laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
楽しく気楽につぶして生きてます。

万能薬?

2016-12-26 | kabukiza

イブの深夜から奴に襲われて・・・朝まで上から下から大騒ぎでした。
翌日一日絶食&安静にして、なんとかノロノロwと歌舞伎座楽に出かけて行きました。
2部と3部を取っていたのですが、この体調では、いや体調良くても、だったかも、の吹雪峠パスの寺子屋から三演目。

這ってでもでかければきっと松王と椀久と花子(1/5)が治してくれる・・・

さて、万能薬どの程度の効能だったでしょうかね。

きっと感想は年をまたいでしまいそうな予感もあったりしますが。

とりあえず皆様良いお年を。(もうかい!) 

 

…ってことで、良いかどうかはともかく、無事更新しないまま新しい年を迎えてすでに三日。
世の中では初日も開きまくっております。ワタクシはまだですが。

 

今更師走の感想を書いてるどんくささ。来年のことを言うと鬼が笑うそうですが、去年のことを言うと誰に笑われるのだろう。

 

笑われるのもいやなので、感想はやめとくか。本当は忘れてるだけだけど。

 

とりあえず、体力ゼロで見た割には寺子屋には感動しました。たぶん四回見た中で一番よかった。
前半の作り病&敵役が特に凜々しく良くなっていて、後半の父親・兄としての情があふれ出す場面が余計効果的に見えていた。
首桶に手を置くさまもじっくり鑑賞。

 

この時点で体調少し回復してきて、これは本当に治るかもしれない、と期待したのですがw

 

椀久はなぜか楽日はいまいち感動できなくて。
色気や風情はこちらの体調が良くないとアンテナ張れないのかな。自分のせいなのか踊り手さんのせいなのかわかりませんが・・・

花子は良かったのだけど。椀久でちと体力使い果たして、ぼろぼろになってたから、完全回復とはいかなかったのです。

ま、年の最後を勘ちゃんの踊りで締めくくれて、まがりなりにもちゃんと見られて、よかったということで・・・

1月3日現在、まだちょいとおなかの調子変なのよ。年とると回復も遅くていやーねぇ。

 

…これで去年の感想全部やっつけたぞ!

新しい年だ!!!!

 

 


嵐の夜に

2016-12-22 | kabukiza

あらしのよるに、ではなくてね♪

飽きもせず歌舞伎座三部四回目見終わったら嵐でしたの。の感想はいずれ。

三回目とごっちゃになる予感。

…現在2017年1月3日。

2週間経ってなんのメモもなく、アルツ初期継続中ゆえ、ごっちゃにならないはずもなく。
三回目の奴と合流ってことでお許しくださいw

おぼろげな記憶では三回目と四回目(今回)がとても良かったという気がするのですが。
 


玉+七梅コタ<あなた

2016-12-20 | kabukiza

これまた昭和の歌謡曲からのだじゃれ。

はい、あのことですね。はい。四回目。国立に引き続き見てきましたのよ。

わあもう三部見過ぎて、特に後半三連続で。

そして2週間も経つといつ何をどう感じてたかなんてまったく覚えてねぇ。

とにかくこういうタイトルをつけたってことはまた勘ちゃんしか見てなかったな。

 

いいんです!

ええいいんです!

 

踊る勘ちゃんを二時間以上見続けられるなんてめったにないんだから。

 

勘九郎椀久のいちばん好きなところ。出の孤独感。最後の、孤独だけど幸福感。
勘九郎椀久の次に好きなところ。踊りすぎないでちゃんと踊れてるところ。もっと動けるのに動かないで、それでもちゃんと芸として成立してるところ。
勘九郎椀久のその次に好きなところ。清潔なエロ。清潔は彼の踊りにつきものだけど、玉三郎さまのおかげで、ちょいとしたエロが引き出されてた。

勘九郎花子のいちばん好きなところ。赤い靴を履いた花子。わかる人だけわかってくださればいいです。これ以上は言わない。
勘九郎花子の次に好きなところ。みんなと仲良し、はっちゃけ花子。勘三郎を写しながら、勘三郎よりクリアでシャープ。
勘九郎花子のその次に好きなところ。おちょぼ口の八の字眉。化粧からもいわゆる「女形花子」とは一線を画していて、彼の花子への並々ならぬ意欲が感じられた。

