laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
楽しく気楽につぶして生きてます。

 Eんやさんごめんなさい

2023-09-28 | kabuki a Tokio
プログラム2000円。消費金額これっきり。たぶん俳優祭参加客で1.2を争うシブさだったと思います。
ごめんなさい。。。
↑ポチッとすると謝ってる意味がわかると思う。
疲れたけど楽しかった…。過去ポストの詳細いろいろたまってるけどこっち先に書いちゃう(29日)
菅原伝授より加茂堤と車引
超若手(梅玉さんがZ世代ということばを知ってたのにびっくり)による勉強会みたいなものなのでまあ鷹揚のご見物してたのですが・・・
なかでびっくりしたのが染五郎。
韓流アイドルまがいのチャラ男だとしか思ってなかったのですが、いや実体はそうなのかもしれないけどw
ちゃんと松王丸になってましたよ。なんなら三人のうちでいちばん時代物してた。他の二人も悪くはなかったのだけど最初の期待値がえらく高い鷹之資と、俳優祭といえば伝説の幡随親分の左近だからまあ普通の出来。最初の期待値との差がめっちゃ大きかった染五郎ばかり褒める羽目になるw
期待値が低かったといえば加茂堤では千之助もまたちゃんとかたちになってて。どっちも両親が必死で仕込んだのだろうな・・・
模擬店
阿鼻叫喚の現場には立ち入らなかったのでよくわかりませんw
画廊で勘ちゃん色紙争奪戦に敗れ去ったあとは空いてる椅子に座って静かに刻の過ぎゆくのを待ってました。そりゃ金も使わんわ。
あとで先代ジャッキーの色紙が売れ残って一万にダンピングされてたときいて、買いたかった!という思いとその場にいなくてよかった(一万円の出費!)という思いが交錯しました。
国立思い出映画
もう少しスクリーン大きくならんかったか!
三階からでは映画をオペグラで見るという妙なことに・・・
個人的にはパパカンザの梅王初めて見て勘ちゃんに似てる!と感動(逆なのだよ!)
タイトル忘れたおふざけ芝居
おふざけ芝居ではあるのだけれど結構面白かった。幸四郎が本当に全部書いて演出してるのなら表じゃなくて裏に回った方がよいのでは?とすら思うw
落語の地獄巡り?だっけ?をベースにしてるのはわかったけど要所要所に歌舞伎パロディもあって。
気づいたのは俊寛(勘ちゃん!本役!やって!早く!できればパパみたいに鬼界が島でも!)、弁天(萬ちゃん!本役!やって!むりか?)、刺青奇偶、新門辰五郎、新水滸伝、連獅子くらいかなあ。他にもあったかも知れないけど、短期記憶が駄目駄目なお年頃・・・→大物浦の知盛がいたわ!また思い出したら追記します…
新水滸伝のパロディというか天地会wでエンヤさん大活躍。メイクなのか仮面なのか悩んだほど天童よしみそっくりで(マツコと言ってたヒトもいたw)。エンヤだけにw歌が超絶巧くて。芸事のすべての技術をもってるんじゃないのかこの人。
とりあえず金閣寺途中で抜け出してチケット争奪戦に勝利して良かったっす。なんなら模擬店祭りと芝居祭りに分けて二度開催したらどうだろう?
きっと芝居祭りのほうはそこまで争奪戦にならないで済むと思うのだが・・・
お名残国立劇場。最後にこれだけの狂騒曲で賑やかでさぞ嬉しかったことでしょう・・・・???

