laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
楽しく気楽につぶして生きてます。

遅刻早退ですが何か?

2014-07-29 | kabukiza

古いスタイルで誰に喧嘩売ってるんだって話ですが。

歌舞伎座千龝樂夜の部、タイトルどおり遅刻早退で修禅寺物語だけ見てきました。

悪太郎はともかく、天守物語は、海老蔵が最後の図書だ図書だって宣言してるってことは玉三郎が富姫これで最後だって言ってるんだろうな、という推測が成立して、「見といたほうがいいんじゃないか」というようにインナー秘書は言ってたんですが。どうにも本人が「見たくない」。

プロじゃないんだから「見たくない」ものを「見といたほうがいい」っていう理性でがんばってみるこたぁない、ともう一人のインナー秘書が言うわけでw

結局一等席で幕見、という至極贅沢なことをさせてもらいました。

でその貴重な

修禅寺物語

段ちゃん、というよりやはりこの芝居の頼家は月さま、ですね。月さまかっこいい!のは元より。

中車の中の歌舞伎的血、にぞわぞわさせられました。
亀鶴との掛け合いの場面、もちろん亀鶴のほうがずっと技術的には巧いのだけれど、かもし出すオーラが
ものすごーく濃い。ただの舞台役者ではありえないほど濃い。
その濃さが、同じく歌舞伎の血を受け継いでるはずの亀鶴の比じゃないほど濃い。どろどろの歌舞伎血。歌舞伎コレステロール値があるなら確実に危険地帯に入ってるw。
常軌を逸した芸術家ぶりは、これ、夜叉王今や誰がやってもこの狂気は出せないんじゃないか。
中車が夜叉王をやり、桂を笑三郎がやるこの修禅寺物語は確実に今当代一だと断言しよう。

画像はもちろん「月頼家さま」。この写真買うためだけに東銀座行ったといっても過言ではない(結果的に芝居もとてもよかったけどねw)。

…ってことで、遅刻早退して、満足jして帰ってきましたが、何か?(最後まで喧嘩したいらしい)


祭りのあとは祭り

2014-07-25 | kabuki en dehors de Tokio

まつもと大歌舞伎三人吉三最終日を見た直後の松本の様子。

まさにタイトル通りですね。
まつもと大歌舞伎は二度目なのですが、本当に町を挙げての祭り感が強い。
その分、客席の反応なんかも微妙・・・なこともあるし、何より箱が大きすぎてコクーンほどの濃密な感覚は味わえない。

ま、いろいろ言いたいことはありますが、勘ちゃんの和尚は最後まで、「勘ちゃんの」和尚でした。これって歌舞伎ではたやすく見えて、なかなかできないこと。
現代演劇に限りなく近づいた串田版だからできた造形かもしれないけれど。

そうそう現代演劇に・・・といえば、松也のお坊は、限りなく近づきすぎて、現代演劇になっちゃってたような。発声が普通に現代演劇というかミュージカルタレントみたいだったw
ここらへんが歌舞伎というものがしっかりからだに入ってない役者が新しい試みをやることの危険なのかな、と思いました。

亀蔵・徳松がいなかったら、全体としても歌舞伎を保てたかどうか・・・今後どんどん歌舞伎以外の役者を増やしていくとしたらそこらへんが気になるところではあります。

あ、でも若手でも新悟と鶴松はちゃんと歌舞伎になってたから年齢の問題じゃないのよね。この若手コンビはコクーンの初日からどんどん成長しつづけて、楽が一番濃くてよかった!

 

舞台の上以外でうれしかったこと&びっくりしたこと。

1.弥十郎夫妻がすぐ近くの席で観劇。カーテンコールではスタンディングして、大拍手。 新悟は本当によかったと思う。

2、その「やじゅうじい」を探して?幕間に揚幕から出てきた七緒八少年。本当にしばらく見ないとよその子供は大きくなるねぇ。赤ちゃんから一挙に少年に。あっというまに付き人さんに引っ張られて消えていったので、揚幕近くの数人しか気づかなかった。今回、席のポジショニングが絶妙だったなあw

