずっと歌舞伎になっただろうし、(猿さんは月くんと手をつないで宙乗りしたくないだろうがw)盗賊たちに起用した大衆演劇畑の人なんて、ただ参加しただけ、という感じ。あれならおもだかの芸達者で綺麗な女形を起用してやるべき。喜昇、猿紫、笑野が気の毒になるほどの出番の少なさだったのに。
浅野に関しては中村屋における笹野的な感じで使う意味はあるのかもしれないけれど、これまた中村屋のパクリ、だもんなあ。ただ一人、福士の個性は歌舞伎役者にはちょっといないかな、と思わないでもないけれど、でも弘太郎あたりで十分できそうだし。

結局猿之助が仲良しさんと一緒にお芝居やりたいよ!という以上の動機も成果も感じられない外部起用だったといわざるを得ない。

3.そしてこれが最大かつ最悪で私が鬼オコになってる要因なのだけれど。
すべてがぱくり。何も新しくない。
スペクタクルについては三幕で述べたとおり。
最初に口上を持ってきたのは一つの工夫だと思うがこれも海老蔵がやってる。
そして口上の席に外部俳優を並べるのは、笹野が、それこそ数年、いや10年くらいの歌舞伎の舞台を経てようやくたどり着いた道。それをいきなり、白塗り裃で口上に仲良し三人組を並べるって・・・
三代目、中村屋、そのほか先達が苦労して切り開いた道をいきなりずかずかと踏み荒らされたような。いやーな気分でした。

主人公の存在が卑小。外部俳優の存在感も卑小。そして新機軸一切無しの卑小なスーパーミニマル歌舞伎って感じかな。

いや、それでも、面白けりゃいいのよ。たとえミニマルでも。スーパー歌舞伎って面白くなきゃ意味ないでしょ。
これだけ勝手なことしておいて、面白くさえない、(最後以外)。

そこが最大の問題点だと思うのだった。

あーあ。


じゅるじゅるからぐじゅぐじゅへ

2014-03-04 | kabuki a Tokio

これ、褒めてるんですがw。歌舞伎座昼の部は夜よりは大分落ちたなあ。
とはいえ、それなりに面白かったですけどね。

対面

んー。

こういうのって巧い下手じゃなくて面白いかどうか、なんだなあとつくづく。

橋之助の五郎、孝太郎の十郎、どっちもそつはないんだけどなんともつまらない。
とくに橋之助、いつもにこにこ機嫌よさそうで荒事なんてぴったり!と思わせておいて、いざというとき、なんだか小さくまとまっちゃってる感じ。なぜここで爆発しない!と発破かけたくなっちゃった。
小さくまとまっているといえば、梅玉。祐経がニンじゃないのは分かってるけど、ニンじゃないのも巧いことやっちゃう人なんだけど、うーん、けど、けど、けど。つまらない。
とにかく絵面と勢いが大切なこの狂言、なんで正月でもないしここで?と思いながら面子を見てたら
そうなのね、と自分で納得。
今月、本来なら福助児太郎親子の襲名興行だったわけで、お祝い用にたくさんの役者をブッキングしちゃったんでしょう。襲名がなくなって、さて、これだけの役者に最低一回ずつ出てもらうためには・・・と松竹も困った挙句のこの形。たくさん出られる狂言といっても、助六や暫やるわけにもいかない(成田屋出てないしね)し、無難なところで対面、になったんだろうな。
そんな事情が透けて見えるほどの、退屈な一幕でした。

身替座禅

 

菊吉共演ということでいちばん期待していたのだけれど。
なんだろう?もちろん巧いんだけど、あまり好きじゃなかった。
菊五郎の右京が、これまた張り切りすぎなのか、ちょっと作りすぎていて、中村屋入ってる感じ。
対するに吉右衛門は、ほとんど作らない、そのままの玉の井で。姿勢としては嫌いじゃないんだけど、怖くもない代わりに右京への愛情も感じられない。
でかい年上のプライド高い妻ってだけ。こういう人いるよねぇ、wと思うだけで。やっぱり玉の井はコワ可愛い、そして右京を愛してる様子が欲しいなあ。
そして、何がいちばん不満だったかというと、二人とも踊れてない。
吉右衛門はしょうがないとしてw菊五郎の花子を思っての仕方噺から歌祭文のくだり・・・こここそ中村屋並みの踊りが見たかったなあ。
ってことでここは期待しすぎた?
菊吉は夜の勧進帳のほうが数段いいですな。

封印切

 

