laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
楽しく気楽につぶして生きてます。

殿、出番でござる

2008-11-30 | passe-temps divers

どんなスポーツでも洩れなく男子のほうが好き。

日本では圧倒的に女子人気のフィギュアスケートでもそれは同じ。

 

なかでも、ポカミスが多かったり、不祥事起こしたり、何よりお顔がイマイチ?のせいか、人気薄の殿、こと織田信成、かなり好きです。

二年ぶりの公式戦となったNHK杯、優勝おめでとう。
SPの滑らかなすべり、柔らかな着氷、そして身体の線の美しさはすばらしかった。これからFS見ますが、楽しみ!

GPSはNHK杯しか出場していないのでファイナルには出られないけど、全日本に向けてすばらしいステップになったと思います。

動いているときの圧倒的な線の美しさは勘太郎の舞踊に通じるものがあると思う。

え?お顔がイマイチなところもだって?

ぷんぷん。

 


見られなかった舞台

2008-11-26 | la vie quotidienne

昨日の中村座千穐楽、本日の踊りと語りの公演@歌舞伎座。

チケットは持っていたのですがどちらもパスとなりました。

残念!というよりは別に芝居なんぞ見なくても人生はさして変わらないのだな、という感が強いです。いや、強がりでもなんでもなくて。


不思議かつ微妙な空間と時間

2008-11-24 | spectacles

安部公房の原作を読んだのはん十年前だっただろうか?

とりあえずキャストと原作とロケーション(徒歩5分)に引かれて見てきた。

うーむ。

演出家(岡田某)は新進気鋭の大変才能のある方のようだが、残念なことに安部とは合わないのかなあ。

安部の原作がすでに(古びているとはいえ)十分前衛なのに、それにかぶせるように前衛(つか難解?)な演出を施して、本来の戯曲の持っている良さをかえって消してしまい、悪い部分を増幅してしまっていたような。

ひさしぶりに「自己満足」という四字熟語が頭に浮かんだ二時間余でした。

役者はよかったなあ。特に麿赤児若松武史。この人たちを見られただけで、とりあえず腹はたたなかった。柄本時生のヘタウマ?も楽しめた。

この役者たちを使って、もう少しストレートな演出で、また見て見たいなあと思った。

あ、主人公(小林十市)は別の役者のほうがいいかなあ。


段ちゃんよいお年を

2008-11-22 | spectacles

獅子虎阿吽伝

今回は長兄広忠欠席の番外編ということで、歌舞伎に焦点を絞っての展開。
例によってゆるゆるの兄弟漫談?で予定より30分押しの素人構成w

面白かったですけどね。

 

個人的には段治郎が今年最後の舞台だというのにけっこうショック。

仕事がないのか段治郎?

それとも膝の故障の治療のためか。だったらちゃんと治療しておいてください。正月の小金吾の立ち回りはきついと思うので。

猿琉との立ち回り披露は、なかなか素敵でした。

 

すみません青楓さんは苦手なので踊りのほうはノーコメントで。

 

 

 


アダルト歌舞伎

2008-11-21 | kabuki a Tokio

今月の歌舞伎座は舞台の上も下もなんつか、アダルトつか、シルバーつか。

まったり落ち着いてますなあ。こんなことでいいのだろうかという気もしないではないが。

 

盟三五大切

 

ストーリーも怖がらせるポイントも面白い部分もみんな分かっちゃってるつもりだったけど、先月の仮名手本忠臣蔵を見ての連続で見直すと変に面白い。

先月あんだけ偉そうだった(違う?)仁左衛門の不破数右衛門があの後(時系列的にはそうだよね?)御用金を盗まれたカドで義士からはずされてたり、芸者に現を抜かして、その恨みで大量殺人を犯したりってむちゃくちゃだわなあ・・・

で結局のほほんと討ち入りに参加するしね。

てことで。

それだけかい、と思った方、こちらを観てね。

特に感心したのは六七八右衛門の歌昇かな。

 

吉田屋

 