3.帰りのバスを待つ間駅でお土産物色していたら、近くのおばさんたちがざわざわ・・・「車じゃないのね!」「かわいい!」と。
ふと声のするほうを見たら、勘ちゃん一家(-のりゆき)が別の土産屋に。
ちっちゃなリュックしょった七緒八と、黄色系の着物の愛さん(着物のまま帰るのね!)、そして黒っぽい上下に黒のキャリーを引っ張る勘ちゃん。後姿だけ確認して逃げたのですがwww、なんだかとってもいい意味で普通でした。
しかし、バスターミナルにも土産物屋あったのにJRの駅のほうの土産物を見に来たおかげでええもん見せてもらえました。
ちなみに件のおばちゃんたちは「挨拶しにいこ!」「えええ?知り合いでもないのに」の会話の末、常識人が非常識人に引っ張られる形で挨拶wに行かれました。その後の経過は知りませんが勘ちゃんのことだから満面の笑みで握手して答えたことでしょうw

4.公演前に腹ごしらえした蕎麦屋で「おいしかったです」といったら(本当においしかったので)、ちょっと待ってて、といわれ、何かと思ったらおやつにどうぞ!と饅頭くれたw
歌舞伎見に来てると見抜かれてるなあと思ったけど、東京じゃこんなのありえないよね。
そして東京だったら知らない人にもらった食べ物なんて怖くて食べられない。松本なら大丈夫かと思って食べちゃった。ま、大丈夫だったんだけど。そんなにおいしくはなかったwww

いや、人情はありがたいねぇ、と。

松本は小さい町だけど、素敵なお店やバーがたくさんあって、水がきれいで、行く度にいいところだなあと思います。

今度は二年後に歌舞伎をやるそうなので、また行きたいなあ。私が遠征したくなるような芝居をやってくれますように・・・

画像は幕間に。再入場券まで特別製ってところに松本の本気を見ました。


MUSTではなくWILLの力

2014-07-22 | cinema

世界の果ての通学路、見てきました。面白かった.

下高井戸シネマで見たのですが。。。徒歩でいける範囲にあったご近所シネマが二軒ともつぶれてしまって、いまやこちらが最寄…いや、渋谷のほうが距離的には近いんだけど、心理的に渋谷はご近所じゃないのでねw。

これからはこちらにちょくちょくお世話になることになるかも。

それにしても徒歩圏内に映画館がなくなったのは、なんかさびしいです。

 

てなことはともかく、

ケニア、モロッコ、アルゼンチン、そしてインドの僻地に住む子供たちが、片道ん十キロの道のりを、さまざまな困難を乗り越えて学校に通うさまを、淡々と追いかけた「だけ」なのにどうしてこんなに面白いんだろう。
もちろん映画作品になっている以上、そこにはある程度の虚構もあるのだろうけれど、とにかく全体に流れる子供たちの生命力と知性に引きずられて数十分間を過ごしたという感じだった。

険しい岩山を乗り越えたり、馬に乗ってパンパを駆け抜けたり、サバンナで象やキリンに囲まれたりしながらの通学路。私の考える日常とはあまりにかけ離れたこの状態が、11歳の彼らにとってはまさに「日常」なのだよね。
いちばん気になったのが冒頭画像のインドの三兄弟。長男が足が不自由で、車椅子を次男と三男が引いたり押したりしながら川を越えたり泥道にはまったりしながら通学しているのだけれど、この次男と三男があまりにいい子で・・・どうしていやな顔ひとつせずにこんなことができるのか。そして、長男も決して卑屈になるわけでも悪びれるわけでもなく、かといって威張っているわけでもなく、ごく自然に車椅子で運ばれていくのよね。
なんなんだろう、この、私にとっては「不自然」な「自然さ」は・・・とずーーっと映画を見ながら考え続けたのだけれど、結局結論は出なかった。
僻地・貧乏・足が不自由と、常識的にはハンディキャップだらけの環境なのに、まったく同情する気が起きない。いや、悪い意味ではなく、同情すべき顔を彼らはしてないのだもの。
泥にはまって動けなくなった車椅子を放り出すでもなく、怒るでもなく、淡々と受け入れ、なんとか対処していくその態度。かといって状況を受け入れるだけではなく、日々学校に通うことによって、現状を少しでも改善しようとする前向きの態度もちゃんと見られて・・・
ただ、この次男三男がもう少し成長したときに、長男との関係に疑問を持ったりするんじゃないかな、という危惧が拭い去れなかったのも事実。性悪説すぎるだろうか?