昼の部はこれがいちばん。
とにかく藤十郎に尽きる。
巧いとか下手じゃなくて、存在そのものがちゅーさんなんだよねぇこの方。
何も作ってないように見える(もちろん作ってるw)。
じゅるっとした台詞回しや立ったり座ったりのたびに気になる足腰の弱りなどもちろん気になる点は多々あるのだけれど、それを補ってあまりある存在感と輝く色気。
ただ・・・タイトルどおり、じゅるを通り越して、ぐじゅぐじゅになってしまい、正直何を言ってるかわからない箇所も散見されたので、この狂言を初めて見る人はイヤホンガイドか筋書きがないと、ちゅーさんとかわさんに何がおきたのか、分からないかもw
とくに山城屋さん型だと、封印を積極的に切らないからねぇ・・・

まあ他人はともかく私は藤十郎を見てるだけで満足できたのですが。
正直脇がもったいないなあ。
扇雀は気が強そうに見えて梅川っぽくないし、何より翫雀が・・・大好きな役者なのだけれど、八つぁんの嫌味さがどうにもでない。顔が善人の顔なのだもの。仁左衛門が元気で八つぁんに付き合ってくれたら決定版になったとおもうのだけれど・・・

ニ人藤娘

綺麗なのはわかる。
二人で踊る意味が、二倍綺麗?wwwというわけでもないし、わからん。
夜の部でも感じたけれど、自分が踊れなくなったところを、手足のように七之助にカバーさせてる玉三郎。という図に見えてしまうのは私だけだろうか。
「ご挨拶」のとき、七之助が所作板の上を滑るようにすり足で進むのに、玉三郎はまるでよたよたと腰痛の老人のようにドタドタと(本当にそういう足音だった)歩いていて、見ていて辛くなるほどだった。
容姿の衰えがさほどでもないだけに余計痛々しいと思うのは私だけだろうか。

七之助は玉三郎を尊敬しているらしいが、舞踊と義太夫狂言に関しては教わらないほうがいいと思う・・・


受け継がれるもの変わり行くものまたは美脚ハンティング2

2014-03-03 | kabuki a Tokio

今日は国立初日。世間的には時蔵の切られお富でしょうが、ワタクシのお目当ては私のマンちゃんこと萬太郎の梅王@車引。母の気持ちで目頭を熱くしちゃいましたよ。

まずはその車引

オキの竹本に続いて花道を出てきた梅王・・・お、でっかい。堂々としてていいんじゃない?
声はもちろん持ち前の美声。てか時蔵の息子なのに美声っての、よく考えてみたら不思議ねぇ、ここだけはおとっつぁんに似なくてよかった!

笠をとったら、ちょっと・・・でかすぎ?肉を着すぎて動きにくくないかねぇ?傘のボリュームと肉のボリュームでちょうど良かったのが、顔だけになったらちょいバランスがw背が小さいからよけい、上半身がでかすぎるのが変w
こういうのはこれからお弟子さんと一緒に改善されていくんでしょう。
梅王の着付けって以前見せてもらったことがあるのだけれど、横綱の綱張りと同じくらい力仕事なのよね。たしか一時間近く掛かるとか。それだけで疲れちゃいそうw

芝居そのものは、まさに若手の初役そのものの、習ったことをきっちり一生懸命なぞってる、といった感じ。まだまだ梅王の時平への恨みとかそういうものは出てなかったけど、とにかくちゃんと荒事の型になってただけで、えらいえらい!
桜丸が隼人だと聞いたとき、正直「わたしの萬ちゃんの初役梅王の足をひっぱらないでよ!」と思ったのだけどw
彼は彼なりに進歩してるねぇ。もちろん硬いし、巧かぁないんだけど、行儀がよくて、別に邪魔してることはなかったw
むしろ父親である錦ちゃんが、松王で付き合っているんだけど、ここは圧倒的な貫禄勝ち!とはいかずに、なんかしょぼかったw
息子たちが心配で本調子じゃなかったのかしら?この人、二枚目なんだけどなぜか赤面やってるときのほうが生き生きしてるよねぇ?
もう一人、時平が・・・なんだか物凄くしょぼくて・・・大和屋!とかかってたから彌十郎?と思ったけど迫力も押し出しも足りない・・・よーくみたらまさかの秀調さん。そりゃ無理だろ。おかみさんとか町人やると凄いいい味出す人だけど、怪しくて大きい時平やれる器じゃない。人手不足にも程があるのかねぇ?