うーん。

藤十郎の真骨頂のじゃらじゃら芸のはずが、じゃらじゃらしきれてなかったというか。夕霧が、やはり魁春では物足りない。

圧倒的な美貌(玉三郎の場合)か、なんともいえぬ風情(あたしが観た中では雀右衛門)かどちらかがないと、いくら藤十郎がひとりでじゃらじゃらしても、雰囲気がどうにも出てこないのだよね。

いっそのこと秀太郎が夕霧のほうがある意味風情はあったのではないか。

しかし、考えて見ると雀右衛門が無理になると、藤十郎の伊左衛門に拮抗できる夕霧役者はいないのだよね。そして藤十郎が伊左衛門やれなくなると、もはや本物のじゃらじゃら役者はいなくなっちゃうんだよね。仁左玉のは素敵なラブストーリーみたいになっちゃってるもんなあ。

うーむ。

 


家の芸、自分の芸

2008-11-20 | kabuki a Tokio

 

 

寺子屋

前半盛り上がらず。水のような梅玉魁春夫婦の所以か。

後半仁左衛門登場でかなり場が締まり、そして白眉は藤十郎の千代。
今まで最高の千代は徳松だと思っていたが、さすがに山城屋には負けたわ。山城屋のいやな部分であるくどい、どうだ巧いだろう芝居がほとんどなく、淡々としたなかに凄みと悲しみを漂わせた絶品だった。
これが観られただけでチケット取り直してまで出かけた甲斐があった。

 

船弁慶

脇は申し分ない。富十郎の義経は最初げげっと思ったが、なんとも哀愁漂うすばらしい貴公子であったし、松江率いる四天王(種太郎・萬太郎・尾上右近)はいずれも行儀よくお肌つやつや目の保養。
lavie的に大感激は芝翫の舟長。ほんの2-3分の踊りだが堪能した。あの手先の芸術的なまでの美しさは外孫に確実に伝えられていますね。
問題は主役。なんつか魅力にも迫力にも欠ける。
むりしてこんなのやらなくてもいいんじゃないの?と思った。
すっきりした江戸前の世話物でいいっすよ当代の菊五郎さんは。

 

嫗山姥

福助で観たときはとても面白いと思ったのだけれど・・・・

なんだろう、こういうファンタジーみたいな話は時蔵にあまり似合わない?
こないだの尾上のすばらしさからすると魅力半減。ちょっとがっかり。
花四天で左十次郎発見。最初に登場しないので油断していたら第二弾でかっこよく登場してました。最近またしばしばトンボ返るようになってうれしいっす。

 

で、タイトルは特に二つ目の音羽屋と三つ目の時蔵を観ていて感じたこと。
家の芸を守ることと、自分の芸を広げる、あるいはつきつめること、両方しなきゃいけないから役者は大変だなあ、と。

簡単ですが、こんなところで。

 

今月観た歌舞伎の中ではいちばん面白かったです。

明日は昼の部見る予定。面白いといいなあ。
それよりなにより観られるといいなあ。

 

 


蛙の合唱に寝かされた

2008-11-20 | spectacles

昨19日、シアターコクーンで観て来ました。観た?のか?

 

井上ひさしのミュージカル?ものは割りと好きです。言葉遊びが過剰なこともあるけど、それがまた耳に気持ちよい。

それにしてもこの作品は歌の量が多い。ほとんど四六時中歌ってる感じ。

オープニングはおおっと思わせる趣向あり。なかなか楽しかったけれど。

なにしろ、あまりうまくない(人が多い)歌の量が多すぎるのと、場面がとぎれとぎれなので、いつしかうとうとと・・・したと思ったら爆睡体勢に。

寝ては起き、起きては寝の繰り返し。目覚めるとかならずさっきと違う場面で・・・ってのを繰り返してるうちにいつしか2時間経過。

普通の芝居なら終わってもおかしくないところでようやく20分の休憩。

目を覚まさせるために外に出るか、と思って渋谷の街に出たら、芝居の続きより空腹が気になりだしました。

…ってことで後半は失礼してしまいました。ごまねぎうどん美味しかった!

