laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
楽しく気楽につぶして生きてます。

薮原検校

2007-05-31 | spectacles

井上ひさしの原作を始めて読んだときの衝撃が今もわすれられない。30年以上も前の話だが。

人間の弱さと悪をここまで抉り出してみせる井上の筆力と精神の強さに打ちのめされた。
それまで読んでいた井上作品がブンとフンとか、モッキンポット師シリーズなどのユーモア系ばかりだったのも要因のひとつだろうとは思うが、とりあえず世間知らずのお嬢様だったあたしに、忘れられないインパクトを与えた作品であったことは間違いない。

その後、仕事以外でストレートプレイをほとんど見ない日々が続いたので、この作品も舞台化を観たのは初めて。つか、今までにだれがどこで上演したのかも知らない。

…ちょっと期待はずれだったかも。
原作に対しての思い入れが強すぎたのか。

先日観た、『写楽考』でも感じたことだが、発表当時強烈に名作だった脚本も、30年経てばやはり古びるのだな、とも感じた。
それを承知で、いまさら舞台化するには演出家によほどの覚悟と力量がなければならない、ということだと思う。

『写楽考』に比べればましだったとはいえ、蜷川の演出をもってしても、本の古さ、陳腐化はカバーしきれていないと思った。

30年前に大絶賛したあたしだから余計そう感じてしまうのかもしれないが・・・

特に前半のテンポの鈍さ。語り手役の壤 晴彦がいまいちなのも含めて、間延びして、井上作品独特の言葉あそびがとてもとても陳腐に見えてしまう。
後半、杉の市の古田新太が悪を発揮する段になってからはいくらか面白くなった。
特に段田安則の塙保己一と杉の市の対話シーンなどは緊迫感といい、考えさせられる内容といい、上質の芝居だった。

どう考えても救いようのないテーマ、後味の悪い芝居なのだから、せめてテンポとか演出の妙とか、歌のすばらしさとかで楽しませて欲しかったのが、すべていまいちだったなあ。

役者のなかでは、田中裕子が相変わらずとはいえ、色っぽくいい味を出していた。
段田も熱演。古田は決して悪くないのだが、どうしてもいつもの役の印象で愛嬌を感じてしまい、「悪」に成りきれていなかったのが致命的。
歌舞伎で言うニンじゃない、って感じかね。

舞台装置で、黒い紙でステージ全体を囲って、外から光が射している状況にしていたのは感心した。芝居小屋仕立てにも見えるし、目の見えない座頭の世界を表現しているようにも見える。秀逸の装置だったと思う。

というわけでいい点も多々あったんだけど、全体としては中の下、といった仕上がりだったと思う。特に千秋楽であれ、ってことだからねぇ。

 

そうそう、同じ井上原作、蜷川演出だったら数年前の『天保十二年のシェイクスピア』のほうが100倍面白かったし、傑作だったと思う。

 



 


五月まとめ

2007-05-28 | agenda

今月のMVP
いろいろ考えたのですが、今月の、というところに的を絞って

萬次郎

堂々たる貫禄、かつかわいらしい巴御前でした。
いつもいつも同じひとばかりのシンより、
どんな機会でもいいから、たまにはこういう配役も見たいです。

次点

松緑(最近大進歩を遂げてる気がする)
團十郎(今までの團十郎弁慶のなかでいちばんの出来だったかと)

今月のMIP

すんません、やっぱ血まみれ&女伊達からみ&千手の左十次郎(さとぴー)以外に考えられない。


次点

らぶりー玉ちゃんこと玉太郎

すんません、すんません。
I(impressive)だから、個人的好みのみです。

 

MDP

芝居に出さえすれば、この賞独占、常連のあの御曹司はもう、名誉殿堂入り(キムタクかよ?)とすると、
あえていえば染五郎高麗蔵の妹背山コンビかなあ。
棒立ちではあったけど、まあ腹が立つってとこまでは行かなかったし。
海老蔵さまを差し置いてまでMDPにするほどの存在感はなかった、ということで。

該当者なし

 

今月のおすすめ演目

ひとつだけ傑出したものはなかったような・・・。
め組の喧嘩と新門辰五郎を見比べるのが
いろんな意味で、勉強にもなったし、面白かった。
のであわせ技。
歌舞伎座「め組の喧嘩」
国立劇場「新門辰五郎」