 

ま、そんな感じで。

どちらのお役もこれから何回もやって、深化させていって欲しいなあと心から思いました。
 


LOVE~困らせたい

2016-12-20 | kabuki a Tokio

ある世代以上の方にはわかるパロディつかだじゃれですが。

国立劇場仮名手本忠臣蔵三ヶ月目、最後の三段を見てきました。タイトルのことも含めて面白かったよ!

さて、何が面白かったのかほとんど忘れてしまったあけましておめでとう、の1月2日w

観劇以降2週間の感想というのは最長記録かしら。

とりあえずタイトルのことだけは覚えてるのでそれ中心に。

八・九段目

小浪の児太郎が可愛くて可愛くて。
大好きな芝翫さんの内孫、大好きな福ちゃんの長男ってことで、好きではあったのですが、
数年前まではいくら好きでもかばいきれないろくでなしって感じでw
ここ2-3年かな?急速に巧くなり、かわいさはそのまま、踊りもいい感じになってきて。
本当、正々堂々と

 

私は成駒屋(東)の女方が大好きだ!

 

 

と叫べる状態に。

 

力弥さま恋しの一筋で東国から山科まで来ちゃう乙女無敵ぶり。
そして、「結婚させたげないわよ!」のお石(クールビューティ笑也が意外の健闘)に阻まれ、よよと泣き崩れる愛らしさ。
めでたさも中くらいながら、とにかく力弥さまと一緒になれて幸せゼッコーチョーのほほえみ。

全部全部可愛くて、いとおしくて。そして、八の字に書かれた困り眉が絶妙に キャラに合っていて。

お石さま、もっともっといじめてあげて!と思っちゃったくらい。

児太郎と笑也が良いのだから、山科閑居、悪いはずはありません。安定の幸四郎魁春、そしてちょっと大きさは足りないながらも、押さえるところは押さえてくれてる梅玉大星。ちょいとトウは立ってるけど、小浪ちゃんが慕いまくるだけの美貌と度量を感じさせてくれた錦之助。

じゅるさまも播磨屋もいない山科閑居なんて・・・とちょっと期待してなかった私を許してください。本当、とても良かったです。

 

十段目

めったにやらないし、あまり評価も高くない段だけど、私、これ、結構好きなのです。
緊迫した場面続きの中で、ちょっとした世話物的な、いかにも上方人情ものっぽくて。
たとえば松竹新喜劇や新派でもやれそうな匂いがあって。

軽い段でもちゃんと芝居してくれた歌六さん、天川屋儀兵衛にうってつけ。
いい意味での町人らしさがあって。でもちゃんと大きくて、ってなかなかできないよね。どっちかだけなら簡単だけど。

天川屋儀兵衛は男でござる!って名台詞、今回は男でごんす!だった。力士かよ!と突っ込みたくなったけど、あれはあれでありなんでしょうかね。

 

十一段目

 

ま、付け足しなんだけど三ヶ月やってきてやっぱり討ち入らないとね、ってことでw
ラストの殿様、いつも桃井若狭之助だっけ?なんか違う名前の人だったような記憶が・・・若狭之助が出てくるのはストーリー上とてもすてきなのだけれど、左團次さん?え?若狭之助えらく老け込んだなあ・・・と思ったのはワタクシだけでしょうか?