めっちゃ贅沢な楽日

2023-09-25 | kabukiza

これを買うときに歌舞伎座の楽日だということを忘れていて・・・

結果、朝イチの金閣寺のみを一等席で見てあとは捨てるという、久々のお大尽観劇となりました。

土蜘の村人の舞も(そこかい?)白鸚丞の白鳥の歌(まだ早い)も見たかったのだけど、やっぱりこっちが魅力的でね。

ラスト東吉久吉もまた格好良かった。大膳さんは前半に見たときよりは迫力を増していたけれど、やっぱりヒトのいいおっさんが見え隠れしてしまい、「斬ってしまえば後がさっぱり」とか「布団の上の極楽責め」とかいう台詞が「無理してるんじゃないわよ」と微笑ましく聞こえてしまうのは・・ご人徳でしょうか。

雪姫。幕見で見た米ちゃんのも思ったよりは悪くなかったのですがやっぱり断然児太郎!児太郎!久々に児太郎の真骨頂。なんかわからないけど妖しくて怪しい。なんかわからないけどブサイクなのに美人。

好き好き。

で、ある一瞬といっても数分間。じっと伏し目がちで下を向いてるときの姿がもろ勘九郞で。今まで似てるなんて思ったことなかったのに、なんかじっと見つめてたら勘ちゃんの姫を久しぶりに見た気になって・・・その後久吉が出てきて混乱したくらいw

正清の歌昇。とにかく何見ても暑苦しくてどうしても好きになれない役者さんの一人ですが正清くらいの出番ならなんとか我慢できるw
鬼藤太の種ちゃんまで暑苦しい役なんだけど、彼は最近フェアリー感が薄れてきて寂しいなあ。ただの暑苦しい下手じゃない役者(兄ちゃんの二番煎じ?)にならないで欲しいなあ。

しかしこれだけの大作でいちばんの大拍手がどさっと降る桜吹雪ってのもねぇ・・・まあそんなもんかw

 

画像は碁盤に向かう東吉。舞台写真はなるべく買うの控えるようにしてるのですが、これはちょっと珍しいパターン&勘ちゃん(指も顔も)美しかったので!

 


幕見など

2023-09-21 | kabukiza
なんだかんだ言って今月は文楽見たり板橋遠征wも含めてよく芝居見てるわ…
幕見は今のところ二回。
一度は予定通りの米吉雪姫@18日
二度目は予定外!!!の代役かんちゃん茂兵衛@20日!!!
三度目があるか、1等席買い足すか、悩み中…本役の方の体調にもよるので下手に1等買い足すととんでもないことになりそうでw
感想は後日。

今月はあと歌舞伎座1回、祭が2回あるんでなかなか忙しい…

キカクとキカク

2023-09-15 | kabuki a Tokio

公文協巡業西コース見てきました。

公文協の巡業超久しぶりな気が…
タイトルのお方を堪能してきました。
し、しかし空いてる……
 
土屋主税
 
私、この芝居見たことある?とまた自問自答。歌舞伎データベースでちらっと調べた限りこの20年くらいはがんじろさん(元カンジャクさん)の独占状態でほぼ西でしかやってないから初めてなのかも。
なんつか「裏松浦の太鼓」のイメージ。登場人物も設定もほぼ同じ。(腰元の兄がこちらの芝居では源吾じゃなくて勝田なんちゃらさんだったりするけど)
見慣れてるせいか、どちらかというと松浦・・のほうが好きかなあ。でも殿様の設定はこっちのほうがいいかも。松浦・・・はあまりに馬鹿殿なので。
役者さん。がんじろはんはまあ持ち役だけあって安定。しかし見るたびに太るねぇこの人。これ以上太ると健康にもよくないのでは、などと余計な心配を客にさせてはいけないので、福々しい、程度で抑えていただきたい。
はるばる板橋くんだり(失礼)まで来たのは亀鶴くん見たさ。一時のナンバー3、かどうかは別にして今でも大好きな役者さん。最近は見かけても台詞二つ三つみたいなことが多くて寂しい限りなので。
大高源五、とても良かったです。ただこの方も最近やや太りすぎ?いやがんじろさんと比べるとだいぶシュッとはしてるんだけど、こういう白塗りやるにはちょいと見た目が・・・痩せればかっこいいのにともったいない気持ちが。
 