 


俳優祭

2007-05-26 | kabuki a Tokio

一日きりなので、かなりのチケット争奪戦。なんとヤフオクでは一等席が10万円以上ってのも見つけましたよ。

運よくゲットできた3B席で見てきました。

出しものは別にどうこういうことはありません。

役者とファンがみんな嬉しそうでよかった、よかった。

個人的な感想としては、カンタが着ぐるみきてても踊りのキレがよかったこと、ひとりで小芝居し放題で、受けまくった(あたしだけ)こと、菊五郎さんの「手」役(ほかの9人とともに超GJ!)だったさとぴーが最後の挨拶シーンで素顔で出てきてくれたこと、段ちゃんにもちょっとだけど見せ場があったこと。段ちゃんとはちょっとお話もできたこと、そういえばあと、お話したのは三津五郎さんを除くとみんなおもだかさんチームでした。猿弥さんと笑也さん。オモダカさんチームは本当に愛想がよくて、やっぱ御曹司とは違いますね。
あと、右近Oくんがエライ頭になってたけど、相変わらずめちゃめちゃはじけてキレのある踊りでした。この人の踊りはカンタの次に好きなのです。

菊五郎さんの北千住観音が物凄い存在感でした。まったく登場の必要のない役で、ただでさえシュールな「白雪姫」にますますのシュール感を与えてました。

野暮を承知でひとつだけ言うなら、冒頭の勧進帳、これ、俳優祭じゃないでしょ。小松の中高生ががんばってるのは分かるけど、俳優がひとりもいないじゃないですか。もしどうしても彼らを歌舞伎座の舞台に立たせてやりたいなら、名題下さんでもいいから、音楽に合わせて勧進帳を演じて欲しかった。今年の稚魚の会の演目にもなっているんだから、その人たちが稽古代わりにやってもよかったんじゃ?
俳優の出てこない俳優祭の演目、やっぱり違うんじゃないでしょうか。
演奏そのものはよくやってたと思う。特に長唄巧かった。

 

画像は、なんとらぶりー玉ちゃんこと玉太郎画伯のマスターピース。大枚2000円をはたいて購入しました。はい、アホです。

 

5/28追記。

北千住観音のネタ元を、あるブログで教えていただきました。
ものすげー感動したので、おすそ分け。俳優祭を見ていなくても、感心すると思います。
youtubeの画像を貼り付けるツールがない(あるのかもしれないが、調べてない)のでリンクのみ。
こちらから自力で飛んでください

 


五月歌舞伎座團菊祭夜の部楽(二回目)

2007-05-25 | kabuki a Tokio

大贔屓の役者がいないから、というわけでもないのですが、割と淡々と終わった印象の夜の部。

淡々と簡単に。

一回目の観劇感想はこちら

女暫

夜の部ではいちばん感心しました。
何がすごいって、楽だから喉を傷めてもいいと吹っ切ったのか、巴御前の萬次郎がすばらしく朗々とした声で、堂々と女暫を演じきっていたこと。
古風な味、決して器用ではないけど、春風駘蕩として、どこかとぼけた味わい、そして、世話物をやるときは必ず「あー」とか「えー」とか掛け声掛けてからでないと台詞が始まらない癖まで、成田屋さんを彷彿とさせました。
まさに「女暫」適任だったのではないでしょうか。
雀右衛門で見たことがありますが、この演目に関しては、萬次郎の勝ちかと。

舞踊二題
雨の五郎
どってことないつまんない踊りだもんなあ。
役者の色気で見せるしかない、みたいな・・・
松緑くんは最近すごく好きだけど、この踊りはちょっと違ったかも。
去年の雷船頭みたいなイナセ系の踊りが見たかったです。
三つ面子守
三津五郎が巧いのは分かりきったことなので、それ以上をどうしても期待してしまう。だがそれ以上のsomething elseは、楽になっても見つけられなかった。
面踊りになってからはそれなりにテクニックで感心できるのだけれど、問題は前半部分。どうしても、この人、子守に見えないのだよね。女には十分見えるんだけど、どこか品格がありすぎて、武家の女房で、子供は自分の子、に見えてしまう。
なので、いくら愛嬌を振りまいても前半の子守踊りの部分が説得力を持たない。
これまた別の演目で見たかったなあ。