みんなが焼香して晴れ晴れとしてチョン。この後全員切腹なんだよなあ、とか思ってしまうのは現代人の無粋。武士道全うしておめでとうってことで、ワタクシも晴れ晴れと三宅坂を後にしたのでした。

 

…なんてほとんど覚えてないくせに適当に書いてみました。んなところで。 


注意力散漫からの特等席踊り鑑賞

2016-12-16 | kabukiza

歌舞伎座二部二度目、三度三度目(紅白か)見てきました。

二部

吹雪峠

中車の大時代ぶりが少しこなれてきたけど、やはり松也七之助との芝居の乖離が
芝居的に逆効果だとしか思えないのは変化なし。
これはもう相当な名優がやらないとつまらない芝居、と
私の中にインプリント。

寺子屋

今まで書き忘れてたけど、勘九郎松王でいちばん好きなシーンは
首実検終えた直後、首桶を閉じて、しばらく首桶の上から手をはなさないでじっとしてるところ。
ずっと首を眺めていたら怪しまれるから、すぐ首桶にふたをするのだけれど、
離れがたい、 愛着と哀惜がその掌に込められていて、じーんと来てたんだけど。
今回、隣のおばちゃんがやたら大泣きするんで、おかしくなって彼女の横顔を盗み見ていたら、そこ、見損ねたw
二部はあと一度しか見ない予定なのに痛恨の極み。

あと、書き忘れてたこと。並びの捕り手で蹲踞がぐらぐらする人一名。
初日なんてもう何度も座り直して酷いことになってた。二度目の幕見は(遠かったから?)気づかなかったけど
三度目の今回、また初日ほどではないけどぐらついてた。
できないなら特訓する、あるいは役を断る勇気を持って欲しい。
書き割りとしての三階の重要性、なめるな。芝居を壊しかねないよ、本当に。

芝居を壊すといえばいろは送りに「待ってました」はともかく「たっぷりどころか「たっぷりとお願いします」ってかかったのにはたまげた。
こってこての義太夫シーンに超口語って、本当センス皆無。
待ってました愛太夫!ともかかってたので、愛太夫さんのファンなのかな。愛さんの意思とは関係ないのだろうからお気の毒。

…と芝居の内容とは関係ないことを今回は書いてみました。

そうそう、七之助の千代がどんどん良くなってる。
私見での七之助丸本物ベストじゃないかな。

個人的には首桶にそっと手を置くところを見逃した注意力散漫が悔やまれた二部でありました。

 

三部

 

二人椀久

 

三回目だけど一番良かった。 
3>1>2ですな。(数字は見た順番)

1は超前方で見たので、花道の鳥肌立つ舞踊以降は、正直顔しか見てなかった。
2は三階で見たら恋人同士に見えず、マザコン息子と過保護ママに見えてショックだった。

そして今回は、2階最前列。舞踊を見るには最適な位置だと知りつつ、ついつい一階前方を取ってしまいがちなミーハーなワタクシ。他人に席のチョイスを任せて、ようやくとれましたw
なるべくオペラグラスを使わずに踊りそのものを味わうことに努めました。
勘九郎の動きのしなやかさ、軽やかさ、メリハリ、そして玉三郎の目配り・・・すべてを堪能しました。
動きが物足りない(相手お年寄りだからね)というのもわからないではないが、個人的にはこの踊り、
♪拍子そろえて~からは下手に踊りすぎると体操になってしまいがち(若手はとくに)なので、これくらいで十分。

満足不満の分かれ道は、花道の椀久の出で椀久の孤独感、狂おしいまでの恋情などの世界に入り込めるかどうか、じゃないかなあ。
椀久さんの世界観に入り込めてれば、♪筒井筒だって母親じゃねーかどこが幼なじみだよ!みたいな不満も持たずちゃんと同調できたと思うのね。
ここらへんは技術的な問題ではなく、客としての心情の問題。採点競技としての舞踊ではなく、あくまで舞台芸術としての舞踊だから、気持ちがいちばん大切。
2度目の三階からの鑑賞で不満だったのは花道がよく見えなかったからだと、ワタクシは分析しました。

 

道成寺

椀久的にいえば、

1>3>2かな。

最初に見たときはもう、誰がいつ出てくるの?というわくわく感とか、
一挙に五人で鞠唄やってる贅沢感とか、もう、アミューズメントパークいいるみたいだったけど、そのドキドキ感は二度目からは味わえないもんね。
今回のポジションは全体を見るのに最適だったので、最後の鐘入りまではほぼオペラグラスを使用せずに「踊り」を鑑賞してみた。
ただ、全体を見通してみると、正直玉三郎が踊りたいところを踊って、疲れ休めにほかの若手を使ってる、という風に見えてしまったのね。
構成をきちんと見てしまうと構成に対しての不満が出てくるってパターん。
この演目に関しては、一階前方で涎垂らしながら一点凝視(ほぼ危ない人ですなw)が個人的ベストポジション。

