laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
楽しく気楽につぶして生きてます。

シードルとお岩木とステンドグラスと

2023-10-28 | voyage

24日から26日まで津軽に行ってきました。太宰を追っかけた学生時代、弘前で花見の十年くらい前、奥入瀬函館津軽周遊ぶらり旅の数年前に続いて四回目の訪問。ここ10年くらいで三回目って、太宰差し引いても結構津軽好きかも。個人的備忘メモなので(行ってない人には意味不明な箇所が多くて)面白くないですよ。

余談ですが弘前で花見は2007年なので15年以上前だった。その頃からブログやってるのにもびっくりしたし、その頃のブログの丁寧さと頻繁な更新にもびっくりした。

24日

早朝の新幹線で新青森から弘前経由で津軽尾上まで。弘南鉄道線路不備で不通のため代替バスで。土地勘ないのでバス停探すのが大変だった(ジモティは車の人がほとんどなのでバス停なんぞ知らないのだ)

バス便も少ないので時間つぶしに弘前城付近をぶらぶらして時間つぶし。

第一の目的地はここ。写真見てものすごく行きたくなったのだけど、借りぐらしのアリエッティのモデルになったところでもあったのですね。しかし太宰の斜陽館も今回のメイン目的地の宮越邸もそうだけど、田舎のお大尽の消費っぷり半端ねぇ。笑っちゃうくらい和洋折衷を体現した外観。津軽武道流?庭園も素晴らしい。はるばる来た甲斐あったわ。二階の洋館が老朽化で観覧出来なかったのが残念。

おなじく代替の江南バスで終点の黒石まで。こみせ通りという古い街並みは素敵だったけど平日の夕刻の寂しさと来たら・・・まあ風情はあるけど黒石市長でもないのに街が心配になった。

 

弘前に戻って夕食は通りすがりに見つけたビストロレストラン的なところ。ここが大当たり。オードブル的なもの二品にワインとシードル飲んだだけですけれど、酔っ払いバスチーなるものが絶品でした。バスクチーズケーキを酒のアテにしたら、とその日の朝思いついて初めて出してみたそうで。実験台になってしまったw

この日はシードルバー的なところにも行きました。ビストロもシードルバーもめっちゃ空いてたし、シードルバーは調べていったところの多くが閉店してて・・・うーむ。弘前市長でもないのに街が(以下略)

 

25日

この日は今回の旅の目的地。津軽中里を目指す。10時台に津軽中里に着くためには6時台弘前発の電車か8時台の快速リゾート白神しかない。リゾート白神は快速のくせに指定席を取らないと駄目。そしてなんと超人気列車だったのだ。6時頃目覚めてその事実を知ったワタクシ。青ざめました。この指定席を取らないと中里に指定時刻に着けない。目的地はガイドツアーでしか見られないので駅の送迎車に間に合わないと見られない可能性が・・・(実はけっこうゆるゆるだったので遅れても見られそうだったけどw)

8時過ぎに駅に着けばいいのに、早く行って指定席買わなきゃ(なぜかえきネットで予約できなかったの)!と焦って、結局7時過ぎに駅まで行ってようやく買えた指定席券握りしめて駅で時間つぶし。店もやってないし。ったく。なんで二時間に一本なんだよ!

そして田舎のお大尽シリーズその2.こちらを見学。このステンドグラスが見たくて艱難辛苦乗り越えてやって参りました!でもいちばん見たかったヤツは老朽化で見学不可。外から裏側だけ(写真左下)見せてくれたwこんな外気に剥き出しになってるならそっと見るくらい良かろう!と思ってしまったが。
村役場の方?が解説してくださるのだけれど津軽弁が結構きつくてヒヤリング困難でありました。見学者も地元の人が多いのでヒヤリングに苦労していたのは私くらいだったのかも(年に1回数日間のみ公開)。

このステンドグラスは昨年名古屋で出会って感動して同じ作家の名作が津軽にあると知って「行かなければ!」と心に誓ったのだけど、1/3見られなかったからまた行かなきゃなるまい。ああ生きてるって大変だ。

そしてそして津軽鉄道に載って終点まで来たなら、やはり帰りに途中下車して金木の斜陽館には参らざるを得ないだろう、というわけで。もう何度も行ってるので写真は割愛。しかし田舎のお大尽シリーズその3斜陽館はやはり何度見てもすごい。露骨に金持ってまっせ!!感はいちばんすごいかも。端的にいうと品がない。太宰の品がありそうでないところ、なさそうであるところ。まさにこの家で育ったからだなあ。。。などと。ここは太宰ファンだからかもしれないけど、来るたびに味わいが違って楽しい。宮越邸とセットでまた来たい。

夕刻弘前に戻って展示替え中で見られなかったレンガ倉庫美術館やカトリック教会などを散策。疲れ果てたのでシードルとイガメンチ買ってホテルで撃沈。しかし、夕方すぎると本当にお店もやってないねえ・・・市長でもないのに(自粛)。

26日

予定ではお昼くらいまで弘前にいて、青森に寄って夕刻の新幹線で帰路。だったのだけどとりあえず余りに天気が良くてちょっと郊外のリンゴ公園なるところに。まあ気持ちは良かったけど、ここもまたお客さん少なくて。中国人の団体客がリンゴもぎ取りサービスとやらやってるくらいで。うーむ。観光は景気が良いのかと思ってたけど。盛岡が大人気らしいけど。弘前はまだまだなのか。嬉しいような寂しいような。

そして弘前建築で前回まだ見られなかったニューオープン(もちろん改修してね)のものを二つ見た。青森銀行旧本店

と、

旧弘前偕行舎。

偕行舎の近くにあった太宰が旧弘前高校時代に下宿していたところにも二度目の訪問。ここは無料で解説のヒトが詳しく解説してくれて本当に素晴らしいところ。そして他の観光客は皆無・・・うーむ。

古い町には古い建物がたくさんあって。本当に楽しい。難を言うなら後で自分が何を見たのか、次回行くときにここは見たことがあるのか中に入るまで思い出せなかったりすることくらいかな。明治大正期の洋館とか本当、似てるの多いからさ!