め組の喧嘩

今回二度見た演目に関してはほぼすべて二回目のほうが出来がいいと感じたのですが、唯一、初見のほうがよかったと思いました。
なんだろう?菊五郎さんお疲れ気味?
初見のときのきびきびした歯切れのいい台詞、動きがちょっと鈍っていたような。
菊十郎橘太郎の人情味あふれるやり取りとか、劇団の立ち回りとか、それなりにいいんだけど、初見のインパクトには叶わない。
そして、先日前進座でみた「を組」のきりりとしたアンサンブルとどうしても比べてしまったというのもあるかもしれない。
いろいろな不満はあるけれど、とりあえず菊五郎の極まり極まりの所作の美しさは当代一だと思った。
あ、唯一初見よりよくなったと思ったのが海老蔵
どすのききすぎた暗黒街のボスみたいだった初回の台詞回しが、なんとか相撲取りらしくなっていた。台詞がなんとかなれば押し出しと存在感はピカイチですものね。

楽のお遊びは喧嘩に出る前の力水の部分だったらしい。
らしいというのはオペラグラスでほかの役者を見ているうちに一瞬なんかやらかして、客が笑ったので慌てて菊五郎を見たんだけど、もうやらかし終わって何事もないように喧嘩にお出かけになってしまわれたので。ちっ。

ということも含めて、ちょっと食い足らなかった團菊祭夜の部でした。


演舞場夜の部二回目

2007-05-24 | kabuki a Tokio

初回は、いまいちだった演舞場夜の部ですが、二回目は、かなりよくなったという印象です。
一度目の観劇感想はこちら

なにしろ、お目当ての二人が格段によくなっていたので、特に個人的には大満足でした。

第一のお目当て、今の所ナンバー3を亀鶴さんと争ってるラブリー玉ちゃんこと、玉太郎くん。
かなり活躍の場があるにも関わらず、初回の観劇では、ちょっと緊張したのか、ラブリースマイルが影をひそめ、うつむきがちだったのですが。
今日は、台詞はきっちり、見得もはっきり、そしてなにより楽しそうに処々でホホエミがみられたのがいちばん。
見得がみごとに決まって大拍手を浴びて定位置に戻ったとき、嬉しそうに、ちょっと得意そうに、おくみねえちゃん(芝雀さん)のほうがちらっと見て微笑んだあなた、役者の喜びを知ってしまいましたね。こうやって、役者になっていくんだね。

そして第二の(第二かよ)お目当て、福助さん。
妹背山のお三輪が、それはそれはよかったです。
気持ち悪い微笑みやいやらしい媚がほとんどなくて、ただただひたすらに求女を思う一筋の気持ちだけがくっきり出てました。
腰元にいじめられる場面も、前回はなんかちょっと知恵足らずのあほの子いじめみたいに見えてしまった部分もあったりしたのですが、今回はただただ哀れで(腰元はちょっとやりすぎ、だと今回も思いましたけど)ピュアで、よかったです。
落ち入る直前に「こ・い・し・い・・・」と消え入りそうな声でいうのですが、本当に本当に一筋に男を思いつつ死んでいく娘に見えました。ちょっと泣きました。

 

個人的にお目当て二人が上出来なので、文句はなかったです。
最後の最後にもう一人、どんでん返し的に感心させられたので、それも書いときますね。

それは染五郎
途中までは全然よくなかったんですよ。
妹背山の求女は、橘姫(高麗蔵)と並んで、心ここにあらずというか、悪い意味で文楽人形的というか、索漠としたものすら感じさせる惨澹たる出来でした。これ、初回よりもっと印象悪かったかも。
法界坊に入っても、野分姫は、綺麗なんだけど声を出すと酒焼けした、ゲイバーのママみたいで、全然可憐な姫じゃないし。
双面になっても、女踊りの間は、なんじゃこら、まったくの棒立ちじゃん、染って踊りまでダメになったのか。とがっくりきてたんですよ。

というわけで、今月は、高麗屋と成田屋の両御曹司が脚をひっぱるの図な、と思ってました。ま、ひっぱるといってもレベルの差はありますが。

 

