まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

タンポポ

2013年04月06日 | 日記

本日の主役は「タンポポ」である。
そう、道端に咲いているあの黄色いタンポポである。

桜はあらたか散ってしまったけれど
タンポポは「これからが俺の季節だ!」言わんばかりに咲き始めた。
道端で、空き地で、川の土手で、時にはコンクリートの隙間でも力強く咲いている。
だれも見向きもしない雑草あつかいの花ではあるが
私はこの花が意外に好きで、タンポポを見ると、ああ春だなあ・・・と思ったりする。

タンポポの生命力には定評がある。
雨が降ろうが槍が降ろうが爆弾低気圧がやって来ようが
いささかも怯むことなく逞しく咲き続ける。
時には足で踏みつけたって平気な顔で地面に這いつくばっている。
まことに持って偉いやつだと言わねばならない。

昨夜、ビールを飲みながらぼんやりテレビを見ていたら・・・
海外の様々な「辺境の地」と呼ばれる場所で生きている日本人の話をやっていた。
その中に中東ヨルダンの砂漠の真ん中で暮らす日本人女性がいた。
ヨルダン人の夫と国際結婚してイスラム教徒となった彼女は
質素な暮らしながら、3人の子供にも恵まれ、夫とラブラブ状態であった。
その彼女が家の前の砂地に咲く真っ赤な花を見ながら・・・

   私、砂漠に咲く花が大好きなんです。水をやらなくてもたくましく咲いている。
   誰にも見られなくても、黙って健気に咲いているでしょう。

それは彼女自身の生き方のようにも思えてグッと来た。
タンポポもそういう花だなあ思う。



そう言えば、もう20年以上も前の話になるが・・・
伊丹十三監督の「タンポポ」という傑作コメディー映画があった。
売れないラーメン屋を立て直す話だったが、覚えている人はおられるだろうか。
映画で主人公のラーメン屋の女主人「タンポポ」役に扮していたのが
伊丹監督の奥さんで女優の宮本信子さんだった。
伊丹監督は亡くなられたが、宮本さんは今でも時々、映画などでお見かけする。
いつくつになっても可愛らしさを失わない素敵な女性だ。
私はタンポポというと決まって宮本さんの笑顔を思い出してしまう。

ところで・・・
そこらへんにいっぱい咲いているタンポポは
ほとんどが「セイヨウタンポポ」と呼ばれる外来種であるらしい。
日本古来のタンポポは外来種に押されてしだいに姿を消しつつあると言うが・・



公園の一角にカントウタンポポの自生地がある。
カントウタンポポは日本の貴重な在来種で周囲から保護されているのだ。

柵で囲まれた自生地には・・・あれ、咲いていない!
花期が遅いのかと思って注意して見ると・・おお、あった、あった!

これが「カントウタンポポ」である。
ポツポツと数えるほどしか咲いていない。
何となく品があるような気もするが違いがよくわからない。

こちらが「セイヨウタンポポ」だ。
説明書きによると、花びらが下に反りかえっているのが特徴らしい。

カントウタンポポは花びらが反りかえらずピーンと真っすぐに伸びている。
微妙ではあるが、おわかり頂けただろうか。

誰にも見向きをされず踏まれながら生きているセイヨウタンポポ。
広々とした保護区で大切に見守られて育つカントウタンポポ。
同じタンポポでも偉い違いだが、特に異議を唱える気持ちはなかった。(笑)