前段は宗匠其角と弟子の子葉(源五)のほぼ二人芝居。
其角の橘三郎。なんかお久しぶり?だけどとても良かった。この人も脇役国宝になってもいいんじゃ?と思うくらいの渋い役者さんだよね。その其角に相対するリアル亀鶴。はい、タイトルですねぇ。オヤジギャグですねぇ。
いや二人の感情のもつれあい、そして源吾の口には出せない別れ。そんなものがとても良かった。
そこに絡む第三の男。ごめんなさい。がんじろさんのお弟子さんだと思うのだけど名前がわからない・・・この人もとても良かった。二人のキカクと充分対峙してて、若若しいが故に武士は二君にまみえず、を貫きたいんだろうね、きみは。と納得してしまった。
 
後段、土屋さんが登場してからはどうも丸っこいのが気になってしまい、前段ほどの緊張感は得られなかったのだけれど。そして腰元さんの兄さんとして新たに勝田なんちゃらを出す必要があったのか、とかいろいろ考えてしまい・・・考えてるうちに寝てしまい・・・ww
 
しかし土屋さんちも吉良さんちのお隣で松浦さんちもお隣なら両隣ってこと?と気になってしまったので調べてみましたよ。
実際は土屋さんちがお隣で松浦さんってのは実在しない旗本さん。完全フィクションとして作られた松浦の太鼓にたいして、俺もこんなのやりたい!ってんで何代か前のがんじろさんが新しく作らせたのが土屋主税、ってことらしい。まあ昔らしい話だね。
 
個人的にはキカクとキカクと若侍の三人芝居の前段だけでも充分満足でした。
 
汐汲
 
例によって前知識ゼロなので亀鶴がまた出てくるとは知らなかった。土屋主税だけで帰ろうかと思ってたくらい。幕あいに雨が降ってたのでとりあえず見るかってんで残ったら・・・あらまあ、亀鶴くん踊ってるじゃないですか。しかも潮汲ってこんな押し戻し紛いが出てくるヴァージョンあったの?ってくらいすごく楽しかった。
せめてチラシくらいは見ないとなあ、とちょっと反省(たぶん改善しない)。
幕開け。チョンとともに吉弥さんの汐汲。隣のおばあちゃま二人組が「わあ!綺麗!」。確かに綺麗だけど踊りはイマイチ・・・吉弥さんならちゃんとお芝居で見たかったなあなどとぶうたれてたら。
あらま、あらま、あらま。
めっちゃかっこいい赤面さんが花道方向からお見えになった。
白塗りのときはちょっと痩せてよ!と思った亀鶴さんですが赤面すると貫禄があって逆にかっこいい。
見得も綺麗で力強くて、荒事なのに品があって・・・技術のある團十郎(もちろん十二代目ですよ!)って感じでしたw
亀鶴くん、本当に実力のある役者さんなのだけど何でも出来ちゃうから中途半端な感じになってるのかな。私もくん付けしたりさん付けしたり、年齢的にも中途半端なのかも。
へこたれずに酒飲みすぎに頑張ってください。アフロヘア赤面やらせたら彼の右に出るものはいない!というくらいになって欲しい。團十郎というよりは個人的には血縁関係なく第二の段四郎的な存在になって欲しい。瀬尾、頓兵衛、義平次・・・全部いいと思うよ!
しかし、あの赤面さん、誰だったんでしょうか?本当汐汲であんなの見たの(たぶん)初めて。
 
冒頭にも書きましたがもう少したくさんのヒトに見ていただきたかったなあ。それなりに良い芝居だったのになあ。役者さんたちは客入りの悪さにめげずに熱演していて嬉しかったです。
 
 
 

