カープのクライマックスシリーズファイナル進出が決まった。3塁側の席は西陽を直接浴びて、暑くしんどかった。2-2のタイスコアになった時は延長戦も覚悟したが、すんなりと勝った。これで広島での観戦歴は4連勝、このまま死ぬまで勝ち続けたい。
早く一人で祝勝会をあげたかった。
どこに行こうか、いろいろ調べたことは言うまでもない。カープOBのお店を調べたり、お好み焼きの名店を検索したり。
カープOBの店はいつも訪問機会を伺っている。6年前、「カープ鳥」を訪ねた。残念ながら、閉店直後についてしまったが、木下富雄さんとハグすることができた。「カープ鳥」は長内孝さんの店舗もある。
今回調べていて、おっ! と思ったのが山本和男さんのお店、「焼肉・ラーメン かずさん」。山本和男さん、お元気なんだと嬉しくなった。カープの1980年代を支えたリリーバーである。スリークォーターから投げる左腕は貴重で、感覚的には毎日投げていたように思う。しかし、焼肉とラーメンのお店って、どんなんだ?
そしていつも気にかけていたのが、水沼さんのお好み焼き屋さんだった。いかんせん、水沼さんも高齢で。しかし、そのお店も随分前に閉店し、その後食堂にスイッチしたことを聞いた。だが、そのお店も2015年以降、情報が途絶えた。
さて、今宵はどうするか? 「かずさん」に行きたいが、若干距離がある。それとも行き当たりばったりでいこうか。
ズムスタ近くの「カープ鳥」は球場帰りの人でごった返している。とりあえず、ホテルにチェックインしてどっかに行こう。ホテルに向かう途中、焼肉・ラーメンというお店を見た。もしかして広島では焼肉・ラーメンというジャンルは普通かもしれない。
ホテルで近所の立ち飲み屋を検索すると、かなり近いところに立ち飲み屋があることが分かった。早速行ってみたが、よく分からなかった。ならば、広島駅の方に行ってみるか。駅周辺で酒を飲むのは13年ぶりである。その当時行った、お好み焼きの「ゆうゆう」があった。まだおばちゃん、お元気か。
「ゆうゆう」の正面がなんだか賑やかそうなエリアだった。立ち入ってみると酒場がぎっしりと軒を並んでいる。その風景は壮観だった。通称エキニシと呼ばれているらしい。13年前、このエリアを歩いたか覚えていない。印象にないというのは、きっと立ち入ってないのだろう。13年前、自分はまだ30代だったから、まだビビっていた頃である。
エキニシは歩いているだけで楽しそうだ。立ち飲み屋も何軒かある。すぐさまそのお店に入ろうとしたが、やめた。もうちょっとこのエリアを見てみたい。どのお店もカープのユニを着た人らが祝杯をあげていた。
さてどこにしようかと一軒一軒覗いていたら、戸が半開きになっているお店があった。店内が見えてお客さんは立っている。立ち飲みか。その立ち飲んでいる人の向こう側に鉄板が見えた。え? 鉄板焼きの立ち飲み? もしかしてお好み焼きもあったりして。
広島に来たからにはお好み焼きも楽しみたいし、立ち飲みにも行きたい。もしやその2つの望みをいっぺんに叶える店か!
お店に入った。お客さんにつめてもらい、立たせてもらった。自分を除いて5人のお客さんがいた。一人を除いてスタジアムで観戦してたらしい。話題はもちろん今日の試合だ。
さて、何をいただこうか。ドリンクメニューはビールに酎ハイ。これらは缶で供されるらしい。あとは日本酒だった。今日はもうビールを2杯飲んだから、酎ハイをいただくことに。
「甘くないのがいい?」と大将に尋ねられ、「うん」と言ったら、「氷結」のレモン・無糖が出てきた。ま、いいか。
店内には2つのグループがあった。自分はその真ん中に入ったのだが、当然自分は孤立した。カープのユニはホテルで脱いできているので、店内の人は困ったのだろう。この客はカープファンなのか、はたまたDeNAなのか、それとも何者でもない一般人かと。
店内にはテレビがあり、番組はカープの話題一色だった。何度ま試合のVTRが流れ、その度に店内は大騒ぎになった。そして自分も少なからず喜んだ。そうして自分もカープファンだとアピールした。
「氷結」を速攻で飲み干し、次は日本酒にチェンジ。銘柄は忘れたが、地元広島の酒だった。
つまみをどうするか。メニューを眺めていたら、聞きなれない料理があった。
「せんじがら」。
お店の大将に聞いたら、ホルモンの塩焼きだという。すかさず、それを頼んだ。大将が鉄板で焼いてくれる。
一口いただく。
うん、うまい。素朴なのが逆にいい。
やがて、またカープファンのカップルが入店し、さらに店内のボルテージは上がった。
自分は2杯目の日本酒のおかわりと同時にお好み焼きをオーダーした。具材はうどんで。目の前で調理されるお好み焼きを見ながらワクワク感が高まる。
これを立ち飲みで味わえるのだから素晴らしい。そして立ち飲みが故に、知らない人との話しが盛り上がる。
お好み焼きは大満足の一品だった。確かに有名店の方がおいしいかもしれない。でも、楽しいおしゃべりとおいしいお酒で、お好み焼きは最高だ。
楽しい夜だった。忘れられない夜になった。
次は日本シリーズで再訪したい。
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