海はそばに
ないけれど
潮の匂い
あなたの少女へ
ラブレターを
日向の匂いのする君は
秘密の宝物を持っていて
大事そうに抱えているけれど
キラキラ光る宝物は
みんなにすぐにばればれの
暖かな秘密のおくりもの
海の香り 潮の香り
君と僕との思い出が香りとなって
風となって吹かれていく
飛んでゆけ 飛んでいく
僕と君のとろけそうな空間は
甘い蜜蜂となって飛んでいく
運ばれて 種子のように
シャボンの泡の思い出で
僕が消えていってもさ
微かな甘さは残しておくから
どうか僕を忘れないで
僕らは気付かない間に
大人になったんだ
年相応の人間になったんだ
戻れない時を思い返して
あの頃の僕らが懐かしいね
君は変わらないけど
変わったんだね
私はあなたに恋をした
あなたに愛って何って聞いた
私を愛しているのと聞いた
私が必要だと言ってくれた
あなたに選択肢をあげた
悲しみと絶望の選択肢を
あなたは笑っていた
私はバーカと言った
あなたは次の日
湯船に顔までつかっていた