今回若手二人、特に児太郎をきっちり見たのですが(花笠以外ちゃんと見てなかった)、色気ありますねぇ。
まだ若いのに、そして超美形というわけでもないし、でかいのに、なんであんなに色っぽいんだろう。
個人的に成駒屋の女方の踊りが大好きだ!ということを三代にわたって確信しました。 

 

感想もそろそろ中だるみっぽくなってまいりましたが、三部はまだまだまだ見るのよw


 


2016秋

2016-12-14 | voyage

暇なくせに東京でほとんど紅葉黄葉を見なかった。東京では劇場以外引きこもりなのでね。

 

京都御苑

 

 

京都迎賓館内庭

 

京都御苑内

 

伏見稲荷近く石嶺寺

 

↑をアップした直後、ケーキ買いに行ったお店の敷地がいい感じで紅葉残ってたので2016東京の紅葉も一枚だけ。

シチュエーションとプレゼンテーションは最高でしたが、味はいまいち。同じ敷地内のお好み焼き屋には行ってみたい。

 

 


平凡と非凡とキチガイ

2016-12-14 | spectacles

タイトルから差別用語申し訳ありません。

septで

エノケソ一代記見てきました。

共感性という意味でもエンターテインメントとしても今100くらいだったかな。、

 

三谷の芝居は基本的に天才と凡人を順列組み合わせ的に描き、そこに笑いのスパイスをまぶして・・・って感じだと思うのね。
で、狂気が現れることももちろんあるんだけど、それは天才側ならなんとなく理解できる。私が凡人だからw
この芝居では凡人に狂気があって、そこに共感できないというか、不自然さを感じてしまったわけです。
エノケンにあこがれすぎて本人に近づきたい、本人と同一化したい、までは凡人の心理としては「あるある」なんですけど。
その凡人が 、あこがれの対象に近づくために自分の脚まで切るか、というと・・・これはもう凡人ではなく、かといってもちろん天才にもなれず、ただの
異常者としか思えなくなってしまって。
異常者が異常なままに死んでいくさまには、ワタクシ、感動はできませんでした。

久々に三谷本人が古川口ッパ(ロッパではなくw)役で登場していたのだけれど、過不足なく役者をやっていて、風貌も似てるし悪くなかった。
猿之助は・・・うーん。私が猿さんのファンだったら、こんなのやってないで歌舞伎やってよ、と思いそう。
猿さんの魅力が発揮されてたとは思えない。歌はほとんど口パクだし、それこそ猿之助でなければならないという必然性が見られなかった。
天才にあこがれてあこがれて天才になれなかった凡人。猿さんにはわからないよねぇ天才だもんw
私は三谷は天才にあこがれ続けて限りなく近づけている凡人だと思っていたのだけれど、
最近凡人の描き方が下手になってきたような気がする。えらくなりすぎてしまったのでしょうかね。
凡人なのか異常者なのかわからない出演者がもう一人。菊田ならぬヒキタ一男役浅野和之。大好きな役者なのだけれど、この役も設定がいまいちで、彼ほどの名優をしても描き切れてなかったと思う。 

個人的にかなり「嫌い」な部類に入る女優の吉田羊。この芝居も彼女が出てるから やだなあと思ってたくらいなんですが。
ある意味彼女に救われてたかも、この芝居。
たった一人、凡人であることに疑いをもたない存在としての彼女。凜としてとてもよかった。
台詞もとても聞き取りやすく、猿之助の意外なほどのもごもごした滑舌と対照的に言葉の隅々まで大切に発音されていて、
舞台女優としてはやっぱり伊達に下積み経験してないなあと感心。好きにはならないけどねw
吉田羊と、狂言回し&お笑い担当の山中崇の二人が奮闘してたけど、肝心の作品に感動できなかったので、
ワタクシにとってはとても残念なできだったと言わざるをえませんでした。


