「長いお別れ」
中島京子 著
認知症になった男、東昇平。
その妻曜子、娘三人。茉莉、菜奈、芙美。
物語の導入部分が印象的にはいる。
遊園地の回転木馬にのりたい女の子の姉妹。
どうしても乗りたいが子供だけでは乗せてくれない。
どうしよう・・・、そこに・・・。
とても大変だ。
認知症になった人を介護するということ。
身近に感じるようになったこともあるが、
食事、入浴、排泄、徘徊、もろもろと。
朝昼夜。
分かっていようとそこで生まれるストレス。
ロンググットバイ。
長い時間をかけて別れていく症状。
認知症になった当人は時に理解をしている。
忘れていくこと、忘れていること。
遠くになっていくことを。
中島京子のおかげで時折の優しい触れ合いの
ほほえみにふれられて、人の生きるということの。