最後の最後、法界坊に見えたんですよ。もちろん中村屋のようにリアル双面にしてるわけでもないから、拵えはまったくおくみちゃんのままなんだけど、おくみ(本物の)に迫るその姿に、一瞬だけどはっきり法界坊が見えたの。
もちろん一瞬だけじゃまだまだで、ちゃんと法界坊と野分姫がお組の拵えの中から浮かび上がってこなきゃいけないんだけど、なんせ、初回のとき影も形も感じられなかった法界坊が、染五郎の身体の中に一瞬でも入っていた、ということはまさにめでたい、というか、いくら無理でも一ヶ月やらせた甲斐はあったようですよ、播磨屋さん。

法界坊の迫力に一役買っていたのが清太夫の竹本。
いつも迫力ある語りですが、今日はなんか鬼気迫ってました。
とてもお痩せになってきているので、この鬼気迫った感じが逆にちょっと心配になったりもしてしまうのですが。

大丈夫ですよね?清太夫さん。。。

 

この四人以外で、おおっと思ったのは錦之助。なんか貫禄出てきましたね。つっころばしがいい感じになってきました。これまた難役をこなした角力場の一ヶ月が滋養になっているような。
切られ与三郎の見染の場は今月この人で見たかったよ。「お釈迦様でも気がつくめぇ」の場面はちょっときついかもしれないけど・・・

妹背山も法界坊も、練れて練れていい味出てきたという感じでした。

二度見て後悔、かと思ったけど、二度見てよかった!という感想で帰って来ました。よかったよかった。

さて、超特急で書き飛ばして感想終わったので、勘ちゃんのダウンタウンDX見ようっと。


前進座五月公演

2007-05-22 | kabuki a Tokio

前進座は、昨年の同時期国立劇場公演以来、生まれて二度目の観劇。

梅雀と梅之助と圭史くらいしか知りません。この状況は初観劇とほぼ同じ。
瀬川菊之丞という女形を覚えたくらいでしょうか。
一年に一度しか見ないと、なじみの役者もできないわ。

毛抜

当代随一の弾正役者(っていってもあたし、ダンダン以外はおめちゃんとシドくんくらいしか生で見てないんで、ひひひ)、團十郎とどうしても比べてしまう圭史の弾正。
全然悪くはない。口跡やひとつひとつの動きの切れなどはむしろ團十郎よりよほど綺麗だし巧いのだが、いまひとつ魅力的に見えない。
あくまで個人的趣味だが弾正という人物はただの正義漢ではだめで、もちろんただの色好みおやじでもだめで、なんつか、独特の春風駘蕩というか、茫洋というか、ぼんやりというか、得体の知れない大きさがある人物だと思うのです。
圭史の弾正は、ちょっと凡人で、分かりやすすぎるんだなあ

で、脇がまたみんな固いので、余計、弾正が魅力的に見えない。

いちばんダメだと思ったのが巻絹の国太郎
この人、今回の芝居では春風(これは菊の丞で悪くなかった)と恋仲という設定(こんなのはじめてのような気がする)なんだけど、ちっとも色っぽくないんだもん。これじゃ、春風も小磯に浮気するわ。
で、色っぽくないから、弾正のセクハラシーンもちっとも面白くない。これまた演出で「びびびびび」がないんだけど、この巻絹ならなくてよかったかも。
秀太郎の広也はまあまあだった。

比較的よかったのが悪役玄番役の人。ごめん名前わからない。
百姓役の人(たぶん辰五郎の小鉄と同じ人。おおさかやってかかってた)は立派すぎ。

なんか全体にちょっと固くて、おおらかさのない毛抜でした。

舞台装置も一部違っていて、弾正の位置も成田屋型とはだいぶ違う。これは左團次型なのかしら。おめちゃんがやったときもそうだったかしら。忘却の彼方。
そういえば磁石が羅針盤じゃなくてU字なのは左團次型かなあ。どっかで一度みた覚えがある・・・

新門辰五郎

これ、かなり面白かった!