芝居の評価はしませんよ。てかできませんよ。

あまりにブツ切れすぎたのも、寝ながら見るには適してたとも言えるしね。一つの場面だけ割りと独立してるので、そこだけ観てもそこそこ面白いし。
そう、決してつまらなくはなかったのよ。たぶん。

とりあえず最後まで完走したら四時間以上らしいこの芝居、いくらなんでも長すぎますよねぇ・・・体力気力充実してるときでないと付き合いきれない感じ。

上川隆也の赤ちゃん姿がかわいかった!

 


いいわけというかお知らせというか。

2008-11-19 | la vie quotidienne

芝居の感想が90パーセントを占める当ブログですが、ちょっと私生活の諸事情により、見終わったあと、感想を書きなぐる余裕(時間ではなく精神的な)が減ってきまして。

しばらくのあいだ、ごく簡単なメモっぽいものになる確率があがると思います。ここ数回、そんな雰囲気ただよってましたもんねぇ・・・

 

芝居そのものは事情が許す限り今までどおり見ていくつもりなので、記録として観劇のたびにブログをアップはすると思いますが、これまでのように辟易するような長文はめったに見かけなくなりますよ。

あ、ほっとしてるでしょ???

 

ちなみに本人は精神的にも肉体的にも至って元気、かどうかは知らないけど通常状態ですのでご心配なく。

 

2009年3月16日こっそり追記。

2009年3月9日「私生活の諸事情」は悲しい形で終了しました。
そろそろ暇な生活に戻る予定。

まただらだら書いちゃうかもね。


形だけ・花だけ・形なし歌舞伎

2008-11-18 | kabuki a Tokio

演舞場夜の部の感想を順にひとことずついうとタイトルみたいな感じです。

先代萩前半(花水橋・竹の間・御殿・床下)=形だけ歌舞伎

よかったのは子役二人

先代萩後半(対決・刃傷)=花だけ歌舞伎

よかったのは男女蔵

竜虎=形なし歌舞伎

よかったのは・・・なし。強いて言えば隈取仮面の工夫か。

 

はなはだ簡単ですがこれにて。

後日付け加える可能性は極めて少ないかと・・・

 


へたな喜劇より面白い

2008-11-16 | kabuki a Tokio

後ろの席のおばちゃんたちの感想「へたな喜劇より面白い」

もちろん、褒めてるつもりなんだろうけど、そして、客の皆さんからは満足の声しか聞こえてこないんだけど・・・ああいう空間でひとり、苦虫をかみつぶしてる自分はもう自分でもいやになるほど嫌味なんだけど。

乗れないんだよなあ・・・

はい、「じゃ観にいくな」ってことなんでしょうね。

勘太郎見たさに、ため息つきながら見てる自分って、なんだかなあ、と思います。

 

 

とはいえ、初回の観劇のときよりは、全体に芝居は締まってきていて、それなりに楽しめたことも事実。

ただ、笹野の勘十郎だけはどうしても許せない。あの役をああいう品のないエロ爺に貶めた彼の(そして演出の串田の、そして座頭の勘三郎の)責任は重大だと思う。しかも、下品な部分は日々拡大しているようで。変なアドリブも増えてるし。今まで歌舞伎役者以外でも歌舞伎に出て何が悪い、と思っていたあたしだが、あのエスカレートぶりを見て、やっぱり歌舞伎が分かってない人間には無理なんじゃないか、と思えてきたよ。

悪し様に言ってますが、役者としての笹野は嫌いじゃない、というかむしろ好きなほうなんで、愛のある苦言だってことで。

後方からの観劇では気づかなかったポイントをいくつか。

1.捕手に飛び込む法界坊(というか変化のもの)は吹き替えちゃんだったのね。捕手にいてうがいないとおもってたらそうだったのか。カーテンコールにも出してやって欲しい。

2.最後に投げる蜘蛛の糸、最初は黒で後は白。法界坊の黒い魂と野分姫の白い魂って意味なのか、法界坊の魂が浄化されて白くなったってことなのか。いろいろ意味ありげです。

3.前半にはなかった舞台上の桟敷席(羅漢席)が面白い。
きちんと桟敷としてしつらえてあって、まるで舞台の登場人物のように背筋を伸ばして座っている客。あそこはご贔屓さんのみの特権なんでしょうか?
いや、座りたくないけど、決して。
つか苦虫かみつぶして腕組みした客は決して座っちゃいかんでしょう。

