“空き家”が街をむしばむ
元々が戦争中に空襲がなかったためとも言われている
せんそう(争い事)と言ったら・・
お年寄りは・・
前の戦とは応仁の乱のことを指す。
最も基本で重要なのは、
空き家をこれ以上、増やさないということがベースにあるべきだと思うんです、
日本ではとにかく新しい住宅をたくさん建てるということを、ずっとやってきました。
人口が減り始めているんですが、
まだ建てるということをやっていますので、
空き家がまだまだ増えるんではないかという懸念があります。
●“空き家”急増の裏舞台
戦争が終わって、1970年代ごろまでは日本は住宅、本当に足りなかった。
住宅が全然足りないので、とにかく新しい住宅を建てるということをやりました。
1980年前後、だいたい住宅の数と家族の世帯の数が一緒ぐらいになりました。
ところがその頃になりますと住宅建設を経済対策に使うようになりました。
ですので、80年代、バブルがあって、それが崩壊しますと、
住宅をまたたくさん建てましたし、
リーマンショックで景気が悪くなりますと、
また新しい住宅を建てるように誘導するという政策が続いたんですね。
その新築をとにかく建てるというシステムから、
なかなか抜けきれていないというのが現状だろうと思います。
日本では、なんて言いますか、住宅を建てて大事に使って、
中古住宅を大事に使って、長く住むという感じではなくて、
皆さん、やっぱり新しい住宅を求めるということがあるんですね。
日本の住宅は非常に寿命が短くて、大体30年持って40年っていわれております。
ですので、寿命の短い住宅をたくさん造って、
それがだめになって、また造って、
寿命が短くて、また造ってということをずっと繰り返してきて、
その結果、空き家がたくさん残ってしまったというような現状です。
せっかく建てた建築物の価値が、積み上がっていくような仕組みになっていないんですね。
とにかく新しいものを建てて、経済を回すということをやってきました。
●ではどうする?これからの住宅
もうすでにその(新築によって経済を回そうという)条件がかなり崩れてきておりまして、
1つはやっぱり人口がもう減り始めたと。
人口だけじゃなくて、世帯の数ももうすぐ減り始めます。
それからあと若い世代の経済力がだいぶ昔に比べますと落ちておりますので、
新しい住宅を購入できる方々の数は減っていくだろうと思うんですね。
ですから、新築住宅をたくさん建てようとしましても、
その条件がだんだんだんだんなくなってくるだろうというふうに思います。
もうすでに膨大な空き家があるわけですけれども、
このうち使えるものは、きちっと手を入れて使うと。
これはことばは悪いですけれども、
どうしようもないかなというものは、
撤去するというような仕分けを速くして次の段階に進めて行くのがいいと思います。