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忘れ物の中身

 重いトランクを持って地下鉄の階段をエッチラオッチラと上り、外に出ると雨。この時ばかりはタクシーでホテルに行かなかったことを後悔した。泣きたくなるような気持ちでトランクを引きずりホテルの場所を探した。幸いホテルは地下鉄人民広場駅から5、6分の距離で、交通整理をしている人に尋ねるとすぐ分かったので助かった。

 チェックイン後、フロントで事情を話してリニアの事務所に電話をしてもらう。しかし、「もう誰もいない、明日の朝8時半から開くから電話して下さい」とフロントの女性はすげない。この辺は日本と違ってなんとか連絡してやろうなどという素振りすら見えない。初日から大アクシデントに見舞われ落ち込む私に同行者が一生懸命慰めてくれるが、どんな言葉もむなしく聞こえる。

 問題はリュックの中身である。ノートパソコンにデジカメ、メガネが2つ、デジタル録音機、現在執筆中の資料etc。いつも仕事道具一式と書きかけの原稿資料は常に持ち歩くのが私の癖である。それが今回は裏目に出てしまった。

 激しい自責の念に駆られたが、それにはある理由があった。実はリュックの中に妻の遺骨も入っていたのだ。
 妻が他界して4年。生前ほとんどどこにも連れて行かなかったので、せめてもの罪滅ぼしと思い、遺骨を小さな入れ物に入れ上海まで連れてきたのだ。いくらなんでも1人異国の地に置き去りにすることはどんなことがあってもできない。
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