 

芝居そのものの感想は初回の感想とほぼ同じ。
印象(特に大喜利)は少しよくなった、ってことではなはだ簡単ですが。

 

冒頭の画像は中村座内に飾ってある先月の役者57名(なんと四十七士+十人なのね)の連判状。カンタだけ勘平気分で血判だよ!お馬鹿だねぇ・・・


形歌舞伎

2008-11-15 | kabuki a Tokio

ミスタッチではないです。「花」のない花形歌舞伎だったってことで。
昨日見てまいりました。感想はいずれ。まあ↑の通りです。

簡単に感想を付け加えます。

 

伊勢音頭

 

見たことのない場面(相の山など)をみられたのが収穫といえば収穫か。
油屋より前の場面を見たからといって、妖刀青江下坂の謎が解けるわけでもなく、かえってもうひとつ前の場面が見たくなるだけだし、いわゆる「ちゃり」要素が多い場面なので、この芝居の薄さが余計際立つ結果になったような気もするわけだが。

まあ獅童の使いどころがなくて、すっきりしてかつ人のいい奴なら合うか、と思った、みたいなところが真相なのかな。極め極めはかっこいいのだけれど、台詞が現代劇みたいで、しかも動くと超腰高。台詞はともかく、動きは海老蔵のほうが数段歌舞伎になっているな、と妙なところに感心。

というか、私の観劇歴を通じてここまで門之助が巧い!と思ったのは初めてだった。つまり周り(の二人)と比べて・・・ということね。

 

油屋になって、おもだか実力派笑三郎と猿弥、それに大好きな上方女形の吉弥などが加わって、相当よくなるか、と思いきや・・・

なんなんだろう、相変わらずの薄さ、というか覇気のなさ、というか。
主人公貢を演じる海老蔵にこの役は荷が重すぎたのではないか。
二枚目と荒事しか出来ない人なのだな、とつくづく。
通常の芝居では白塗りの姿のせいもあって、まるでつっころばし。で、怒りを表現するときはいきなり寄り目。ヲイヲイ、見得は全部「睨み」なのですか。

唯一ある意味よかったのは、途中から魂を失ったような芝居で(これはたぶん本人の工夫。馬鹿に見えちゃったのは失敗だけど)、この殺人劇がすべて青江下坂の魔力によるものなんだなあ、と納得できたこと。

今まで名優によって演じられた貢だと、貢に骨とか頭とかがあるので、あるいは魔力につられた振り?である程度自分の意思で殺してたんじゃ、とも思えてしまったりしたのだけれど。だったらお鹿ちゃんがかわいそうすぎる、とかもね。

そうそう、芸達者な吉弥・笑三郎・猿弥について、ひとことずつ。
吉弥:大げさすぎない意地悪ぶりでなかなか良かった。もう少し若く作ってお紺と対抗するような風情があったら面白かったのに、せっかく吉弥さん綺麗なんだから。
笑三郎:綺麗だった。ほとんどじっと座っている時間が多くて大変な役だと思うけれど、感情の糸が切れてないのはえらいと思った。
猿弥:うーん。思ったほどよくなかったかな。この役、滑稽すぎるのは言語道断だけど、猿弥さんの場合、かわいらしさが足りなかったというか・・・女の一途さ、哀れさみたいのが出てたらもっとよかったのに、。ちょっと万野風味だったかも。

 

宗之助のお岸。国立の高麗屋公演でヒロインをやるにはちょっと小粒すぎ、tってことで春猿とバーターだったのだろうか。なんて考えてしまった。巧いけどじみだよねぇこの人。
愛之助の喜助。いやあ目立たなかったなあ。下手でもないし、そこそこ男前だし、関西弁はネイティブなのに。何が足りないんだろうこの人。

 

 

吉野山

 

菊之助静の登場のとき、lavie観劇史上最大?とも思えるジワ。
体感音量では助六海老蔵襲名のときも同じくらいだったけど、あのときは一階席、今回は三階席だったのに花道横のジワが相当な音量(というか波動)で感じられたから、一階席だったら凄かったのだと思う。

