「正欲」
朝井リヨウ 著
マイノリティとマジョリティ。
いつの時代も対立する二個体が存在する。
そのなかで性から見たマイノリティ。
そのマイノリティからの多様性。
考え深かったのが、
多様性を認めていくマジョリティが膨れていくごとに、
マジョリティが増えていくこと。
この逆説のようで当然の結末。
寺井啓喜、検事、妻子。桐生夏月、寝具店勤務。神戸八重子、大学生。
後にでてくる三人それぞれの繋がっているひと。
心が鎖で縛られている。
それは社会にか、それともあなたにか、
それとも自分自身にか。
それでも感じる人の重さ。
重さとは実際に体感する、
体重と体温と感触の大切さ。
生き延びるために。