 


ハラキリはするのも見るのも大変だ

2016-12-13 | spectacles

文楽忠臣蔵通し、一部も一部だけ(最近全部見ないのがマイブーム!ってわけでもないのですがねw)見てきました。

朝から野暮用こなしていたら、大序とか様式美のところ見損ねて。
松の廊下には間に合った。私の玉也さんになんてことを!(違う)
続く裏門のくだりは爆睡してしまった・・・気づいたら由良之助さんが館とバイバイしてたわけで…

早朝から動き回ると昼前に眠くなってしまうお年頃。幼稚園生か。

とりあえずお昼ささっと食べて、通さん場の緊張感だけは味わうべく。
緊張して待機。

咲さんと燕三さんのコンビは好みからも客観的質からも、コンビとしては今文楽でぴか一だろうな。
さすがに最近舞台不感症のワタクシも久々に浄瑠璃っていいなあと感服いたしました。
人形がそれほどではなかったかな。
初めて通さん場を見たときの、塩冶判官から命が抜けていく感じが、この日は感じられなかった。
抜け殻感って、私が歌舞伎より文楽を好きなポイントナンバー1といってもいいくらいなのだけれど。
人形遣いさんの問題なのか、こちらの問題なのか。たぶん後者。

そういうわけで、通さん場も期待したほどではなかったので、
通してもらえるようになったら、さっさと帰ってきちゃった。
五、六段目は単独上演もけっこうあるしね。
と思ってあとでチラシを見たら、五段目の口はコスミンが語ってたのね。
二部の七段目だけ見たとき、御簾内でえらい声枯らしてたので、その後の状態を確認してから帰ればよかった。

遅刻早退する前に、チラシ確認!

 

 

とこれは最近の客としてさえ怠惰になったワタクシにたいする自戒! 

 

 

 


朗報・悲報・そして

2016-12-12 | kabukiza

歌舞伎座。三部のみの予定でしたが、予定が早く終わってしまったため、寺子屋を幕見。

悲報・開幕直前で幕見が楽々座れる。なんで~?

朗報・勘ちゃんの松王、肩の力が抜けてますます良くなってた。

そして本来の三部。今回は三階から俯瞰。

悲報・引きで見ると、玉様が勘ちゃんのお母ちゃんに見えた・・・というか勘ちゃんが玉様のマザコン息子に見えた・・・同じことなんだけどさ。

オフレコ情報・引きで見たら、五人花子の中で、見た目も勘ちゃんが断然一番好みだった。

誰にも言ってはいけません。言ったら石に変わってしまいます。

 

ま、こんな感じです。

三部はまだまだまだまだ見るので、たぶん追加の感想は書かない。

 

 


結局ちょっとお邪魔しました

2016-12-09 | kabuki en dehors de Tokio

京都顔見世、今年は行かないつもりだったけど…

お気に入りの、なかなか予約が取れないレストランがとれたので、そのためだけに上京。お江戸から京へは、やっぱり「のぼる」感じがするのでね。

誰かにバブリーだなあと言われてしまいましたが、客単価は全然バブリーじゃないので。あ、でも新幹線代足したらバブリーかやっぱり。

ついでに、顔見世。役者と演目にはほとんど興味がないので基本先斗町歌舞練場見学のノリ。
人混みであまり写真撮れないタイプなので内部をタブで撮ったのはこの一枚のみ。

あせってるしフラッシュたいてないしタブダメダメだから酷い写真ですが。はい見苦しいいいわけ。

 

入場前に鴨川対岸から歌舞練場裏側を。鴨川おどりの看板がかかってるのは見たことあるけど、顔見世興行の看板(見えにくい)がかかってるのは初めて見た。そりゃそうか。
 

 

 

 

三部のみ拝見。

引窓

 