で、それほど綺麗だったかというと・・・lavie的にはそれほど。
まあ、lavie史上いちばんの美人さんは8月紅葉狩のカンタ姫なので。変わった趣味なので。すみません。

松緑の忠信、見慣れた忠信の顔より少し隈が多かったような。松緑くんって最近独自の顔作りが多いですよね。試行錯誤中なのか。失敗してることが多いように思いますが、忠信の顔はけっこう似合っててかっこよかった。

でも肝心の踊りが・・・所作板の出来が悪いのか?松緑の出来が悪いのか?
足を踏み出すたびに滑りすぎじゃないですか?
なんだかフィギュア忠信みたいでした。
静と忠信の関係性が、役者によって、主従にみえたり、男女にみえたりなんだけど、この二人は、他人に見えた

なんかバラバラに勝手に踊ってる感じ。

藤太の亀三郎ががんばってた。滑稽味は薄いけど、生真面目にきっちりやっている中にうっすら面白い、みたいで好感が持てました。花四天の後ろにさがるときの段取りというか台詞が初めて聞くものでした。ああいうのどっから掘り出してくるんだろう?

 

 

 

まあ特によくもなく悪くもなく(ちょっと悪いか?)、全体に誰も目立たない(海老蔵さえも!)という薄ーーーーーい舞台でした。三階席だから不満もそれほどないけど、一等だとこれで15000円とかとるんでしょ?信じられない!

 


トンデモ歌舞伎

2008-11-11 | kabuki a Tokio

三行感想

 

乱歩が怒ってないか?

歌舞伎の神様が怒ってないか?

とにかく最後に宙乗りすれば盛り上がるとおもってないか?

 

以上。

 

あ、よかったのは春猿と鉄之助。でもこの二人だけでは芝居は成立しない。


ご近所巡業

2008-11-10 | kabuki a Tokio

歩いたら30分くらい?
うちから10分くらい歩くバス停からだとバスで一本。だけどバスは1時間に3本という、都会にあるまじき過疎ダイヤ。
電車がいちばん短時間でいけるけど、わざわざ渋谷経由していくのがめんどくさいし、渋谷は嫌い。

本当に便利なようで不便な場所

行きはバスで。帰りもバスにしようと思っていたら、満員。
しょうがないタクるか、と思ったらこれまた空車なんて来やしない。
次ぎの便まで待ってもなんと満員。ヲイヲイ。
結局ホール前で30分くらい時間を費やして、タクシー乗って帰ってきましたよ。こんなことなら電車か歩きにすればよかったものを。

なんて卑近な不満は除くと、ホールも綺麗で居心地良くて(座席が軽くリクライニングするホールなんて初めて)見やすかったし、芝居もそれなりに面白かった。
一階はそこそこの入り、二階はガラガラっていうのはまあ巡業のお約束かな。もう少しお客さんはいってもいいのにこの出来なら、と思いましたですが。

 

魚屋宗五郎

実は出し物が何かも忘れてぼーっと座ってたらコレが始まりました(苦笑)。
最初はまた魚宗!とうんざりしたのです。だって先月?菊五郎で見たばっかりだし。


三津五郎の魚宗を見たのはたぶん二度目のように思うのですが、これがよかった!

魚宗の人としてのちっちゃさ、屈折感(妹を妾に差し出して、安寧に暮らしてることへの)みたいなものが実にくっきりと出ていて、酒を飲まなければ本音をいえない現代サラリーマンを二重写しにしているようで。妙に共感を持てる役作り。
菊五郎や勘三郎じゃこんな鬱屈は感じられないし、幸四郎だと、酒を飲まなくてもぐちぐち訴えそうだし。ってことで、とても気に入った宗五郎でした。
おはまの芝雀もとてもいい。三吉の亀寿はいまひとつ気風のよさが足りないけど、この二人+父親の市蔵、おなぎの萬次郎に共通して言えるのが「無理に笑わせようとしてない」こと。これがなんというか、好感が持てました。
とくにおはまは大げさにやりがちな役者が多い中、芝雀はかわいらしくて一生懸命なあまりのおかしさっていうのがにじみ出てそれはいいおはまだったと思う。背格好も三津五郎とはぴったりだし。