インドの兄弟だけではない。
見事に英語を操るケニアの少年、家族で初めて学校に行っているというモロッコの少女、乳搾りや羊の群れを追わせたらすでに一人前になっているアルゼンチンの少年・・・みんな自分の状況を受け入れつつ、ちゃんと前を向いて生きている、その姿に、文明やある程度の富や、さまざまなアドバンテージを得ているかのような自分にはない底知れぬ魅力を感じてしまった。

学校って行かなければならない、ものではなく、こうやって、「行きたい!」と思って苦労して行ってこそ本当の学びにつながるのだろうなあ、などとも。

いや、だからといって絶対に彼らの立場になってみたい、とは思わないあたりがワタクシのだめだめなところ、なんですがねぇ・・・w

 


機内映画

2014-07-20 | passe-temps divers

とりあえず恒例の機内映画品評

日系キャリアの映画チョイスにはまったく期待してなかったのですが・・・

今回に限ってはANAあっぱれ!

 

タイミングのせいかもしれませんが、直前に知人たちから面白いよとすすめられていた映画が二本も入ってる!
これはテンションあがりまっせ。

その二本は、

ダラスバイヤーズクラブ★★★★

グランドブダペストホテル★★★☆

 

どっちもちょこちょこ朦朧としながらですが、面白かったです。
GBHはブラックアメリミステリ版みたいな感じで少女の心を失ったおばさんには、ちょい鼻で笑いたくなる場面も多かったですがw
DBCは、こういう形じゃなくてフルスクリーンでちゃんと向き合ってみたらもっと重かったんだろうなあ。いや、重いだけじゃなくて、十分軽い主人公で、そこがよかったけど。

機内では邦画を見ちゃいがちなんですが行きは英語になれなきゃ!wwwってことでもう一本

THE FACE OF LOVE★★★☆を

死んじゃった最愛の亭主にそっくりな男が現れて・・・って話で。年齢的に同意できるところもあったり、なんか中高年の切ないラブストーリーってガイジンがやってくれたほうが純粋に感動できるわ。これが、役所幸司と鈴木京香だったりすると、ちょい冷めるかも。いや二人とも好きですけどね。アネットベニング年とったなあ、と思いながら見ました。

 

帰りはもう英語になれる必要がないのでwww

ゆったり邦画二本。

しらゆき姫殺人事件  ★★☆

絶世の美女役がナナオってところがどうにも・・・どうせやなやつなんじゃないの、と思ってたらやっぱりやな奴だったってことでネタバレw

チームバチスタファイナル★★★☆

ドラマを見ていたので連続感があってそれなりに楽しめた。もしドラマ見てない人が見たら面白いかどうかは・・・保障できないw
仲村トオルと伊藤なんとかくんの凸凹コンビ、好きだったのにファイナルなんだ・・・

ANAさん、行きの機内食も、エコノミーの癖に美味しかったし、往復とも二席使えたし(これは偶然ですが)、なんか今回とてもよかったです!

 


いい腑抜け?

2014-07-18 | kabuki a Tokio

国立劇場に吃又見に行って来ました。

梅玉さんなんでもできるとはいえ、又平はどうなの?
あほに見えるどもりすぎは大嫌いなので、その点ではよかったのだけれど、あまりに自己主張が弱いので、
悩んでいる人というよりは、病気(またしても初老うつ病?w)の人に見えてしまった。
まあ、苗字が許されないくらいで死ぬ死ぬ言う人だから本物もうつ病っぽかったような気もするので、これはこれでありか、と。
梅玉さんのビジュアルにも合ってるし。

いかんせん、後半、苗字が許されてからはもう少し嬉しそうでもいいんじゃないかと思ったけど、でもはしゃぎすぎの梅玉さんは似合わない気もする・・・つまりこの役に似合ってないのよね。

おとくの魁春さんはとても好き。
べたべたしてないけど深いところで旦那を愛してる感じで。この人はもう少し認められてもいい役者だと思うんだけどね・・・器用じゃないしきれいじゃないから一般受けしないのはわかるけど。