何度見てもしみじみといい芝居だなあ・・・と暖かい気持ちになる芝居なのだけど。なぜか今回はそうでもなかった。
仁左衛門の南与兵衛が悪いはずもなく、ほかも悪い人は全然いないのだけれど、アンサンブルかなあ。ニザさまの与兵衛に吉弥の母親はちょっと元気すぎるかも。彌十郎の濡髪もガラはぴったりのはずなのだが、大きさが(物理的にではなく)不足で、ニザさまと対峙するにはちょいつらい。
女房の孝太郎はチャキチャキしててなかなか良いのだけれど。

うーん。涙一滴も出なかった引き窓、初めてかも。

 

道成寺

 

うっとりするほどの美形でもなく、踊り巧者でもない役者(雀右衛門)が一時間以上の大曲を踊りきる難しさを痛感。
勘三郎勘九郎のような加役としての花子ならともかく、真女形の花子があそこまで汗だくだくってのも、ちょいと見苦しい。
踊りも、まあ動けてないのはともかく、あちこちに必死感が漂っていて、客としても疲れてしまった。
真女形なのに鬼神として押し戻しと対峙するのは要らないんじゃないの?普通に蛇体で鐘に巻き付いてちょんでいいんじゃないの?と
思ってはいたのだけれど、あまりに盛り上がらない道成寺なので、最後に海老蔵くんがとりあえず大声で出てきてくれてちょっとほっとしたw
京都のお客さんも大喜びだしね。
なんだかだいって、客寄せ、賑やかしパンダとしての役割はちゃんと発揮してくれました。

…というわけで不満っちゃ不満なできだったのですが、ま、主目的が歌舞伎じゃないし、歌舞伎にしても
小屋見学できたし、ってことで、そこまでくそ!とも思いませんでしたの。
歌舞伎愛がなくなってるからかもね! 

 


なんだろうこの寂しさは

2016-12-07 | spectacles

国立小劇場で文楽忠臣蔵通し、二部のうちのごく一部見てきました。諸事情により、七段目だけ。

簑助さんと呂勢さんのおかるに清治さんの三味線という我が理想のトリオ見たさ(聞きたさ)に駆けつけたのですが。

うーん、寂しかった。

簑助さん、大丈夫かしら。何度も苦難を乗り越えてこられたから、まだまだ大丈夫とは思うのだけれど。

感想溜まってますが、この項はもうこれ以上書かないかも。

こんなに、好きな人たちのパフォーマンスを見て、心に風が吹き抜けたのは初めてだった・・・


そういえば嵐が続くのね

2016-12-06 | kabukiza

歌舞伎座一部見てきました。

タイトル以外にほとんど書くこともないのだけれどw

ま、そのうちに。。

タイトルは、二部の吹雪峠と場面がかぶるなあ、一部二部続けて見たらなんか変な感じになるだろうなあ、と思ったのでした。

 

あらしのよるに

 

ギロ役を段ちゃんこと月さまこと現ロッキーがやっていたので南座で拝見しています。

段ちゃん以外の主要キャストはそのままなので、段ちゃんファンとしては一抹の寂しさと違和感を覚えたのはしょうがないけど。

最近の新作の中での成功作といえば、ワンピース、阿弖流為、そしてあらしのよるにあたりになると思うのだけれど、コレらすべてに共通してるのは、そりゃそれなりに楽しいけど、お客さん、そこまで熱狂するほどのもの?と客席の熱に、かえってこちらが引いてしまう雰囲気。

なんか客席参加型ミュージカルでも見ているような、楽しまなきゃ損!的な盛り上がり。獅童くんがそれをあおるから、まあこれはこれでいいんだろうけれど。
お台場での超歌舞伎(動画で見ただけですが)は見ててもすごく楽しめた獅童の煽り、歌舞伎座でやられるとなんだかなあ、と思ってしまう私が、歌舞伎座という権威にやられちまってるのでしょうかね。

 獅童くん、あおりまくるのもいいですが、キーポイントの台詞を間違うのはどうでしょう?
そういえば南座初演のときは中日を超えるまでオオカミと山羊の関係を「食うか食われるか」って言ってましたよねw
今回はちゃんと初日から「食うと食われるとの関係」って言ってたのでほっとしましたけど、闇の中で「顔でしか判断できない」って言っちゃあかんやろう。