びっくりしたのがおなぎで登場した萬次郎
ここんとこ菊之助とか七之助とかの若手きれいどころで見慣れていたせいか、最初は違和感アリアリだったのだけれど、いやあとっても良かったです!
情も品もあって、宗五郎が酔っ払ってからの様子を見守る様が本当に怖がりつつ申し訳ながっている感じで・・・口跡はちょっとへんだけど、やはり女形がいいやこの人は。

後段、磯部屋敷になってからは、大和屋と京屋+橘屋ってことで脇にご贔屓役者がいっぱいで、嬉しいやら大変やら。
橘太郎、三津之助、八大、大和、京純、京由・・・うれしい!

磯部の殿様が秀調っていうのは、萬次郎のおなぎと同じでショックだったけど。萬次郎と違って最後まで違和感あったけど。
彦三郎の家老がどう見ても悪役面なのも違和感あったけど。

というわけで後段はちょっと・・・だったのです。三津五郎もなんだか急に弱っちくなりすぎて、この場面は菊五郎や勘三郎のほうがずっと愛嬌と色気があってよかったし。


巳之助を三吉にしたら荷が重すぎたのだろうか。で、亀寿が磯部の殿様、典蔵を彦三郎にして家老が秀調だと、とてもぴったりの配役になると思うんだけど。。。ダメ?

 

 

京人形

 

楽しみにしていたのだけれど芝雀の京人形は美しさも踊りもイマイチ。
三津五郎もなんだかちょっと生気に欠ける甚五郎で。
大好きな大工道具を使っての立ち回りも、テンポがあまりよくなくて。
巡業の割には八大・大和・翔次・京純・京由(ごめんあと三人わかりませんでした)と面子も揃ってるのになんか覇気に欠けていたなあ。

というわけでこの幕はちょっと期待はずれ。

萬次郎の女房はとても愛嬌があってここでも健闘してた。久々に♪あァの感頭詞が入っちゃってるのは気になったけど。

 

まあ、三津五郎の宗五郎と芝雀のおはま、萬次郎のおなぎがみられた魚宗の一幕目だけでも十分満足はできたんだけど。

バスとタクシーを待ってうろうろしてる間にお弟子さん軍団が楽屋花を持って帰宅するのを目にしたり(弟子にあげちゃうのかね)、お弟子さんの一人(だれかわからんかった)が自転車で帰るのを見つけたりといった余禄もあったので、まあアクセスの悪さも許してあげよう(偉そう)。

 

 

 

 


中村座への期待と幻滅

2008-11-07 | kabuki a Tokio

先月の熱狂とは打って変って、今月は、初日もパス。

今日はたった一回のNYヴァージョン上演ということで、行ってまいりました。

上演前に、伝法院の庭園(こちら特別公開中。噂によれば今世紀中は~ってあと100年近くじゃん! 公開予定なしってことなので、お近くの方はぜひ16日までにいらっしゃいませ)を拝観。思ったほどの人ごみではなく、わりとゆったり見られました。お茶振舞いもあったりして。うん、くつろげた。

 

で。肝心の芝居ですが。うーむ。

 

 

なんせNYに行きそこなったあたし(てんまつはこちらから)。
NYヴァージョンは見なくちゃってことでがんばったのですが。
パパのモノローグ、けっこうがんばってました。NYから二年も経ってるわりにちゃんと覚えてたほうじゃなかろうか。

 

NYヴァージョン云々はべつにして、今回の串田版法界坊は、あまり好きじゃないかも。

 

数年前歌舞伎座でやったときの串田法界坊がかなり好きだっただけに、それとどうしても比べちゃうんですけれど、なんというかその場その場の盛り上がりとギャグばかりが目立ってしまい、全体を通しての法界坊の物語が全然見えてこないというか・・・

特に違和感を感じたのが笹野高史の勘十郎。やたらお笑い方面に役作りを膨らましているようですが、この役はお笑いである半面、悲しみも感じさせる、いわゆる「道化」であってほしいのに、ただの下品なエロおっさんに堕している気がしてとても残念だった。