何処へ

2023-09-13 | kabuki a Tokio

国立劇場で

妹背山女庭訓
半通しの前半見てきました
感想はいずれ…最近結構早く書いてるので自分で自分に乞うご期待!→17日に書いてるからなかなか優秀w
 
小松原
 
文楽では見たことあるような・・・要するになれそめの場なんで。
姉弟コンビで梅枝クンが初々しく見えるか心配だったけど、さすがは芸達者で、ちゃんと弟萬ちゃんに一目惚れする初々しい姫様でした。萬ちゃん、あと5㎝背があれば、あっぱれ二枚目できるけどねぇ。歌昇くんとニンがにていて、白塗りなのか赤面なのかどっちも微妙に違う感じなので将来的に便利屋萬ちゃんにならないことを祈ります。(歌昇くんみたいにある意味潔く何をやっても暑苦しくなっちゃうのもどうかとおもうし・・・)
腰元その3くらいの子がとても美形だったけど、誰だか調べてない。最近そういうこまめな活動wもしなくなったなあ・・・
采女局の新悟がとても落着いていてよろしい。彼は実力派脇女形として安定してるね。
 
花渡し
 
時蔵、さすがの貫禄。配役聞いたときには大丈夫なのか?息子に鼻で笑われたりしないか?wと心配してしまったが。いやはや堂々の立女形!
対するに松緑。存在感や感情はちゃんと出せてたのだけど、いかんせん口跡の悪さがまた出てきちゃってる?やたら声を張るのだけれどうるさいだけで台詞が入ってこない。年齢的な問題というより器質的に何か問題があるのでは?というくらいの口跡の悪さ。せめて語尾を伸ばして上げる癖だけは治らないものだろうか。おまえはフランス人か!(フランス語はとりあえず語尾伸ばしてあげとくとそれっぽく聞こえる、と大学一年時に教わりました!)そういえばえ段の発音がきっちりアクサンテギュついてるよねこの人(わかるヒトだけわかってください)。
別に吉右衛門や白鸚と比べる気はないけれど、国立さよなら公演で大判事をこのヒトに任せなければいけない現状というのがちょっと心配かつ寂しいのも事実。
亀蔵の入鹿。これも松緑と同様貫禄不足。その上彼の場合ニンが違うと思う。声音は父の元彦三郎(なんて名前になったんだっけw?)にそっくりで悪くないのだが、なんというか国崩しの存在感が一切ない。まだ兄の現彦三郎のほうが貫目が感じられたのではないか?
これまたさよなら公演の入鹿を彼がやるという現実が・・・(以下略)
 
吉野川
 
となんだかんだ言いながらやはりこの舞台装置、そして歌舞伎竹本の掛け合い(失礼ながら大丈夫か?と思ってたのだけど、みなさん大健闘)で興奮するわ。つくづく良く出来た舞台装置、仕掛け。
 
この段は役者さんみんな良かったなあ。特にロミオとジュリエットwが。一切へんな媚びとか誇張とかなくて、きっちり基本通りにやってるのに、ちゃんと魅力的。これって最近の若手にはなかなかないこと。
松緑もこの段は若さゆえの感情のほとばしりが良い方向に出ていて、良かったです。
 
しかしこの段いつ見ても思うんだけど、久我之助、痛かっただろうなあ。腹に短刀突き立てたまま、親も恋人も恋人の親も長々と語る語る・・・とっとと介錯してくれ!とは口が裂けてもいえないだろうしなあ。いちばんの悲劇の主人公は久我之助だわなあ。
 
…というわけでまあ満足不満相半ばする感じでしたが。
 
主眼はこっちなのでw
閉場記念ポスター展。段ちゃんかっこいい!
 
いつもあるこの絵画もどこに行っちゃうんだろう。売店のヒトも知らないって・・・
 
昭和っぽいシャンデリアもどこに行っちゃうんだろう?
冒頭画像の六代目は保存するにもかさばるし。どこに行っちゃうんだろう?
 
