興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

「有銭無罪 無銭有罪」

2018-08-25 | 随感・偶感・歳時感

先日、韓国の連続テレビドラマ『恋のスケッチ~応答せよ1988~』を観ていたら、「有銭無罪 無銭有罪」(유전무죄 무전유죄)という、対になった四字熟語が出てきた。(第3話)

ちょっと興味をそそられたので、メモしてネットで調べてみると、「おカネがあれば罪がなく、おカネがなければ罪がある」という意味で、1988年にソウルで起きた「チ・ガンホン事件」をきっかけに、韓国国内に広く知られるようになった言葉という。

チ・ガンホン事件とは、1988年10月16日、窃盗犯チ・ガンホンら受刑者が脱走し、人質を取ってソウル市内の民家に立てこもった事件である。
560万ウォンを盗んだ罪で7年の懲役とそれに加え10年の保護監護刑判決を受けたチ・ガンホンは、同時期に76億ウォンを横領したのに7年の懲役にとどまった全斗煥大統領の弟の判決を不服に思い、脱走に及んだという。

当時韓国の国民の中に、金持ちや権力を持った者には求刑や判決が特別にあまくなるという、「司法の不公平さ」に対する不満があったようで、それ故「有銭無罪 無銭有罪」という ‘対比’ を強調した四字熟語が広く共感を呼んだのであろう。

今の日本であれば、「仲間優遇 対立冷遇」など、共感を得られるのではないか。
日本では今、組織の長・責任者といわれる人々の、「責任者としての在り方」がアチコチで問われている。

この言葉をそのまま韓国語に訳すと、 친구우대 대립냉대 となる。

2018.8.25

*上の写真はノアザミ。本記事と関係ありません。



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