そんなこともあまり気にしないような、そういうお客さんたちには受けるのでしょうから、ま、新しい客層の開拓という意味では歓迎すべきなのかもしれません。

ギロを段ちゃんから引き継いだ中車さんが松也より獅童より大歌舞伎をまじめにやってたのがなんか面白かった。
段ちゃんのかっこよさがない分、普通に悪役で、これはこれではまってました。国崩しの大きさとか色気は感じられなかったけどね。

ま、もう見なくていいかな。 


ボーダレスコメディ

2016-12-04 | spectacles

三代目、 りちゃあど

見てきました。ひさびさのストレートプレイ。

面白くて、良くできた芝居でした。当方の予備知識不足でわからない部分も含めて楽しかったです。

泉下の沙翁もたぶん喜んでたんじゃないかな。

感想はいずれ。

 

わーどうしよう。一週間経ったらもうほとんど忘れちゃったよw

シェイクスピアを土台に、野田秀樹ならではの言葉遊びとアジアの演出家・俳優が混じったことでのグローバル芝居wという感じかな。
英語・インドネシア語・日本語が入り交じった言語ボーダレスな感じと、女優が男を演じ、男が女形を演じ(もちろん自分の性を演じる役者もいて)というジェンダーもボーダレス。
リチャード三世とシェイクスピア本人が被告と原告で有罪無罪を争うという大胆な設定で芝居が進んでいく。 

…などと書くと実験演劇で難解そうなイメージになってしまうけれど、実際難解な部分もありつつ、普通に笑って笑って、ちょっと考えさせて、という娯楽演劇の要素もあって、退屈せずに楽しみました。

これを見る直接の動機になった壱太郎のりちゃあど、女形のリチャード三世という斬新な試みだったのですが、悪くはないけど、ちょっとイメージが違ったかな。これ、猿之助がやったら2周りくらい面白さが増したと思う。ま、でも 二十代前半の役者としてはよくやってた、のかな。
狂言の茂山童司以外はほぼ知らない役者ばかりだったのだけれど中で目を引いたのがたきいみきという女優さん。
美しい肢体・所作からダンサーさんかと思ったのだけれど、舞台女優さんなのですね。所作と、なにより声がいい。ほかの芝居でも見てみたいと思いました。SPAC所属だというので、今後ちょっと注目してみよう(などと書いて、すぐ忘れるわけですがw)。 


まだ、死ねない

2016-12-02 | kabukiza

歌舞伎座初日、2部と3部を見てきました。2部の最初以外はもう、すんばらしかったどすえ。の感想はいずれ。

 

いずれ、の最長期限ってどれくらいなんだろうwとりあえず八日後に書いてるわけですが。

二部

吹雪峠

これ、何度かいろいろな役者で見ているのだけど、本当、役者によってめっちゃ印象が違うの。
超短い台詞劇で、後味悪い心理ミステリみたいな話なので、役者の色とか台詞術に左右されるんでしょうね。
今回の、少なくとも初日のは「悪いほう」の吹雪峠だったなあ。

三人しかいない登場人物の心理の変化が唐突すぎて、これ、短縮バージョンじゃないの?と思ったくらい。(台詞はしょったせいで、唐突感があるのか、と思った)。
現代劇っぽいリアルな芝居の松也七之助vs大時代な中車というのも、わざとらしかったし。
プロジェクションマッピング?使った嵐とか、この台詞とか、今回演出の玉三郎の仕掛けなんだろうけれど、ワタクシには逆効果としか思えませんでした。

 

寺子屋

前半、寺子のいちばんちびに目が釘付けw
涎くり(弘太郎・好演)の芝居をすごく楽しそうにみていたかと思うと、隣の年かさの寺子にやたら話しかける。
なんだこの幸せそうな子役はw
と、ほほえましく見守っていたら、そのうち飽きてきちゃったのか手習い帳をいじりまわすし、お兄ちゃんたちに「まだ?」と話しかけるし。
自由すぎるwこれ、誰かの子供だろうな。じゃなければ即刻クビだ、と思ってあとで調べてみたら、亀三郎の息子さんだった。
いささか舞台行儀が悪いとは思うが、でもこの楽しそうな雰囲気は嫌いじゃなかった。来年の初舞台が楽しみ。