なにより今後の地味なw歌舞伎公演は何処に行っちゃうんだろう?
12月歌舞伎座演舞場のラインアップなどみるにつけ。いろいろな思いがめぐる一日でした。
 
最後に国立でよく食べたおにぎり弁当。200円ほど値上がりしてましたがw
これも何処に行っちゃうんだろう?
結局最後は食い気なのであった。。

秀山?

2023-09-07 | kabukiza

秀山祭昼の部見て来ました。

この日は俳優祭の発売日だったりして、個人的には秀山より祭はそっちだったw

というのはともかくとして、秀山祭というわりにはうんうん、吉右衛門で一杯見たよなあというほどの演目が少なかったような。吉右衛門といえば熊谷陣屋とか関の扉とか重厚な時代物と思ってたんだけど。。まあ金閣寺はそうだけどね。でも久吉のヒトだったよねぇ大膳あまり印象にない。土蜘については一回くらいしか見た覚えがないし。清正はまあ、白鸚さんができる演目ってことで選んだんだろうけど。

初代のほうのレパートリーについては無知なのだけど、二代目は完全な初代リスペクトのヒトだと思うのでほぼ被ってるんじゃという推測です。違ってたらごめん。

というわけで演目に関して???ではあるのだけど、個人的には勘ちゃんの久吉、久々なのでそれだけで、満足。とにかく勘ちゃんが丸本物やってくれるだけで最近では涎が垂れてしまう。それほど希少。

金閣寺

…といいながら俳優祭のほうのチケット取りで途中退席。
勘ちゃんの見せ場は見逃さなかったけど!ふふふ。
前半、なんだか大膳の歌六さんとの相性が良くない?大好きな二人なのに碁を闘う場面とか、そこまで楽しくなかった。
碁笥の見得とかまあ格好良くて当たり前なんだけど、これまで見てきた勘九郞久吉のかっこよさから進化してないような気がして・・・ああ、やっぱり丸本物から遠ざかってるとちょっと衰えちゃうのかなあなどと一抹の寂しさ。

後半の大膳家臣たちとの立ち回りがめちゃめちゃ格好良かった!「歌舞伎の立ち回りは舞踊である」と言われるのだけれど、ここまで所作ごととして完成された立ち回りを久しぶりに見た気がする。勘ちゃんの踊り手としての技量ももちろんだけど、家臣のみなさんもちゃんと所作ができてないと成立しない立ち回り。いてうさんが殺陣師?なのかな?とにかく素晴らしかったです。

全体としての芝居の感想は次回、全部ちゃんと見てから(たぶん)書くと思うけど。歌六さんは大好きな役者さんだけど、大膳ではないかなあというのが今回のいちばんの感想。あと、コタがちゃんと綺麗な姫に見えて安心した。先月の酒呑童子と団子売り見ててずっと「緑」路線行くつもりなのかとちょっと不安になってたのでねw

そうそう、前半、照明室から米吉くんが見学。ライバル?コタの雪姫偵察か、父親の大膳応援か?

米吉雪姫ver.チケット買ってないのだけど父親にバワハラセクハラ三昧されるよねちゃんもちょっと見たくなった。幕見するかなあ…

土蜘

金閣寺からの土蜘って。いくら古典好きでも重いわあ。疲れたわあ。

土蜘久しぶりだったので(のでかどうかわからないけど)めっちゃ長く感じた。特に間狂言の部分。まあ勘ちゃんでてたのでまだ寝なかったけどw勘ちゃんもっと踊って欲しかったっす。
なんでこの役?(いちばん踊らない)と思ってちょっと調べてみたら勘九郞襲名のときにごちそうで播磨屋さんが付き合ってくれてた。お礼のつもりなのねきっと。
花道の出のときちょっとだけ踊るんだけどそれだけで美しくて。絡んでる米吉くんがうろうろしてるだけに見えてしまう。米吉、所作事もう少しやっておくれ!

