「最果てアーケード」
小川洋子 著
それぞれには居場所がある。
そこで待っている”物”たち。
見つかり難いアーケードには、
静かに待っているたちが溢れている。
想いのつまったものが落ち着いて座っている。
広い場所、狭い場所、ちょうどいい空間、
そのどれもがゆったりとした窮屈にならない心地。
空間にいる”私”。
私は大家。
レース屋、読書休憩室、義眼屋、輪っか屋、紙店、
ドアノブ専門店、勲章店、遺髪専門のレース編み師。
この物語は時間の流れが止まっている、そう感じた。
切り取られた断片がそうさせているのだろう。。