と偉そうに言う割りには、ときどき沈んでましたけど・・・

浮き上がった部分をつなぎ合わせただけで十分面白かったので、ずっと起きてたら、きっとかなり面白かったことでしょう。

やっぱりこの座組では梅之助・梅雀親子の存在感は群を抜いていると思う。
特に梅之助さんの枯れっぷりときたら、もうええ味出してます。超巧い芦燕さんといおうか、愛想のいい段四郎さんといおうか。いや、もっと深いなあ。
梅雀さんは、一見翫雀さん風(名前も似てるw)なんだけど、動いたり台詞を言うと、いきなりすげぇきっぷのいいイナセなお兄いさんに大変身するところがすごい。
梅雀と梅之助の二人が、火消しの生き方について語り合っているシーン、浮いたり沈んだりしながら薄目で見てたんですが、そらよかったですよぉ。
ちゃんとした意識でもう一度観たいよう。
でも今日が楽なんだよねぇ。。。


め組の向こうを張って、を組の火消しも喧嘩もするんですけど、喧嘩シーンより、本業の火消しに出かけるシーンがそりゃ圧巻でした。
全員が火消し姿で勢ぞろいし、火消し歌(正式にはなんていうのか知らない)を朗々と歌い上げる場面は本当にイナセで、かっこよくて、背筋がぞくぞくしました。
あのピンと張り詰めたシーンは、ぐだぐだが味になっている菊五郎劇団にはないものですね。

火消し以降、会津の小鉄(後で調べました。藤川矢之輔・大坂屋)と辰五郎の一対一の対決のシーンは、梅雀の台詞術を堪能しました。この人、本当に舌を巻くほど台詞が切れる
大歌舞伎にもここまで台詞の巧い人はいないんじゃなかろうか。

そうそう、きょうは楽なだけじゃなくて、前進座結成76周年記念日だそうです。
おめでとうございます!
今年は秋にやる前進座劇場の公演にも行きたいと思ってます。
すこしずつご贔屓も増やしますので長い目で見てやってください(誰に向かっていっているのか不明)

 

 


がっかりだよぉ!

2007-05-21 | monologue

NY法界坊、カンタは要助なんだね。

こないだの法界坊の山崎屋若旦那最高におかしかったのに!

NYでさんざんに笑われる三枚目をやるのは、やっぱり御曹司としてはまずいんだろうか。
そりゃ要助のほうがお役としては大きい役だろうけど、カンタの色男、
最近見飽きてるんだよぉ。
容色よくなってきたからって、パパ、同じような役やらせすぎ・・・

あるいはやっぱり激しい動きができないのか???

双面の女船頭はどうなの?どうなの?
せめてそれだけでもかなえてほしい・・・
って、考えてみたら要助は双面にも出るわなあ。
もうがっかりだよぉ!!!


歌舞伎座にはちらしがあるらしい。
きょう歌舞伎座に行ってる人の心当たりがあるのだが。

見ましたか?

 

追記。

おそらくこっちのほうがみんな知ってる、もひとつのがっかりについては、がっかりというより、やっぱりかな?

カンタや七までやってた(おそらく本人たちは無知蒙昧)ってのはちょっと
ショックですが。

 


お薦めVILLAその2

2007-05-20 | voyage

バリのフォーシーズンズは、あたしの中でもかなり気に入ったリゾートヴィラなんですが、そこに似た雰囲気です。
おしゃれすぎず、渋すぎず、本当に心地よい空間です。

画像は寝室。天蓋つきのベッドといい、天井の形状といい、本当にバリ風ですね。

リビングはこんな感じ。
                        リビングから見たテラスとプール。

和室もちゃんとありますよ。

深夜でも明け方でも、酔っ払ってても(ダメです!)
好きなときに飛び込める掛け流しの露天風呂。
これまたちょっとバリ風味です。唯一の欠点は、塀の向こうが道路らしく、車の音が
聞こえてしまうこと・・・まあここはバリじゃなくて千葉なのでしょうがないか。


HIDE AWAYにお薦めVILLAその1

2007-05-20 | voyage

どこここ?バリ? そんな感じのVILLAにお泊りしてきました。画像はうちらのvillaの夜景。ジャクージからプールとテラスを望みます。
大きな旅館の別館ということで、villaはわずか5棟のみ。

完全に独立していて、すべてのvillaに露天風呂(掛け流し温泉)、プール、ジャクージ、テラスが付属しています。
リビングにでっかいテレビとCD、DVDがあります。レンタルDVDは数は少ないですが、『やさしい嘘』があったり(借りました!)セレクトセンスはなかなか。