頼光と四天王が化け物退治って、先月の酒呑童子と被ってしまって。なにより主役の方がちょっと高僧にも蜘蛛の化け物にも見えない感じで・・今月の座組なら勘ちゃん(二か月続けて頼光クインテットにやられるw)か松緑(国立とのかけもちじゃ無理か)なら良かったのに。秀山祭だから身内で!ってことなんだろうけどさ。

結局いちばん良かったのは前シテの魁春さん。お年寄りたちがどんどん衰えて行く中、きっちり能掛かりの踊りを見せてくれて、なんというか、ありがたかった。

二条城の清正

白鸚さんがほぼ自力で動けなくなってるというのは写真週刊誌?か何かの報道で目にしてはいた。
大病ではという噂もあったりして。今月早めにチケット取ったのはとにかく見ておきたかったから。

で、いろいろな意味で感動した。

たしかに動けてない。動けるという意味では最近の福助のほうがマシかもしれない。たった一度ひざまずく場面ではとりあえず自力でやってたけど、黒衣が後ろで何があっても支える!みたいな迫力もって支えてたし。

まあ動かなくても不自然ではない場面のみを切り取っているので芝居としては変じゃない。そして何より朗々たる台詞回しはまったく衰えてない。一度もつまりもしないし、先月月半ば過ぎても台詞が入ってなかった息子には彼のプロ根性を見習って欲しいなあ。。

年老いた加藤清正と悲劇の若殿秀頼ほぼ二人きりの台詞劇。秀頼をやった染五郎の技量にいささか不満はあるものの、この役に関しては染五郎と白鴎だからこそ意味があるわけで。

「爺、二十年も三十年も生きろよ」って実の孫に言われたらそりゃ頑張るわ。高麗屋さんご贔屓ならなみだ涙でございましょう…

それより、染五郎はとりあえず美形で売ってるんだからもう少し綺麗に見える工夫はしてほしかったなあ。白塗りが著しく似合わない。拵えのせいもあって若殿というより○か殿に見えてしまいました。

まあすべてを凌駕してしまう高麗屋の台詞の素晴らしさに尽きる一幕ではありました。動けるようにならないのかなあ。

シェイクスピアを髣髴させる彼の俊寛はもう一度見たい。


ファンキー三味線と美形ギニョール

2023-09-05 | spectacles

すっごく久しぶりの文楽。コロナ以降初めてだから少なくとも四年ぶり?

見たのは

寿式三番叟と菅原伝授手習鑑の四段目五段目

なんせ四年ぶりだしもともとそれほど詳しいわけではないのでいろいろ新鮮でした・・・

三番叟

三番叟が二人?文楽ではこれがデフォルトなの?二人三番叟という外題じゃないのに?というど素人的疑問。ま、解決する気もないんですけど。そして歌舞伎と比べて圧倒的に三番叟より翁や千歳の存在感が大きい。たぶん原典にはこっちのほうが近いんだと思う。

歌舞伎のほうがずっといいよなあ。そういえば團十郎襲名で幻の演目になった二人三番叟があったなあ・・・あれは永遠に見られないんだなあ・・・などとぼーっと考えながら見てたんですが。

なんとまあ最後の三番叟のキチガイのような踊りっぷりと三味線の連れ引きのキチガイのような叩きっぷりがものすごかった。禁止用語二連発したくなるくらいものすごかった。

めっちゃライブ。昨今のグルーヴがなんちゃらいってるやつらに本物はこれだぜ!って言ってやりたくなる感じ。
いやあ楽しかった。

ところで歌舞伎でもそうなんだけど翁や三番叟が神に向かって礼をするところで拍手する客が多くて萎えます。「お客様は神様」だから良いのか、んなアホな。

菅原伝授手習鑑

おなじみの寺入り寺子屋を挟んで前に北嵯峨の段。後に大内天変の段。この二つは51年ぶりの上演という希少なものらしい。

内容的に北嵯峨で八重さんが死んじゃったのにびっくり。菅原伝授なんて何十回も見てる(歌舞伎で)のにそういえば桜丸が死んだあと八重さんどうなったかとか考えたこともなかったなあw。そして大内の変で桜丸夫婦の亡霊と菅丞相の通力で割とあっけなく時平公がやられちゃったのにもびっくり。だったら寺子屋の段で出てきて小太郎助けてやれよ、とか思っちゃいけないんでしょうねぇ

