余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

私のことならほっといて

2024-04-07 23:03:02 | マイブック(た)
「私のことならほっといて」
      田中兆子 著

読みごたえ抜群だった。
7つの短篇はエロスに満ちながら、
なまめかしさの秘密をまとっている。
その秘密には鍵がかかっていて、
誰も見ていないか確かめた後にそっと開けて見てしまう。
そんなドキドキ感がどの短編にもある。
触れられる夢の欠けらによって、
現実との境界線で脚がもたげている。
そう家には夫の左脚があると。
そして夫の左脚と格闘する。
田中兆子に魅了される。

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