 笑っちゃうほど広い占有空間(120坪だそうです)、お部屋になんでもあるので、チェックイン後は、ほとんど放置しておいてくれるホテルライクな応対、夕食は別料金なので、節約も可能。

少食の人にも、勝手にでてくる豪華晩餐を避けられていいかも。こう(どう?)見えてけっこう少食なのです。

 

決して安くはない料金ですが、これだけの空間を独り占めできて、本館の大きなお風呂も利用できて、東京駅から直行バスで行けば交通費は往復5000円以下、と考えるとそこそこリーズナブルかも、と思ったのでした。

興味がおありでしたら詳しい情報はこちらからどうぞ。
ちなみにこちらの一番上の画像が、まさにうちらの泊まったvillaのテラスです。このほうがずっとよく見えますね!ってか、まさにこの通りでした。

昨年秋オープン、まだそんなに知られてないし、綺麗だし。
行くなら今がお薦めどすぅ。


文楽絵本太功記夜の部

2007-05-18 | spectacles

17日海の見えるヴィラ(そのうち自慢します!)にhide awayしてきました。

18日はなんとそのまま国立劇場に直行。文楽鑑賞というハードスケジュールです。
ご想像の通り、だいぶ「沈み」ました。

でも、昼の部より面白かった。
動きも多かったし、歌舞伎でもよく出る太十(尼崎の段)があったのも親しみを増したのかもしれない。子供が父親の首を切るなんて、妙にやばい芝居もあったり・・ちょっとした緊張感もありました。
なにより、出先直行で筋書きを持ってなくて、舞台に集中したのがよかったのかも。やっぱり分かる分からないは別にして、集中して舞台を観るのがいちばんですね!

今日は昼の部にも増して、下手よりだったので、義太夫さんが遠すぎ、人形中心に見ました。

やっぱり蓑助さん、すごいや。群を抜いてる。
人形のつくりがひとりだけ違うのかと思うほど、蓑助さん操る操のみが、人のように見えました。
勘十郎さんは、立役やるときは人相が変わりますね。ノーブルなお顔が、なんか凄みを増します。これから立役が増えれば増えるほど、ちょっと人相が悪くなりそうで心配だわ。
わりと好きな玉也さんが大活躍でした。いつも、悪役や赤っ面ばかり専門にやっている、ご本人も凄みのある方なんですが、今日の立ち回りは本当に凄みがあった。ちょっと怖いくらい。
文雀さん・・幽玄の境地なのでしょうか?一瞬舟漕いでましたよね。大丈夫?
あと、今日はじめて注目したのが玉佳さん。小芝居多すぎ。小芝居やる人、好きなんです。。。

大夫さんは、遠かったせいか、あまり迫力を感じなかった。特に楽しみにしていた住大夫さん、声に力を感じなかった。ちょっとお疲れ?
あたしは住大夫さんももちろん好きだけど、組むことが多い三味線の錦糸さんが大好きなのだということを確認しました。
蓑助さんじゃないけど、ひとり三味線のつくりが違う?と思うほど、太棹の音色が凄い。

あちこち意識を失いながらも満足した夜の部でした。

最近芝居の感想がどんどん簡単になっていくなあ。
読まされる(興味のない)人には楽でいいかもしれないが
本人的には反省。

 


スタパ勘ちゃん

2007-05-17 | passe-temps divers

出だしのスタジオ外の場面で、なんかおっさんがわめいてましたが、あれ、なんだったんでしょう。

とりあえず全体の印象は

あたしだけが知ってる←アホ
暗黒部分in Kantaをちょっとずつ小出しにしてきやがったな

 

個人的には

ちっちゃいとき、傘をわざわざおちょこにして、雨を溜めて帰ってきて
今日の雨はとってもきれいだったから、おかあちゃまにおみやげ!

っていったって話がツボでした。
「変わった子だった」という文脈の中で話されていましたけど、
あたしがおかあちゃまだったら、ほっぺたすりすりして、その雨は
永久保存だね。
子供は詩人だ!