そこまでの犠牲があって初めて霊の怒りが爆発するってことなのか。まあ現代人の感覚ではわかりませんけど。

久しぶりに見て、好きだった技芸員さんが巧くなってたり衰えてたり老けてたり変ってなかったりまあ人生いろいろですね。いなくなっちゃって永遠に見られないひともいるわけだし。

良い方向からいくと小住くんがめっちゃ貫禄でて良い味の太夫になってた。寛太郎くんは相変わらずの曲弾き天才。そろそろ落着いた三味線も聞きたいなあ。。やってるのかも知れないけど、私が行くときはいつも曲弾きやってる気がする・・・呂勢さんは。。。ちょっと伸び悩んでるのかなあ。相方清治さんが元気なうちになんとかあと一皮剥けてほしい。その清治さん・・・うーむ。なんであんなにまっ白なんだろう。あのまま目を閉じたら○んでると言われても信じるくらい血の気がない。そしてせっかくのいろは送りが・・・なんだか・・・うーむ。寂しい。まあいてくれるだけでいい、という段階に入ったと思うしかないか。燕三さんや義太夫語りでいうと咲大夫も含めてそんな感じかな。咲さんは休演でした。

良きにつけ悪しきにつけ「わたしの」玉也さんは相変わらず。でも、老けでも悪でもない役はなんだかちょっと物足りなかった。源蔵だからとても良い役なんなだけどね…

で、標題の二人が(私にとっての)はじめまして!って團吾さん(写真上)はずっといるし名前は知ってたのになぜか注目ゼロでした。今回見てなんで私この人に今まで注目してなかったの?って不思議なくらいに・・・かっこいい(見た目含めて)し、やたらファンキー。三味線がアコギ、いやエレキに見えた。さっきの三番叟から続くグルーヴ感!
そしてそして・・・私が惚れるポイントであるところの「指」がめちゃくちゃ綺麗でエロい。結構近距離だったのにオペラグラスでなめ回すように指を見てしまいました。ワタクシ変態ばあさんだと思われたかもw

あとで團吾さんになんで気づかなかったのかの謎が解けました。ずっと私の大嫌いな○太夫と組んでたのね。顔見たくないから彼がでてるときはたいてい人形に集中してたw
○大夫がお偉くなられて捨てられたのかw最近は若手と組むことが多いみたい。これから追いかけてやるぞ!覚悟しなさい團吾さんw

そしてもう一人が豊松清之助くん(写真下)。まあ綺麗なお顔して。寺子屋の小太郎で主遣いしてるんだけど、人形いらないんじゃ?彼が小太郎やればいいんじゃ?と思っちゃったくらいw
ごめんなさい。人形遣いさんにたいしてめちゃ失礼。
とにかく綺麗なお顔のヒトがいるってことは今の危機?文楽にとってはプラスポイントです。彼を売り出すしかない!と思ったら数年前に25ansで取りあげられてた。さすがぬかりないな。

ただ綺麗なお顔なだけじゃなくて一回研修生で落第して、それでも諦めずに次の募集でまたトライしたらしい。うーん。才能はないのかなwなんてこと言わずに頑張ってください!

文楽、久々に見てやっぱり楽しいし、歌舞伎いくら見てても見られない場面とか見られるし、その上イケオジとイケメン見つけちゃったし。興行大変だろうし。またしばらく追いかけようかなあ。

でも国立なくなっちゃってこれからは北千住まで行かなきゃいけないのよねぇ・・・遠いなあ・・・

とりあえず12月は小住くんと團吾さんが組むらしいんで(端場だけどさ)千住まで遠征w決定でーす。