とにかく主役の法界坊を含め、すべての登場人物がちっとも魅力的に感じられない。
人としてどうなの?というところで練り上げるのが歌舞伎と違う串田演出だと思っていたのに(三人吉三なんかはその手法が大成功してると思う)、この芝居では番頭はただのグロ、勘十郎はただのエロ、そして法界坊はただのエログロ。
まともチーム(苦笑)もお組はどうしてあんなにもてるのか不明だし、野分姫はずれまくったKY姫だし、甚左衛門もKY大将だし・・・で、ご贔屓勘太郎演ずる要助が唯一まともかと思いきや・・・いきなり一瞬狂気の遠吠え・・・(役者としては見せ場かもしれないけれど、芝居のなかではわけわかんねーっつーの)。

その場しのぎのつまらない受けに走った役者+演出家の結果がこうなっちゃうのかね、と、先月の充実振りと比べてあまりにさびしくなってしまった、というのが本音。

客席は大盛り上がりを見せた大詰め、NYヴァージョン(テレビで観た)のときもなんだこれ?法界坊じゃなくてTHE KABUKI DIGEST?と思ったのだけれど、それがますます拡大した感じで。

法界坊のストーリーはどこに行っちゃったの?という感じの双面ちょこっと+道成寺+鳴神+小金吾+三人吉三土蜘蛛+・・・・・といった感じのとりあえず派手な扮装、大立ち回りをやってみました、ってな演出。
てんこ盛りの大サービスに客席総立ちの大喜び。カテコ三回。はいよかったですね。

本当に初心者さんは喜ぶでしょうね。だってこれ一回見ておけばKABUKIを見たような気分に当分なれますもの。

ってことは当分歌舞伎を見なくてもいい気分にもなれるってことで。

 

で、法界坊は????どこに行った?

 

耳に入ってきた他人の感想は
「すばらしかった!」「これなら10000円以上でも高くない!」
など、ほぼ全員興奮&大満足だったので、不満を感じた客=あたしは本当に少数派なのだと思います。

変に歌舞伎なれしているいやらしさなのかも、と自分で反省もしたりしつつ、でもやっぱりああいう初心者客に媚び媚び(と敢えていわせていただく)の本筋無視の舞台では悲しくなってしまう自分もいるわけで。しかもそこに大の贔屓の役者が存在しているわけで。

チケットは先月より今月のほうが売れているそうで、つまりは面白くて分かりやすいのが勝ち、ってことになってしまうのだろうか。
てか、本当にみなさん、分かりやすかったですか????

うちに帰ってから、結局法界坊はどうなったの?とか考えないですか、あの幕切れで?

それを考えさせないために、序幕でもギャグばかり目立たせてそれぞれの役のキャラはいい加減にしたわけですか、串田さん?

勘太郎びいきゆえに、必要以上に中村屋・中村座の芝居を見続けてしまい、それゆえの辛口、あるいは期待過剰ということもある、というのは重々承知しています。

ただ、不満を感じたのがあたしだけではない、ということの一端として、(NYヴァージョンということで)格安?で呼び集めたガイジン(会場の2-30パーセント?)のうちの少なくとも数十人が、大詰め前の休憩で席を立ってしまったという事実のみを淡々と付け加えて、あたしの感想を終わりにしたいと思います。

 

こっからは愚痴という名の期待。 

先月4ヴァージョンも作ったこのプロジェクトだからこそ、今月は串田ヴァージョンと、もうひとつ、昔ながらの法界坊(先代勘三郎が大得意としていた)を並行上演する、くらいの試みがあってもよかったんじゃないか、と思ったりしながら、帰路についたのでした。
それくらいのキャパというかポシビリティというか、そんなものを包含している小屋だと、あたしはこの中村座にどうしてもまだ期待してしまうわけでして・・・ミステラレナイ

 

ま、いっか。伝法院楽しかったし。


白と黒

2008-11-05 | monologue

政治嫌いの選挙フェチのあたし。

開票速報のBS放送を見ながらあちこちネットサーフィンしていたら非常に興味深い画像を発見してしまいました。

何はさておき自分の保存代わりにここでご紹介。

いろんなことを考えさせられましたけれど、小浜さんって、エリート顔なのね、と改めて確認。

もう一人の人は・・・いや、落選スピーチはよかったです。