小樽の兄貴、みーさんとの約束まで、まだ時間があったから、一風呂浴びようとネットで検索。すると、ホテルからわずか数分のところに、「柳川湯」という銭湯があるのを発見した。
小樽市内の銭湯は、これで3度目。
初めての銭湯は約20年前、あれはどこぞの温泉だったか。もはや名前も思い出せないほど、記憶がおぼろだが、銭湯内にはロシア語でいろいろと注意点が書かれていたことはよく覚えている(「お風呂さすらい」未収録)。次に入ったのが、「神仏湯温泉」。この記事は今でもアクセスが多い。個人的にも忘れられない名湯だ。
そして、今回の「柳川湯」。
古びたピンクの建物は、和風建築ではなく洋風。だが、かなり古い建物に見えた。
富士山が染め抜かれた暖簾をくぐり、中へ。番台を守るおじさんに440円を支払い、脱衣所に入った。
新聞記事の切り抜きが壁に貼られていた。
それによると、「柳川湯」は大正11年開業という。大正11年といえば、もうほぼ開業から1世紀。浴室などは改装を行ってきたようだが、外観は今も当時と変わらないという。なんともものすごい銭湯なのだ。確かに、古い外観を残しているが、まさか約1世紀前のものとは。当時は随分モダンな建物だったと想像できる。ちなみに先ほど番台にいたおっちゃんは5代目。由緒正しい風呂屋なのである。
浴場も風変わりだった。浴槽が浴室の中央に位置するアイランド形式。大阪や京都で見かけるものの、東にはなかなかない。
浴場の壁はペンキ絵ではなくタイル絵。富士山の絵がこぢんまりと貼られている。
夕刻の日射しがまだ残る中、浴場はそれほど賑やかではない。ゆったりと湯船に浸かり、ゆっくりと体を弛緩させる。湯はかなり熱く、44℃くらいだろうか。
気持ちいいなぁ。
知らない土地のひなびた銭湯。心も体も無防備に。これが旅の醍醐味なんだと思う。
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