あと、女形のしぐさと女らしいしぐさは全然違う。女形は男でも女でもない別の生き物だから真似するな、って言ってて、実に正鵠を得た発言だと思いました。
いつぞやの太一クンの「女らしいしぐさ」教室のときも、本当はそれ、言いたかったんだろうね。言わないところが大人。腹黒い。好き。

 

追記

5/2422時ダウンタウンDX(日テレ)
5/30ためしてガッテン(NHK)
にも出るそうな。
DTは・・・どうなんでしょ(微妙)

追記の追記

5/26 21時世界!ふしぎ発見(TBS)
6/16 12時バニラ気分(CX)

世界ふしぎ発見は本人好きそう。出来るかどうかは知りませんが。
うまいこと各局まんべんなく出ますねぇ。

 


文楽・絵本太功記・昼の部

2007-05-16 | spectacles

文楽、楽しかった!

 

というよりは、今回は「お勉強した」という印象が強かったです。

原因1.まったく見たことのない場ばかりだった。
歌舞伎でも見たことのないお話だったので、ついつい、プログラムと床本を追ってしまい、義太夫や人形に集中できなかった。

原因2.わりと地味な場面が続いた。
人形の派手な動きや、義太夫のものすごいクドキが比較的少なかった。

原因3.好きな大夫さんや人形遣いさんが出てなかったり、地味な役回りだったり。
住大夫さんは出てなかったし(夜の部のみ)、千歳大夫さんはけっこう地味だったし、勘十郎さんは立役だったし(女方のほうが好き)・・・

…ってことで、とりあえず絵本太功記の前段は見ましたよ、って感じの鑑賞でした。

いちばん印象に残ったのは、前からうっすら感じていたことですが・・・

鬼若という名前の文楽首(かしら)は、松緑さんに生き写し!(冒頭画像のやつです)
プロポーションだけじゃなくて、顔もそっくりだったのね、松緑さん文楽人形に。

ちなみに若男の首は若いころのパパに似てます。カンタももう少し丸顔だったら似てたかも。


まなざし

2007-05-14 | passe-temps divers

自分が歌舞伎の御曹司、しかも舞踊の名手という立場だったら。

あたしだったらどっか馬鹿にしてみてしまうと思う、早乙女太一、15歳の天才女形といわれる大衆演劇界のホープ。

やっぱり勘太郎はすごいや。
まったく馬鹿にせず、かといってびびるでもなく、ごくごく真剣に、まじめに、太一の踊りに見入ってました。

その視線に、久々に惚れました。
まっすぐで、衒いがなくて。とても美しかった。

ああいう普通のまじめな視線を、テレビ出演のときにできる、ってなかなか難しいことなんですよ。
馬鹿にしてみせたり、大げさに感心してみせたり、余裕でほほえんでみせたり、する人は一杯いるんですけどね。

やっぱ本物だわ、この人。

で、勘太郎の前で、「女らしい立ち姿」を堂々とやってみせる太一くんもすごいと思った。
たぶん勘太郎のこと、知らないんでしょうけどね
知らないものの強みってんでしょうか。ま15歳だしね。

一度舞台を観てみたいと思っていたのですが、
正直、もういいかな・・・
芸はないですね、まだまだ。こないだ見た竜小太郎のほうが数段上だと思います。
まあ妖艶な容姿はさすが、ではありましたけど。

なによりあたしにとっては「太一を観ている勘太郎のまっすぐなまなざし」を見られただけで、今夜テレビを見た甲斐がありました。


演舞場大歌舞伎昼の部

2007-05-14 | kabuki a Tokio

今月は歌舞伎座も演舞場も夜より昼のほうが当たり!みたいです。

鳴神

御簾が開いて、上人の後姿が見えたとき思わず心の中で「ちっちぇぇ~~」と叫びました。
染五郎ですから、本当にちっちゃいはずはなく、単に頭とか肩まわりが華奢で、細いからそう感じたのだと思いますが・・・
どうもその第一印象がぬぐいきれないままに終わってしまった感じ。
いや、がんばってたし、下手じゃないし、弱い喉も、今の所なんとか持ってるようだし、どこといって不満はないんだけど、なんというか・・・こういうのをニンにない、っていうんでしょうかね。
ひとつひとつの所作は綺麗だし、芝居は流れるようだし、本当に悪くはないんだけど、成田屋さんがやるような稚気あふれる愛らしさ(上人ゆえの世間知らずっぽさといってもいい)が、ないんだよね。処々に計算染ちゃんが見えてしまうというか。
愛らしさ、という点ではむしろ昨年だか浅草で見た獅童のほうがよかったかもしれない。
かといって、愛らしさをカバーする品格、芸格があるかといえば(たとえば三津五郎なんかはそういう上人だった)そこまでも行ってない。高麗屋の御曹司だから、今後もこういう役は必須なのだろうから、どちらかというと、三津五郎路線で、品格・芸格勝負していくしかないんだろうね。
三津五郎くらい実寸が「ちっちゃく」ても、芸がでかければ、立派な弁慶になるわけだから、染五郎も今後がんばってください。

