余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

ニュータウンは黄昏て

2022-04-06 23:08:27 | マイブック(か)
「ニュータウンは黄昏て」
      垣谷美雨 著

興味深くおもしろかった。
どんな主題かといえば分譲団地。
バブル崩壊直前に購入したニュータウン。
そしてバブル崩壊し残ったローン。
著者の実体験もまじえて語られる物語は、
お金というものを考えさせられる。
主軸は織部頼子と娘の琴里。
話しは次第にあやしい方向に導かれ・・・。
お金は生活に直結する。
生きることに、日常に、私という感情や姿勢に。
死生観に。
数字が踊る。
そこにドリームは入り込めるのだろうか。


戦争や難民もまたお金に左右される。
お金ははたして存在するのだろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ひまが好き

2022-04-06 22:40:46 | レターの膜(短歌)
ひまが好き
昼寝が好きで
欠伸した
涙目で請う
おいでよおいで
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「寒いね」と

2022-04-06 22:39:14 | レターの膜(短歌)
「寒いね」と
「寒いね」とでね
ほほえみが
冷えた頬の
色付く体温
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

飛族

2022-04-06 22:32:47 | マイブック(ま)
「飛族」
      村田喜代子 著

ぼくらは飛べるのだろうか。
淡いのなかで。

島の物語り。
ウミ子の母は島にいる。
ウミ子65才。母のイオ92才。
島には三人の老女がいる。
そのひとりが亡くなり、いまはふたり。
ふたりの老女が島で暮らす。
母を連れて帰りたいが、もうひとりの老女が取り残される。
葛藤のなかで、母は島に残り続けたいだろう。
もうひとつ島という特性が如実に表される。
海や空の途方もない深さと、国境というすれすれの危うさ。
台風の来る嵐の描写は圧巻だった。
鳥は空を飛ぶ、
また鳥は海を泳ぐ。
ウミ子の妙のエロティックと、海を潜るまなざし。

僕らは飛べるのだろうか。
淡いのなかで。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする