陽春舞踊公演@板橋行ってきました。
春暁公演もチケットは取っていたのですが、兄弟ともにコロナ罹患(てか天日坊カンパニーの大半はやられたたんじゃないかと推察。あの舞台でかからない方がおかしいw)で公演中止。
別公演のチケットを取り直すほど愛も興味もなくなっている・・・
というわけで今回の舞踊公演は板橋一回。チビもついてくるので二度美味しい?
まあ安定の兄弟公演って感じでたいして書くこともないのですが、久々に歌舞伎っぽいもの見たので一応メモしておきます。
玉兔
兄弟二人で、ということでちょっと珍しいヴァージョン。
今のところ舞踊に関しては圧倒的に兄の勝利だなあ。技術はもちろんなんといっても芝翫爺を代表とする成駒屋系列の舞踊が私を魅了する主因であるところの指先の美しさが、もう、まったく違う。
これ、年齢差だけじゃないと思うんだよね。アラフォーになっても七おじじには一切指先の美を感じないからさ。
成駒屋系の長男だけに備わる指先DNAがあるのかもしれない。児太郎も指先マジシャンだしね。
あれ?福ちゃん・・・・w
ま、いいか。
ちょーさんには独自の愛嬌があって、これは中村屋の血かなあ。
トークand歌舞伎塾?
構成の都合上兄弟トーク→いてうの歌舞伎塾、ていうか立ち回りの説明→チビ兄弟のトークって感じで
親子絡みはなくてちょい寂しいw
そういいえばグッズ販売でチビ兄弟のお絵かきをモチーフにしたキーホルダー?スマホクリーナー?(遠目でよくわからなかった)と手ぬぐいを売っていて、飛ぶように売れていた。手ぬぐいはちょっと欲しかったけど、行列してたので無駄遣いしないですんだ。
かさね
うーむ。
うーむ。
この演目はやはり弟立役兄女形のほうが絶対いいと思うんだけどね。
勘ちゃんの与右衛門はやっぱり情がありすぎてなんか与右衛門じゃないし。
七のクドキはちょっといい加減すぎて腹立つほどだし。この人はいつから背を盗むことをやめてしまったのだろうか。口うるさい父親の不在が影響してるのか。
踊りの技術云々は抜きにしてワタクシのベストかさねは未だに
パリだったかロンドンだったかで見た(記憶いい加減すぎ)海老蔵与右衛門亀治郎(当時)かさねだった、といえば
私がこの舞踊に期待しているかたちがわかっていただけるだろうか。
累にはまがまがしいほどの情と、美しい舞踊のかたちという二律背反的なものが欲しいし
与右衛門にはひたすら自己中心お家大事的な色悪の極みを見せて欲しいのだ。
亀かさねが切々とクドキを見せるなか、かさねの愛一切一切感じることなくただ無表情でたたずんでいるアスペルガー的な海老蔵与右衛門の美しい姿。
これが正しいかさねワールドの美!だと思うのよ。もっと言えば今まで見たすべての海老パフォーマンスの中でも1,2を争う海老蔵の正しい使い方w
というわけで今回の兄弟のかさねは個人的にはまったく好きじゃなかったんだけど、最後の連理引きにおける勘ちゃんの美しさだけを楽しみに見続けていた。なんせ海老蔵与右衛門はすごく良かったのに連理引きでドリフターズ的コメディ(褒めてない)になってしまい、大笑いエンディングになってしまったのでね。
うーむ。
悪くはないんだけど迫力美しさまがまがしさすべてに於いてイマイチだったかなあ。技術的に問題はなかったと思うので、ノリとかちょっとした問題だろうとは思うんだけど。そこに至るまでの与右衛門に対する(客としてのこちら側の)心理的距離の問題もあるかもしれない。
というわけで、兄弟逆ヴァージョンのほうが絶対良かったのに!というのが本日の結論。
四谷怪談もこのコンビだったら絶対通常の逆のほうが100000倍いいんんで!松竹に歌舞伎わかってる人が減ってるみたいだから今後も兄男弟女の機械的な役割分担だけは勘弁していただきたい。
連理引きがなぜイマイチだったかの謎は永遠に謎だけど。
黒紋付きの色悪姿の勘ちゃんは与右衛門というよりはなんだかこないだのテレビドラマの仲蔵さんに見えた。それはそれで素敵だったのだけどね。かさねの与右衛門には見えなかったという・・・うーむ。
まだ関東周辺の公演は残っているのだが、イマイチ与右衛門の謎を解くためにのこのこ出かけて行くだけの愛もヒマもないのだった。(ここんとこ珍しくちょいと忙しい日々)。
あーあ天日坊の楽が見たかったなあ・・・・(しつこい性格)