天井桟敷から幼児(その日は学生団体じゃなくて、親子客ばかりだった)の泣き声笑い声なども合わせて鑑賞しましたが、意外と笑ったり拍手したり、楽しんでる子が多かったみたい。

そしてなぜかなぜか、ほとんど寝なかったlavieでした。
ひょっとすると播磨屋や大和屋の又平より好きだったかもしれない。その割に感想に熱がはいってないのは、まだまだ本調子じゃないせいと、なにより梅玉さんの持ち味によるところ、だと思うw

そうそう、お目当ての梅丸くんはかわいかったけど、まだまだ修理は大変かなあ。
松江なんぞに雅楽やらせるんなら、解説の宗之助に役つけてやれよ!と思いましたです。ま、雅楽より修理の人だけどねぇ・・・


腑抜け

2014-07-17 | kabukiza

舞台の上も下も・・・

歌舞伎座昼の部、

夏祭浪花鑑見てきました。酷いのでちゃっちゃと書いちゃいます。

(朝一草摺引はパスしちゃいました。右近さん笑みさぶさんごめんなちゃい。普通によいだろうことは予想できたので。)

夜中に目覚めて眠れないのは時差ボケのせいか、もともとボケなのか。
とりあえずへろへろで出かけました。出かけなくてもよかったかも。あ、でも中車くんの義平次だけは見たかったので。

前半。

普通に安心して眠れましたw
海老君をはじめとしてのお江戸のみなさんの上方弁はまあ予想通り変だったけど、それ以上に嫌な部分もなく。
むさい格好から抜き紋の拵えに変わって登場した海老蔵はやっぱりかっこよくて、華がある。(だからこそいろいろもったいないわけで)。
吉弥と海老じゃ母子だろどうみても、とか、徳兵衛はこれで後半かっこよく立ち回れるのだろうか、とか、おたつが徳兵衛に惚れたのもやっぱり「顔じゃのうてここでござんす!」(腹を叩く!)なんだろうな、と思ったり。いろいろ夢のなかでwつっこんでました。

後半が酷かった・・・

よかったのは義平次くらい。これもまあ、歌舞伎としてはどうなの?という意見もあるだろうとは思うのだけれど、なんてたってこちとらにとったら笹野義平次がデフォになっちゃってるから、ああいう造形は馴染み深い。で、笹野より好き。貧相じゃないところを、嫌味を倍増してカバーしてみましたって感じ?下品さは笹野より上(一応褒めてる)。
立ち回りの見得なんかも意外なほど違和感なく決まっていて、歌舞伎ってやっぱり経験より血なのかしらん、などと思ってしまう。本当、ダメモトで時代物に挑戦していただきたい。いっそのこと大冒険で四の切とか。無茶か。

あとはもう・・・タイトルどおり、お前ら腑抜けか、と。
猿弥や吉弥などの芸達者も、芯が悪いんで、どうやったっていいところを見せられないままで終わった感じ。
右之助さんが痩せてたのもちょっと気になった。あのお年で痩せるって、なんかねぇ・・・
おたつの玉三郎にはなんの意地も女気も感じられず、やたら無気力でいきなり火箸を頬に当てるって、あんたうつ病の発作かい?って感じだったし。夜の富姫のかっこよさと色気はどこに?
夜にならないと気力が出ないドラキュラなのか玉三郎は。

海老蔵は・・・台詞の酷さより所作の酷さに目を覆った。
義平次との立ちまわりはともかくとして、その後、一人になって本水で刀を洗ったり、祭り連中に混じって必死で逃げ惑ったりの所作が・・・なんつか・・・

ざんばらになって、月代が丸く見えてることもあって

カッパの水浴びダンス

という言葉が脳裏をよぎってしまった。

会場から笑いが漏れたのも、仕方ないと思う。あれじゃ苦笑するしかないっしょ。

 

静かな演技ということがこの人には出来ないのか。
團七内の自省的であるべき芝居が単なる無気力芝居に見えてしまう。
勘九郎のこの場面の目覚しかった記憶がなんか汚された思いすらして。
どんどん腹が立ってきた。

大詰め、屋根の上の大立ち回り。
一応「大」立ち回りという扱いなのだろうけれど、これまたなんだかしょぼい。
客は正直で、立ち回りなのに、拍手が少ない少ない・・・

最後まで盛り上がらずに、本当につまらなかった。

こんなつまらない夏祭ならやらないほうがいいよ。

本当、中村屋に謝れ!

