「京都、したはりますか??」
シリーズ4
真綿で首を締める的、京都の防寒術。
火を使うより、
知恵を絞る。
春先の窓辺にいるように部屋を暖め、
冬でも薄着で過ごせる現代人ですが、
ほんの数十年前までは、
室内の暖房というよりは、
めいめいが自分の体温と相談しながら
細やかに衣服を着分けて調整していたものです。
例えば子どもは、
冬は毛糸のセーターや
女の子は毛糸のパンツを着用させられ、
お父さんは駱駝のパッチを穿いて、
子どもも大人も家に居るときは
綿入れのちゃんちゃんこを
服の上から着込んだりしていました。
隙間だらけの京町家は屋内といっても
何処からとも無く冷気が染み込んで、
家の中に居る方が「京の底冷え」の辛さを痛感したものです。
ですから、
着物で過ごした女たちは
真綿を襟や腰に巻いての越冬の知恵を。
首や腰を暖めると
体全体が暖かくなるからなんですねぇ~
「真綿で首を締める」とは、
優しい言葉の中に
心に棘を持った京おんなの悪口として
よく使われる言葉ですが、
女たちは
当にその真綿の保温力に与っていた訳です。
多彩な物が溢れる現代ならば、
さらに知恵の絞り甲斐のある
防寒の知恵と工夫が有るのかもしれません。