「身の上話」
佐藤正午 訳
古川ミチルは書店で働いている。
ミチルには恋人がいる。
恋人のほかに好きな人がいる。
ひょんなことから宝くじを買う。
その宝くじには二億円の高額当選。
そんなことは露知らず成り行きに起こす行動が、
人生の展開を次々とめくっていく。
その次々の展開は綱を渡る風を受けながら。
高額当選の人に渡される、
その日から読む本に目を通しながら、
ゆく先は風に押されて自我を夢みる。
ストーリー展開がやっぱりおもしろい。
宝くじはちょっとの趣味となっている。
そう、夢を見ながら。
いまの時代に風邪をひくのは大変だ。
とてもとても。
なにを気にしていいのか分からないくらいに。