 

 


夏の夜の夢…そして醒めた

2014-07-16 | kabuki a Tokio

…ま、たまにはこういうのもいいかな。

まだまだ恐怖の観劇連荘が続くので簡単な感想のみあげちゃいます。詳細はおそらく永遠にかかれないでしょうw

悪太郎

これ、前に亀治郎で見たときもつまらないと思った。
今回もその印象は変わらず。踊り巧い人四人揃えて(亀鶴、弘太郎、猿弥、そして右近)もつまらないなんてもったいない。おもだか十種しか右近はやらせてもらえないのかしら。

 

修禅寺物語

段ちゃんかっこいい!!!!

 

 

これだけで十分なのだがw一応もう少し書くと、適材適所、ニンにあった役を達者なおもだか若手組が破綻なく演じている。そこが支えて、中車の夜叉王が輝きを放つ。中車はもはや堂々たる歌舞伎役者だね。
こうなったらダメモトでど・古典を見てみたい。車引きとか、腰はふらふらだろうが気合だけは凄いと思うんだが。
笑三郎すばらしい。桂の生き様が手にとるように分かった。
そしてなぜかここでもおもだかチームに混ぜ込まれちゃってる亀鶴。器用だから「いつでもどこでも誰とでも」やっていけるだけに、便利屋的に使われちゃってるなあ。腐らずがんばれ。

そして段ちゃんは白塗り二枚目、歌い上げる台詞、どっちもいいことはわかってるんで、もっと骨太の役が見たいのよ。どうして、私の好きな役回りをうちの大好きな二人はなかなかやってくれないのだろうか。

 

天守物語

私のハイライトは段ちゃんで終わりなので、ゆるーく見守ってましたが。
タイトルどおり夏の夜のファンタジーとして、綺麗だし、気持ちよく見られました。
玉三郎はこういうのやってれば本当に素敵。
海老蔵も神妙で、綺麗。ただ人間というよりあやかしチームに見えちゃうのはどうなんだろう?w
亀姫の右近(尾上)も出ず入らずで適度に綺麗で適度に怪しくてなかなかよろしい。そういえば勘ちゃんの亀姫、ドキドキしてちゃんと見られなかったなあ、とDVD買おうかとふとおもってしまったり。危ない危ない。

ここでも中車がとっても「人間臭く」て天上との対比がちゃんと理解できてる芝居。こういう頭で理解するような書き物はやっぱり頭のいい人が演じると説得力があるわ。ちゃんと台詞理解してることがこちらに伝わってくるもの。

…全体に満足だったのですが、最後の強制カテコでしらけました。
一回は付き合ってもいいかと思ったのですが、一回終わっても客電がつかず。むりやり二度目やる構え。あたしゃ妙な反逆心wで無理やり出てきましたがね。
お年寄りの多い客層、真っ暗ななか、家路を急ぐ人が転びでもしたらどうするんだろう。
それよりなにより、「出られない」状況で無理やりカテコに持ってくって誰のたくらみ?

ああ本当に腹がたった。


すみからすみまで~

2014-07-15 | kabuki a Tokio

昨日21時過ぎに成田について、自宅にはぎりぎり昨日のうちにたどり着いたというのに、早くも今日観劇の予定をいれるなんて、うちのインナー秘書は何考えてるんだ?w

チケット見たら1000円の席!www

さすがインナーだけあって自分のことはわかってるらしい。くじけてももったいなくないように。
でも、久々に11時間爆睡できたので、インナー秘書に見くびられるのも悔しいから(内なる葛藤)がんばって北とぴあ行ってきました。のすけちゃんのパパと兄ちゃんの襲名オーラスだしね。

とてもよかったのですがきっと感想書く頃には忘れてるw

一応タイトルの意味だけ忘れないうちに。数限りなく口上の「隅から隅までずい~~っと」を聞いてきたのですが、本日の播磨屋さんのそれほど「決まった」のは初めてたったような。さすが台詞の巧い方は口上も巧い。いや、口上そのものはけっこう訥々としてらしたのですがね。

それ以外の詳細はたぶんいずれ忘れた頃に。

 

と思ったのだけど一生書かない気がするのでとりあえず三行コメント。そして永遠に書かないw

 

角力場

のすけちゃんの与五郎に尽きる。よくぞ播磨屋さん、お兄ちゃんに二役じゃなくてのすけちゃんに与五郎を振ってくださった!

