歌舞伎座一部千穐楽
先代萩のみ見て来ました。百物語は初日にかなりガッカリしたので、二度ガッカリしたくなかった。
初日はチビ(特にちっちゃいほう)が一生懸命台詞言ってるだけでまあよく育って・・・と泣けて泣けてしょうがなかったし、ちっちゃくないほうのチビには、ちゃんと芝居で泣かせてもらった(足下がだんだんふらついていくところとか、声がだんだん細くなっていくところとか、めっちゃ細かい芝居をしてて、父の指導か、指導受けなくてもそういう血なのか(そっちのほうがかっこいいけど、たぶん前者)とにかく、ちゃんと芝居で泣かせる役者になってるな、って感じだったのだけど。
樂になって子どもはますます進歩してました。特にちっちゃい方。途中でツイッター?か何かで震えてるとか落ち着かないとか怒られてて心配してたのだけれど、少なくとも、楽日は堂々たる若君ぶり。こんなに落ち着いてる幼稚園児は世の中にそうそういないだろうw
兄ちゃんは初日にほぼできあがってたので弟ほど感動はしなかったのだけれど、とにかくこの水準の芝居をプロ子役以外でこなせるって、相当凄いことだと思う。
というわけで、樂はほとんど泣けなかった。とはいえ、実際にこれまでの先代萩で泣けたのはほぼ後半だったので、とりあえず政岡の愁嘆に期待。・・・結論からいうと超期待外れ。
前半は子役二人しか見てなかったwので政岡がそこまで気にならなかったのだけれど、後半のクドキの七之助、まあ酷かったわ。初日はそこまで思わなかったのだけど、情がないとか、怖く見えるとかはまあタチだからしょうがないとしても、糸乗りがここまでダメだったっけこの方?
丸本物でこの人がダメなのはひょっとすると根本的に浄瑠璃地に乗ることができてないからかしら、と初めてそこまで思った。糸に乗れてないというと成田屋の御曹司を思い出すけど、あの方は糸にも乗れてないしリズムにも乗れてないからわかりやすく下手で、気持ち悪くなるんだけど、七之助の場合、リズムには乗ってるのよね。悪い意味で。だから聞いてて気持ち悪くはならないのだけど、浄瑠璃の言葉が魂を持って響いてこない。すぐに下手くそって思えない分、ある意味、かえってタチが悪いかも。
というわけでおじじしっかりしろよ!よなおちゃんのりちゃん叱ってやってください。同じ環境で育ったはずなのに、耳も悪くないはずなのに、芝居の感性もあるはずなのに、どうしてこのおじじはこうなのだろう・・・と他人のワシさえ頭抱えるわ。もちろん、泣けるはずもなく。めっちゃ頑丈な涙腺に戻ってしまいましたとさ。
幸四郎の八汐と仁木、どちらも意外とよかった。特に仁木の引っ込み。ちゃんと雲の上を歩いてるように見えたのは久々。
みっくんの男之助もいっぱいいっぱいの熱が赤面に似合っていてよかった。
コタは早く政岡を見たい見たい見たい見たい。うちの子たちがつきあえるうちに!