余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

芸術

2021-04-13 00:22:39 | 雪の島の詩
見て 触れて
聞き 食べ
嗅ぎ 感じる

確かにそこにある何かを自分の中に取り込み
眠っていた感覚を覚まさせてあげる
起き上がる感覚は個としての生き方を強くさせ
大地から大空へ
足の先から頭のてっぺんへと
徐々に力に満ちた風が舞い上がってくる
舞う風は渦となり
幾つもの扉を開け放っていく
突き動かされる感情の波
治まることを望みながら
それでも鼓動は大きく速く叩かれる
激情の風景が目の前に広がる

穏やかな景色
激情の中にありながらも只ある
凛とした
それでいて少し儚げで
緩やかな風が前から後ろへと流れ
全身を優しく撫でてくれる
ともすれば宙をかろく浮いたり
危うく引き込まれそうになったり
経験と直感が飛び出てくる
何かは確かにここにある

己の魂に問い掛け
自然と映り込む風景
瞬間の忘れな場面は一瞬にして通り過ぎ
忘却の人でも掴み取ろうと
細胞で包もうとする

色あせる? そんなことない
情熱の炎で作り上げていくものは
時と共に色あせることはなく
夢中で向かい合う魂の揺らめきに
そのものは呼吸の間隔を刻んでいく

誰のため? 分からない?
感情を両頬いっぱいに頬張り
手ですくった透き通りの水で流し込んで
研ぎ澄まされた感覚が
一人勝手に動きだす
想像と映り込む現実を程好く空間におさめ
自らの中にある無名の魂を注ぎ入れ
きらめきは創り込まれる

与えられ 与え
何かは必ず生まれていく

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