絶対無理だと思ってたのよ、白塗りつっころばし。これがまあ、なんと。色気とおかしみと、もちろん固いのだけれど、それなりの雰囲気と・・・いいじゃないですか!
やっぱりのすけちゃんはなよ系がいいと思うの。そして女形もいけると思うの。又五郎の息子だからって荒事師にならなくてもいいと思うの。のすけちゃん、こっち方面にぜひともお願いします!

播磨屋さんがもう、芝居してないみたいな余裕ぶっこいて、歌昇くんの放駒との対比が凄かった。たぶんこのくらい差があるのが本当なんだろうな、と思うくらいに。

 

口上

みんな真面目でおもしろコメントが誰もないところが、この一座ならでは?

吃又

吃又の又は又平じゃなくて又五郎じゃないの?と思うくらい、はまり役。
今この人の右に出る人はいないんじゃないかな。個人的には播磨屋よりいい。

というくらいに凄かった。
そしておとくの芝雀も第一人者だし。
こんないい芝居を1000円で見せてもらっていいのだろうか。申し訳ないくらいの高水準。
なにより又平が馬鹿に見えないのが好き。

いやあのすけちゃんとパパの熱演を見ただけでもへろへろの身体を引きずって王子まで来た甲斐、ありました。


かんくろーのくろー

2014-07-13 | kabuki en dehors de Tokio

乳房榎楽見て来ました。

初日とは格段の盛り上がりでほっとしましたけれど。の続きはいずれ帰国後。

 

 画像はフォワイエにあったお父ちゃんw

 

 

帰国して10日近く経ってしまいました。23日記。愚痴ですんで、興味ない方は飛ばしちゃってね。

結局ねぇ・・・

乳房榎の芝居自体が好きじゃないって一言に尽きるのかもしれないけれど。
NYでもおおむね好意的に迎えられ、興行的にも成功、そして楽日はほぼ全員スタンディングオベーション(かなり自発的だったと思うw)で、勘ちゃんファンとしては大いに胸をなでおろしたのですが。

勘太郎(勘九郎ではないw)の大ファンだった人間にしてみると、
父ちゃんと味の違う、古風で一見地味な芸風の、そして見れば見るほど味のある芸をこれからどんどん深めていけるポテンシャルをもっていた勘太郎が、どんどんお父さんに似てくるというか、お父さんの芸「のみ」を求められている今日この頃の状況がどうにも物足りなく、歯がゆいのも事実であります。

もちろん同じことをやっていても、たとえば夏祭りの團七における微妙な「昏さ」とでもいう持ち味だったり、三人吉三の和尚の底知れぬ淵を覗き込むような迫力など、父親とは違う持ち味を出すことは可能だし、同じにできるわけもないので、そこを味わえばいいということも承知の上なのだが。

たとえば乳房榎のような、正直浅いとしかいいようのない芝居を、「すごいすごい、お父さんそっくり!」といって絶賛している客席の反応を見ると・・・うーん・・・なんとも複雑なのですよ。

この芝居、いくら勘九郎が工夫をしても、そこまで掘り下げられる内容ではない、というか掘り下げてたら早替わりの意味がないw
結局、お父さん的な華が少し欠けてる部分が目立ってしまうという・・・

お父さんが健在であれば、中村屋の芸は当分安泰だったし、長男はその芸を学びつつ、お父さんの庇護のもと、お父さんにはない芸域をどんどん広げられていっただろうに。
継承と革新を同時にできる修業の時代があと10年はあったはずなのに・・・

いまや彼は、中村屋の芸を受け継ぐことを求められ、それが急務で、せっかくの、彼独自の持ち味を広げていくための新しい古典作品への参加はなかなか難しい状況になっているのだなあ、と。