ってことで20代二人ががんばってるのにおっさんたちがイマイチ、という不思議な結果でした。
萬ちゃんの進歩を確かめるためにw後半もう一度みるので、とても楽しみ!
おっさん二人は萬ちゃん(とハヤちゃん)の足をひっぱらないように!w

 

切られお富

…というわけで車引で燃え尽きましたがw

いわゆる切られ与三のパロディとして作られたもの。
以前福助がやったのを見た記憶があるけれど、あまり記憶がないw
ってことは寝てたな?www

今回も、恐らくはいちばん物語の核となってるであろう中盤の
お富と与三郎が語ってるシーンで寝落ちwww
与三郎がお家の重宝なんとか丸を盗まれて・・・といういつもの展開は理解できたけれど、
そして取り返すための金をお富がゆすりとろうとした、というのも理解できたけれど、
その間の二人の交情とか、兄弟のらぶらぶシーン(あったのか?w)を見逃したのが痛恨。
車引のためにwもう一度みるので今回はそこを見逃さないようにしないと。

ここでも錦ちゃんが、なんか二枚目やりにくそうなのよね。
本当に不思議な人だ。顔は押しも押されもせぬ二枚目なのに、二枚目が似合わない。中身が二枚目じゃないのかな?
蝙蝠安蔵が、切られ与三のヤスよりずっと骨のありそうなワルなんだけど、これやった彌十郎がいちばんよかったかな。
橘三郎は最近老け役ばかりなんだけど、赤間くらいのまだ色気のある役もいいね・・・
時蔵はこういう悪婆がいちばん安心してみてられるけど、何せ肝心のところを見逃してるんで、評価は保留w

ってことで、次回の私!ちゃんと中盤起きてるように!

追記

またタイトルに書いてるのに書き忘れ。

美脚その2は、彌十郎さん。幸四郎さんほどすんなりはしてないけれど、長くてまっすぐで、何よりふくらはぎの筋肉が素晴らしい。スイスの山で鍛えた美脚ですな。
そういえば定九郎やったときにも脚綺麗だなあと思ったんだった。

 

 

 


受け継がれゆくもの変わり行くものまたは美脚ハンティング

2014-03-02 | kabuki a Tokio

歌舞伎座夜の部初日観劇してきました。すっごくよかったですよ!
これから怒涛?の歌舞伎三連荘予定。いや、スーパーも入れると四連荘かw

どうしてこんな予定になったのか、そのときの私に聞かないと不明www感想もたまりそうな予感ですが。そのうちに片付けましょう。→四連荘終わったので順にこなしていきます。まずはこちらから3・6記。

加賀鳶

夜の部、吉菊藤の勧進帳と、久々勘ちゃんのスサノオが目当てで、正直一つ目はどーでもいいや、と思ってたのですが。勘ちゃんでるけど、勢ぞろいでちょろっとだけだしね。
いやあ、よかったのですよこれが。今まで一度も面白いと思ったことなかったのだけれど、なんか今回は幸四郎の道玄がぴたりとはまった感じで。愛嬌と悪のさじ加減がとても難しい役だと思うのですが(菊五郎だと愛嬌が、幸四郎だと悪が勝ちすぎな感じが今までの印象)、今回幸四郎は本当に絶妙のバランスで、これは愛人wの秀太郎との相性にもよると思うんですが。秀太郎は江戸の女に見えないことが多いんだけど、今回はなかなか小また切れ上がったいい悪女っぷりでした。
この二人がしっかりしてると、それなりに面白い出し物なんだなあと。また一つ「苦手」な演目が減った!
そうそう勢ぞろいでは、もちろん勘ちゃんの安定のいなせっぷり、花道の立ち姿の綺麗さには見惚れた・・・と言いたいところですが、いや実際素敵だったんですけど、実は、その隣に立ってる児太郎に目を奪われてしまったのでした。
白塗りの若衆姿に一瞬福ちゃん?と思ってしまった。前から似てきたなあとは思ってたんだけど、今月、とくに勢ぞろいでの児太郎はびっくりするくらい福助に生き写しで。
ああ、予定通り行ってれば今月福助になる予定だったんだよなあ、この人、とか考えてたら不覚にもうるっときてしまったw
ツラネも、橋之助と勘九郎の間に挟まって、きっついなーと思ったけれど、まあ往年wに比べれば格段の進歩。V字じゃなくてU字、いや、お椀型くらいの谷間っぷりで、本当巧くなったよ!(褒めてる!)