 

街が寂れてるのは寂しいし、車のない人間に取っては観光も大変な地域ですけど、津軽はやはり好きです。そして鹿児島でも感じたのですが津軽弁と鹿児島弁は似ている。フランス語にも似ている。たぶん津軽と鹿児島が好きなのは言葉の印象もあるのかもしれない、などとふと思ったり。

そしてどこからでも桜島が見える鹿児島に対してどこからでも見えるお岩木様。なんか山ってありがたいなあ。山岳信仰ってわかる気もしてくるお年頃。

特に必死でヒトを避けて写真を撮っていたわけでもないのにどの写真にもほぼ映り込むヒトがいない・・・人混みが死ぬほど嫌いな私にとってはありがたいような寂しいような。

日本国首相じゃないけれどやはり心配になってしまうような。こればっかり。

 

 

 

 

 

 


集金作業

2023-10-06 | kabuki a Tokio

めちゃ口汚いですが、正直中村屋の巡業ってそれ↑にしか見えない。

とくに目新しいことやるわけでもない。ほぼ舞踊のみなので書き割り一つでできる。

なんといってもすべての公演時間の半分がトークってw

あんたらのアホ話にそんな価値があるのか。それなら素踊り手踊りなんてもいいから舞台に立ってずっと動いてて欲しい。

いや、たぶんトークよりそっちがいいというワタクシのほうが少数派なのはわかっています。みなさんトークがいちばん盛り上がってたしw

 

トーク

もはや芸談などとわざとらしいタイトルつけてないだけいっそ清々しい。

大田区の会場ではそこまでミーハーな内容はなかった(七之助の恋ハナとかw。もう40だからガチ恋層は逃げたともいう)

基本個人としてのなみのまさゆき氏にはほぼ興味ゼロなのでぼーっと聞いてたから記憶は霧の彼方(本日は14日。観劇から1週間以上経ってる、と言い訳)。

ほぼ唯一覚えてるのは一本刀土俵入りの代役話。前日に突然だったけど、芝居そのものは身体に入ってるので、なんと一度も台本は開かなかったそうだ。短期記憶じゃないから年取っても大丈夫なのかな。ってことは初役は若いうちにやっておかないとこれから大変になる・・・

道具まわりが高麗屋(というより播磨屋?)と中村屋ではだいぶ違うので直前、あるいはぶっつけ本番で道具を確認しながら芝居しなければならなかったのがいちばん大変だったそう。

中村屋型だと芋しか食べてないのが、高麗屋(播磨屋?)は餅も食う。播磨屋(高麗屋?入れ替えてみたw)のほうが食いしん坊なのかなw

 

女伊達

このブログで何回か書いているのだけれど

「もし私が日舞をやっていて、大金持ちだったら」発表会で男伊達に勘ちゃんと段ちゃんを従えて踊る!ことに決定してる演目でありますw

そもそものきっかけはこれね。素人でも金さえ払えば・・・の世界w
ちょっとだけ予算が足りない場合、京ジャニの二人でもいいかなあw段勘男伊達だと見ほれちゃって女伊達腰砕けなんてことになりかねないw

…でこのお役はワタクシにとってはワタクシ以外w芝翫さましか認めない!のですけれど。

なんとまた小童鶴松が挑むとな。・・・

粋さ仇さなどは一切感じられなかったが、まあ若くて綺麗でそこそこ踊れるから噴飯というわけでもなかった。

男伊達は中村屋弟子の中ではいちばん好きな仲助くん(踊りは駄目)と中村屋弟子中おそらくいちばん踊れる仲侍くん。まあこの座組の中ならここで満足するしかあるまいw

 

外題忘れた浦島物語みたいなヤツ

 

くっだらない舞踊劇。
いてうのタコだけがちょっと面白かったけどもっと吹っ切って笑わせに掛かって欲しかった。エンヤさんなら場内爆笑間違いなしの美味しい役なのに!

まあ勘ちゃんの手先の美しさがあればワタクシ的には元はとってるんですが。

最後の浦島の爺踊りで場内ドッカンドッカン。

おぬしら、勘ちゃん爺になったらどんだけ可愛いか思い知ったか!

 

と、全般に攻撃的というかやぶにらみで見てしまいましたが。

とりあえず昼夜観劇。そのうえカレンダーも買ったのでそれなりに中村屋の集金作業には貢献したからな!

 

蛇足というか嫌味ついで。左が九月に見に行った成駒家さんの巡業@板橋。右が中村屋巡業@大田。

 

歌舞伎巡業としての質はどっちかというとがんじろはんたちの方が・・・と思ったけど(個人的には勘ちゃんいれば満足なので主観基準ではないです)この入りの違い。ま、集客=集金は良く出来てるみたいなので良かったです。

勘ちゃんには集金とか考えないで純粋に古典歌舞伎を追究してほしいけれど。。ま、ヒトはそれぞれの立場で為すべきことがあるからね。しゃーない。