うわべの(と、あえて言う)大成功の影に、兼ねる役者としての中村屋の芸に加えて荒事もできる不世出の名優の誕生の可能性が少しずつ小さくなっていくのを、なんだかちょっと悲しく見守ってしまう私がいるのも、また事実なのであった・・・

って、これ、かんくろーのくろー、じゃなくて(たぶん本人はそこまで考えてないw)

かんくろーのファンのとりこしぐろーじゃないか、と世間のかたがたには言われそうですな、ははは。


戻りたい場所ができた。

2014-07-11 | voyage

9日の話になりますが。

ボストンに行って良かった。

世界の中の大好きな場所がまたひとつ増えました。の詳細はたぶん帰国後。

画像は新館。旧館は撮影NGでした( ノД`)…

 

本当、歌舞伎よりMOMAより、ここに行けただけで今回の旅行は価値があった!というくらいの場所は

ISABELLA STEWART GARDNER MUSEUM

ボストン美術館から徒歩数分という立地で、最初はボストン美術館が気に入ったら行かなくてもいいや、くらいの予定だったのですが。いやはやそんなことにならなくてよかった!

 ISABELLAさんって人はとんでもないお金持ちの収集家でそこんちを改造して美術館にした、ってくらいしか知らなかったんで、パリでいえばジャックマールアンドレみたいな感じかなあ、と。まあそんな感じだったんですけれど。素敵さが比じゃなかった。
コートヤードが可愛くてちょっとモロッコちっくで、

展示方法も、普通の居住空間に無造作に自然に作品が並べられてる感じで本当にナチュラル。

昨年だったかリニューアルされてレンゾピアノによる新館がオープンできたのだけれど、その新館がまた、いい。休館に無理になじませようとしないで、現代と過去をつなぐ通路、みたいな彼っぽい独特のガラスの廊下↓でつないでるんだけど、無理してなくていいんだよね。新館にはカフェ、ショップ、ライブラリー(美術書がいっぱいあって、好きなだけくつろげそう)などのパブリックスペースがゆったりと置かれていて、本当、一日でもいられそうだった。
ボストン日帰りスケジュールにしたのでゆっくり出来なくて本当に残念。この美術館ならきっとカフェも美味しいんじゃないかな。

冒頭の写真はそのライブラリー。
逆側から見るとこんな感じ。ね、くつろげそうでしょ?

 

もうたっくさん写真紹介したいんだけどあまり一杯でも迷惑?かもしれないんで、コラージュ写真で。

 

かなりの数の美術館を見てきたつもりですが絶対に三本の指、いや、今の気分ではナンバー1はここだ!といってしまいたくらい、素敵な場所でした!

ボストン、、いやアメリカ東部にいらっしゃる機会があったら

絶対に

 

DON'T MISS IT!

そして私もこの美術館のためだけにまたアメリカ行ってもいいなあ、と思っちゃってます。


WCを覗き見る

2014-07-09 | passe-temps divers

NYでのパブリックヴューイングに参加してみた。ま、予想通り超ショボいんですけどね。まさかの展開は皆様ご存じの通り。詳細はいずれ。

 

今回滞在したのが安アパートで、ワールドカップを独占してるESPNは映りそうもないことは覚悟してたので、もう出国の時点(ベスト8)で私のWCは終わり!と覚悟してた。
スポーツバーみたいなところに一人で行くのは怖いしね。
と、思ってたら何かの拍子にメディアセンターでPVがあるという情報をネットで見つけ、調べてみたら、滞在場所から徒歩数分の場所じゃないですか!
時間帯も昼間だし、無料だし、これは行って見るか。特にNYですることもないしw

で、のこのこ出かけていったのが伝説のブラジル虐殺戦。
開始10分前くらいで、結構ギリギリ座れた感じ。とはいえ100席ちょいくらいの、本当に村の公民館的スペースなんですが。(この日はセンターの定休日で中のシアターでやったけど、普段はもう少し大きいパブリックスペースでやってたそうです。まあ準決勝で100人ぎりぎり埋まるくらいだから、大きいところでやったらガラガラなんだろうなあ)。

