香川県から来たMさんを、新宿の料理屋さんに招待した。鯛、しゃこなど、瀬戸内海の新鮮な魚を出してくれる店である。
話が進み、酒が進んでも、Mさんは刺身にあまり手をつけない。生ま物は嫌いなのかな、せっかくこの人に喜んでもらおうと思って店を選んだのに、と思っていた……。
その席も終わりかけたとき、Mさんは遠慮がちに、ご飯をいただけますかね、といった。
やがて、茶碗に盛られたほかほかのご飯がくると、Mさんはご飯に集中した。鯛の刺身を一切れ、山葵(わさび)をといたたっぷりの醤油にひたし、ご飯にのせると、大きな口をあけ、ハフハフとかっこんだ。
そう、Mさんは、ご飯のために、刺身を残していたのだ。
だいたい、塩辛にしてもタラコにしても、酒のつまみになるものは、ご飯のおかずにもあう。刺身もまた、極上の「ご飯の友」なのであった。
2001.3.30
話が進み、酒が進んでも、Mさんは刺身にあまり手をつけない。生ま物は嫌いなのかな、せっかくこの人に喜んでもらおうと思って店を選んだのに、と思っていた……。
その席も終わりかけたとき、Mさんは遠慮がちに、ご飯をいただけますかね、といった。
やがて、茶碗に盛られたほかほかのご飯がくると、Mさんはご飯に集中した。鯛の刺身を一切れ、山葵(わさび)をといたたっぷりの醤油にひたし、ご飯にのせると、大きな口をあけ、ハフハフとかっこんだ。
そう、Mさんは、ご飯のために、刺身を残していたのだ。
だいたい、塩辛にしてもタラコにしても、酒のつまみになるものは、ご飯のおかずにもあう。刺身もまた、極上の「ご飯の友」なのであった。
2001.3.30