絶間姫の芝雀は、なかなか愛らしくていい姫っぷりだった。クドキの台詞も見事だったけど、ただ、かわいらしすぎて、上人を策略でたらしこむ女には見えなかったなあ。夫との出会いを物語るところなんて、本当にそういうことがあったのよね、って感じだったし。でも、こういう絶間姫、好きです。亀治郎みたいにキャリアウーマン風だったり、玉三郎みたいに色気過剰だったりするのより、個人的にはいちばん好きかも。

黒雲坊の吉之助、相変わらず師匠そっくりで、あたしの○く○ご妄想は深まるばかり。
出がけにスッキリ!で特集されていた研修生あがりの京純クン、きょうはなんとか綺麗に返り落ちできていました。テレビで見た舞台稽古では、しりもちついたりしていたので、身内のようにドキドキしちゃいましたよ。京純クンたちについては、こちらでも触れてますので、復習したければしてください。

(演出についてひとつ思い出したので付記)

上人が酔いつぶれたあと、御簾の中に入るのではなくて、赤い消し幕を使っていたのは、どういう意図なのかしらん。絶間姫が中に入らないので「やってない」ってところをはっきりさせたかったのかしらん。
一階前方からは、消し幕が邪魔になって、注連縄を切るところがほとんど見えなかったので、個人的には御簾内に入ってほしかったですね。

鬼平犯科帳

原作は某外国でほかに読むものがないときにかなり読みましたが、テレビはまともに一度も見たことがないので、ほぼ白紙の状態。
テレビファンのひとはテレビのイメージと違う!とかいろいろあるんだろうなと思いながら、気楽に眺めました。
面白かったです。普通に。
歌六、去年の七月の山吹のときも思ったけど、歌舞伎以外のストレートプレイでも十分やっていける役者ですね。
普通に巧い
吉右衛門は悪いはずはない。ただ、もう中日も近いというのに、ところどころ台詞が怪しいのは困ったものだ。人間60過ぎるとそんなもんでしょうかねぇ。役の名前も間違ってたし。
後半ほとんど二人芝居で、ちょっとだけ今月歌舞伎座の若殿と泥棒を思い出してしまうような感じ。さすがに歌六が吉右衛門に抱きついても、BLという言葉は思い浮かびませんでしたけど
福助、姿は上品なのに笑いが豪快すぎ。いくら現代風に作ってるっていっても、武家の奥方ががははははとは笑わないと思いますが。
歌昇はいつものように器用。松江が不器用なのに一生懸命ひょうきんな役をやってるのがかわゆらしい。(玉ちゃんパパだから、贔屓目かも)。
というわけで芝居としては不満なく面白く見せていただきましたが、これって歌舞伎?という実に根源的な疑問が残ったのも事実。
特に、定式幕が何度も開け閉めされるたびに、なんだかとても違和感がありましたよ。少なくとも「大歌舞伎」と銘打っているのだから、この出し物以外にやるものはあったんじゃないでしょうか。
芝居としては面白かっただけに、違和感が、残念でした。

釣女

生で観るのは二度目なのですが、初回、大爆睡してしまい、ほとんど初見に近いです。
もっと面白い爆笑狂言かと思っていましたが、それほどでもなかった・・・
見所は歌昇の踊りの巧さと、錦之助の男っぷりくらいか。
吉右衛門の醜女は、醜女というより、せっちーのようでした。割とどこにでもいそうな丸っこいおばはん。で、歌昇とはけっこうお似合いで。
歌昇さん、贅沢いわないでそのおばはんでえーやん、と思っちゃいましたよ。
すんません。すんません。
あんまり好きな狂言じゃなかったです。
演者によってはもっと面白くなるのだろうか・・・