村の公民館だから誰もあまり騒いでないし、酒飲んでる人もいない。
怖いお兄さんもほとんどいなくて、子供連れが散歩ついでにただで涼みに入った、って感じの人や、ガイジンのおばちゃん一人とか(わしや!わし!)、本当、危ない匂いは一切ございませんでしたの。ほほほ。

ブラジル応援のほうが少し多いかなという感じで始まったのがドイツが3点取ったあたりからごく少数の意気消沈してる人以外は全員ドイツ応援に回るw
アメリカ人もブラジル人と同様勝ち馬に乗るタイプなのね。
日本人のわたくしはもちろん判官びいきなので、最初のドイツ応援からブラジルがんばれ!に変わってたのですが、5-0にされてはさすがに後半見るにしのびなくて、出てきました。
看板にはFULLの文字が書かれてたんですが少なくとも後半一席は空いてたはずw

次のアルゼンチンオランダ戦の日はボストン日帰りだったので、まったく見られないものとあきらめてましたが、ボストン空港で帰りのフライトに乗る直前、PK最後の一蹴りを空港内のカフェで見られました。どっち勝ったの?オランダ?と聞いて推定アルゼンチン人のおっさんにアルヘンティーナだよ!と怒られたのは私です。これ、アルゼンチン負けてたら殴られたかもなw

これで、空港内のカフェではWCの中継やってることを学びまして、帰国日は早めに空港に行って、カフェでスクリーン正面の席に陣取り、ビール飲みながら(空港内なら怖くないぞw)観戦してたのですが。

前後半終わってビール二杯、赤ワイン一杯飲み終わって、これ以上飲むと身体も財布も(空港内だから高いのよねぇ)へろへろになるぞ、と思い、隣のおっさんがいろいろ話しかけてくるのも苦痛になってきたので(ほら、英語力が・・・w)カフェを出て・・・土産でも見るかと思ったら土産系ショップがほとんどないターミナルだった。ANA、なめられてんぞ。
と思ったら、無料席から隣のカフェ(さっきとは別のところ)の画面が覗けるじゃないですか!

(こんな感じで隣のお家のテレビを覗き見てましたw)
ってことで、延長戦観戦をまたまた続けてしまい・・・
搭乗ギリギリでようやくジ・エンド。って、搭乗時間遅れたのはスタッフも最後まで見たかったのかしらw

義理土産は一切買わずに帰ってきました。
義理のアルみなさま申し訳ありませんwww


 

 


まさに納涼。興奮はいまいち

2014-07-07 | kabuki en dehors de Tokio

いきなりNYにきています。

怪談乳房榎の初日を感激、じゃなくて観劇。残念ながら誤変換を放置したくなるほどのかんどうはなかったなあ

の感想はいずれ。

 

…すでにあれからニ週間経ったんだなあ。

楽の仕上がりに安心した自分から、初日見た直後の自分に「これからよくなるよ!」といってあげたい気分。

ま、硬かったなあ。

あと、客席も、日本の関係者だけがはしゃいでる感じで、現地の人はけっこう冷めてた。
私の隣の老婦人は途中からきょろきょろしだしてずっと渋面で、ああ、気に入ってないんなあと思ってたら、なんと幕間で帰っちゃったしorz

帰りがけにやはり女性客が、ポンチョ(本水の前に配られた)を手にしてたので、「おみやげですか?」と冗談っぽく聞いたら、「どこに捨ててやろうかと思って持ってるだけ!」と吐き捨てるように言われちゃったしなあ。
あの口調では絶対ろくな感想じゃないと思ってそれ以上声かけられなかった・・・

そして私自身もこの作品自体が好きじゃないこともあって、最後までのれなかった・・・

初日のちょっと恐る恐るの手探りな感じ、これは父親にそっくりだなあ、と勘ちゃんのちょっと苦笑いのカテコ(一度だけで、スタオベもなかった)をみながら思った次第。

結局、NYタイムズほかの評価がよかったせいか?チケットも売れて、次第に客も盛り上がり、それにつれて役者の熱も上がり・・・の好循環だったようですね。

NYの客もマスゴミに左右されるのかなあwなんてちとビターに上から思ってしまいましたわ。