MIWA@東京芸術劇場見てきました。面白かったですけど、感想はタイトルの通りかも。詳細はいずれ。
忘れないうちに私的キーワードメモだけ
私の孤独
はやぶさ ヴィンセントヴァンゴッホ 水?海?のそこひ
これらの意味が分からなくなっちまう前に書く予定w
だったのだけどなんだか忘れかけてしまっている。(三日後)。
劇中でなんども繰り返されるタームで意味があるのかどうか・・・って検証したかったんだけど、どの場面で出てきたのかもはや記憶がおぼろ・・・
ゴッホは絵の模様がゲイバーオーナーの衣装にもちりばめられていたなあ。なんて台詞にかかってたんだっけ?
海のそこひ、はかなりしつこく繰り返されていた。底、じゃなくてそこひ(眼病)。
はやぶさにいたってはただただ意味なく繰り返されていたわけはないのだけれど、なんで隼が出てくるのか謎のまま。隼戦闘隊とか?おかえりはやぶさ?あるいは美輪の歌になにかある?
ほかにもいくつかそういう野田っぽいかんぐり言葉遊びがあったのだけれど、こういうの、気にしだしたらきりがないし、そういうのを抜きで楽しめる作品でもあったことは事実。
最近の野田の作品としては笑いの要素が多くて、ストーリーも現実の主人公を軸にしているだけあって一応芯があって一本道なので、野田作品としては難解さは少ない。
何より宮沢りえと古田新太を二人一役wにした試みが面白い。絶対ひとりでは表現しきれない「化け物」美輪、という主張が芝居の前提として提示されているわけで。
実は二人一役ですらなくて、歌の部分はアカペラの短いよいとまけ以外はすべて美輪のオリジナルの口パク。つまり美輪明宏という人物像を芝居で描くには三人必要、というわけだw
口パクでしらけるかと思ったら全然そんなことはなかったのは、二人の役者の力にもよるだろうが、なにより歌の圧倒的な説得力に飲まれてしまったという感じかな。
そう。いちばん感じたことはそもそもの前提で役者を二人にして、そして口パクにしたことで野田はもう白旗挙げてたんだと思うんだけど、結局美輪明宏の存在と歌という現実に、野田の妄想は勝てなかった、ってことかな。
劇中では妄想の産物である安藤牛乳が消えたあとも存在として生き続けていくMIWA本人の存在の孤独を描いていたけれど、そして妄想がなくなったあと歌えなくなった現実存在という設定になっていたけれど、これは美輪明宏という存在に妄想炸裂させて葛藤した野田からのせめてもの小さな反撃とか思ってしまったw
少なくとも私が見てきた芝居ではすべて妄想だけで世界をつむぎ続けてきた野田秀樹という人間が初めて現実に題材をとって、どうなってしまうのか、と思ったけれど、最近実在の人物ばかりを下地に描き続けている三谷とはまったく違ったスタンスで(当たり前だけど現実に挑み、三谷のように茶化すことなく現実の本質を独特の妄想世界でつかもうとして、結果つかみそこねたんだけれど、そこには別の結実としての空虚感、孤独感が残り、これは芝居の後味としてはなかなかのものだった、と私は思う。
役者としてはりえと古田が圧倒的。
他の役者ではMIWAの恋人たちを一人三役で演じた瑛太が独特のエロっぽい清潔感(矛盾してない!)で魅せた。特に幼馴染の役の独特な色気に惹かれた。
まあこの芝居全体が結局は美輪自身の歌と、ピカドンシーンとラストに現れる圧倒的なムスタキの歌唱(私の孤独)に尽きてしまうというのが私の感想なので、役者は主役以外は邪魔にならなければ全部どうでもいいということになってしまうのだけれどwそして全員邪魔にはなってなかったからいいんじゃないでしょうか。
そう。ムスタキの私の孤独が芝居全体のテーマとして実に効果的。原爆のシーンであの静かな曲が流れたときは最初違和感を覚えたのだけれど、ラスト、一人たたずむりえMIWAにあの曲が再びかぶり、すべてが腑に落ちた、という感じ。
いいえ、私は決して孤独じゃない。
なぜならいつも「私の孤独」と一緒だから。
NON JE NE SUIS JAMAIS SEUL
AVEC MA SOLITUDE
一番ポイントとなるであろう一部だけを抜粋しましたがこの詞全体にMIWAのモチーフがちりばめられていると思うので、MIWAを見て、この歌に興味を覚えたかたは是非歌詞を読んでみてください。フランス語はとても簡単です。大学一年次に「半過去」と「複合過去」の違いを表す例として取り上げられるくらいwでも中身は深いのさ。
…と思って歌詞探しでネットサーフィンしていたら…
ムスタキ、5月に亡くなっていたのですね。パリで彼のライブを見たのが何年前だったでしょう?なんか凄くショックです。
MIWAの結末の孤独感、空虚感を、またダブルで味合わされてしまった…
この歌をフィーチャーしたのは、ムスタキの死もきっかけだったのかしら野田は…
うーん。
なんか妄想は現実をしのげない、なんてえらそうなタイトルつけたら最後に
しっぺ返しされた気分です。うーん。うーん(涙