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興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

刺身とご飯の出会い

2006-03-04 | チラッと世相観察
 香川県から来たMさんを、新宿の料理屋さんに招待した。鯛、しゃこなど、瀬戸内海の新鮮な魚を出してくれる店である。

 話が進み、酒が進んでも、Mさんは刺身にあまり手をつけない。生ま物は嫌いなのかな、せっかくこの人に喜んでもらおうと思って店を選んだのに、と思っていた……。
 その席も終わりかけたとき、Mさんは遠慮がちに、ご飯をいただけますかね、といった。
 やがて、茶碗に盛られたほかほかのご飯がくると、Mさんはご飯に集中した。鯛の刺身を一切れ、山葵(わさび)をといたたっぷりの醤油にひたし、ご飯にのせると、大きな口をあけ、ハフハフとかっこんだ。
 そう、Mさんは、ご飯のために、刺身を残していたのだ。


 だいたい、塩辛にしてもタラコにしても、酒のつまみになるものは、ご飯のおかずにもあう。刺身もまた、極上の「ご飯の友」なのであった。
2001.3.30

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