余談ですが、留め男が梅玉さんで、勘ちゃんの鳶、というと勘三郎最初で最後のめ組を思い出して一瞬しんみりしてしまったりもしました。

勧進帳

期待大!だと裏切られることも多かったりするのだけれど、期待がLサイズだったのに、実際は3Lくらいで三倍返し!(古い?)されてしまった。うん。なんか~てしまった。を使いたくなるほどの「やられた!」感。
初日だし、三巨頭勢ぞろいだし、みんな張り切ってたんだろうな、とは思うけれど、
冒頭の富樫の口上からすでに、ここ数年で見たことのないような菊五郎の声の張りっぷりに気おされてしまったw
(久々の勘ちゃんなので、一等席はりこんでたから、もう目と鼻の先にめっちゃ張り切ってる国宝がいるんで。なんつか、感心するより怖かったw)
こりゃ負けちゃおられん!って感じたのか、吉右衛門弁慶が、いつもより長く伸ばしておりマース、的な台詞の端々にやたら張り切りぶりが見られて。なんか吉右衛門さんって常に平常運転、レベル高し、みたいなイメージがあったのであのときの気張りっぷりが珍しいようなおかしいような。いや、とてもよかったんだけど、個人的にはいつもの、ちょっと地味目な、だけど義経への敬意と愛情がたっぷりの弁慶のほうが好きだったかな。
ちょっとだけ高麗屋さんが乗り移ったwような弁慶でした。
きっと初日の高揚感がそうさせたと思うんで、二度目に見るときはもう少し淡々としてて欲しいな。
絶品が藤十郎。
立ったり座ったりのときに必ず黒衣のアシストw受けてるのが痛々しいんだけれど、その佇まいはもう、高貴な悲劇の若武者にしか見えなくて。あれだけ足腰弱ってるのに、座ってるときほぼ微動だにしないってどんだけの集中力なんだろう!この方は誰がなんといおうと、真の国の宝だと思う。いや、ほかの二人もすばらしいんだけどねw
弁慶と富樫に力がはいってるだけに余計、恬淡としつつ存在感を発揮してる藤十郎の「お宝」感が増した感じ。
太刀持ちの玉太郎も含め、およそ今考えうる最高の座組による勧進帳だと思います。
あとニ度見るので、少し力の抜けた、あるいは疲れたお宝様たちも楽しみにしますw
そうそう、後見の中に種之助がいて、物凄い目つきで吉右衛門をガン見してた。その熱い視線にうるっと。そしてそのまなざしから、勘三郎の道成寺をガン見していた所化勘ちゃんを思い出して、またうるうるっと。
本当、年とると涙腺緩んで困ります。

 

日本振袖始

 

勝手に振袖始のエピソードからやるかなあと思ってたんだけど、夜の追い出しでそんな長いはずないよね?
山中にツボ八個置いてある舞台装置を見て、ああ、これじゃスサノオ芝居するとこないじゃん!と少しがっかり。上演時間チェックしてない私が悪いんです、ええ。
いきなり大蛇が酒飲むところから開始で、稲田姫の米吉も、そしてもちろん岩永姫の玉三郎も綺麗なんだけど、正直玉三郎がうろうろして酒を飲んでる時間が長くて長くて・・・あれ、もう少し短くできんもんかね。玉さまファンだとあの動きでもずっと飽きずに見てられるんでしょうか?
そもそも「日本全国の見目良き乙女を絶やしてみせる!」(うろ覚えの意訳)って、まずあんたが自殺しなきゃでしょ!ってくらい美しい岩永姫ってどうなんだろうw
って以前も玉三郎の岩永姫の感想で書いた記憶があるんだけど、そんなことを考えて少しうとうとしたり、勘ちゃんまだかよ!と時計を見たりしながらの暇つぶしwww
やっと出てきましたよ!のスサノオ。
ご本人もやっと出てきましたよ!だったんでしょうねぇ。(時間的にも20時30分を回ってますし、数ヶ月ぶりの歌舞伎の舞台ですし!)
もう、国宝様より若い分力のはいり具合も無理してる感がなくてw
まあこの場面だけど立ち回りしか見せ場はないんで立ち回りを褒めるしかないんですけどね。w
所作が綺麗な人の立ち回りは見ていて本当気持ちいい。
この立ち回りのときの玉様がもうwww
なんつか。八股の大蛇の七股とスサノオが闘っていて、一股つーか頭の部分はそれをぼーっと眺めているというイメージなんですよ。
使っていただいていてこんなこと言っちゃ恐縮なんですが、昼の部の藤娘も含めて、玉様は、自分が動けなくなった分の迫力増しにここんちの兄弟を手足のように使っちゃってるなあ、と感じてしまったのも事実。
もちろん、そんな形でも歌舞伎座に立てるのは使ってくれる人がいるからだ、というのも重々承知した上での、身の程知らずの愚痴、でございます。聞き流してくださいませ。

 

…まあ細かい不満はともかくとして、三本とも粒揃いで、全部に感動できたのは、何ヶ月ぶりでしょうか。
今月歌舞伎座夜の部、責任もってお薦めできる充実ぶりです!

…っと。日を置いてから感想書くと、つねにタイトルのこと忘れちゃう。
受け継がれ・・・は国宝様たちと、若手と、超若手のそれぞれの進化を見ての感想。
美脚は、なんと道玄の幸四郎さん。そういえばちゃんと脚見たことなかったかなあ。直侍とかやってたよねぇ?今回あまりに綺麗な足なんでちょっとびっくりしてしまったの。息子の染五郎はわりとごつごつした(鍛えた)足なのに、すんなり伸びて、かといって仁左衛門ほど細くもなくて、本当に綺麗。ちょっとニヤニヤしてしまいました。