中盤から後半にかけてはもちろん松王丸に釘付け。
詐病のあたりは少しまだ緊張が残ってたのかな。あそこ、難しいよね。悪役にみせつつ、ハラもちゃんと表現しなきゃいけないし。
首実検以降はもう、圧巻。
楽まで喉が持ちますように、というのが唯一の不安。
父ちゃんの情けある松王+播磨屋の大きな松王という感じで、勘九郎の存在のありがたさを改めて感じた。
台詞回しなんかは中村屋というよりむしろ播磨屋に近い物を感じたので播磨屋にならったのかと思っていたら、なんと以前勘三郎に稽古をつけてもらったことがあるいてうくんに習ったらしいw
いてうくん、びっくりしただろうな。 

 

千代の七之助、いつもの現代的な印象を殺して、いい母親ぶりでした。寺入りからやったから余計ね。
源蔵の松也は形はちゃんとこなしてるんだけど、まだそれだけという感じ。戸浪の梅枝も、あと一息、心がほしい。ま、戸浪は段取り多いからなかなか心入れるの難しいんだけどね。

若手中心の座組としては、かなりの高水準で満足できる寺子屋でした。

 

三部

 

二人椀久

勘九郎の花道の出に目が釘付け(釘付けシリーズで行くらしい)。
正気と狂気の境目をさまよう男の足取りってこうなのか、と。富十郎の椀久でも(たぶん私が見たのはもう後年だったから?)ここまでの
インパクトのある出はなかった・・・
正直そこがいちばん震えたところで、玉三郎が出てきてからは、大先輩に遠慮してか、初日のせいか、やや固めの印象を受けました。
連れ舞のところも、イメージ的には勘九郎が3動くところ玉三郎は1って感じで。ただ、それが手抜きとかテンポ違いとかには見えず、ちゃんと
連れ舞として成立してるところはさすがの貫禄。あるいはさすがの勘ちゃんw
これはこれとしてありですが、菊之助の松山あたりでたっぷり踊るのも見たいかなあ。菊之助といえば、二月久しぶりに共演だけど、なんで梅暦なんだよ。あれは七之助とやってほしかったのに。ふん。 

話がずれました。

三部はこれからまだまだまだまだ見るので椀久もいろいろな角度から変化を楽しみたいと思います。

 

五人道成寺

 

閉場式のときのベテラン五人衆(玉三郎福助魁春芝雀時蔵)も味わいぶかかったけど。やっぱり若くてぴちぴち(約一名除く)した花子が次から次へ・・・てのが理屈抜きに楽しかったです。

前方席だったので全体のフォーメーションを見るより、一人の踊りだけに目が釘付けwwwになってしまったわけですが。
いやあ勘三郎襲名のときの花子を思い出す、キレッキレの花子。
最近真女形の花子しか見られないので、新鮮で懐かしくて(矛盾してるようでしてない)泣きそうになりました。てかちょっと泣いた。
目が釘付けになっていて大満足だったのだけど、終わって気づいたら、勘ちゃんだけソロwがなかった・・・出番は多かったのだけど、七との デュエットwか玉七とのトリオばかり。ソロパートほしかったよう。玉様。
児太郎は花笠、梅枝はただ頼め、と出番少ない二人でもソロあったのにさ!
ま、ワタクシに取っては全部勘九郎ソロみたいなものなんで文句いうほどのことではないんですけど。
七之助との連れ舞、鞠歌や山づくしのところは玉三郎と勘三郎が踊ってるみたいだった。いろんな意味で。
これからまだまだまだまだ(しつこい)見るので、一度くらいは全体のフォーメーションをちゃんと見たいと思いますが、やっぱり約一名だけ目で追っちゃうんだろうな。というわけでどこかでOAしてください。お願いします。

 そうそう、タイトルですが、五人道成寺に大満足しながら

勘ちゃん一人の道成寺を見るまでは死ねない、死んでも死に切れん

 

と思ったのでした!