地上17階、天空の学食。
眺望だけでも特筆に価する。
目の前には三井住友海上の本社ビル。かつて、あのビル最上階の会員制バーに入ったことがあるが、それよりも眺めがいい。
リバティータワー。
明治大学創立から100有余年。自由を勝ち取った証が屹立する。
入口を抜けるとおよそ学校には見えないその空間。インテリジェンスビルの学舎。
中央の突き刺さるような階段は、洋館を思い起こす。
しかしながら、学食の「レストランスクリプト」はどこの大学においても難しい。
注文の仕方すら分からない。
例えば、早稲田のカフェならば口頭で伝えるのだが、明大スカイラウンジはそうではないらしい。
周囲の人のやり方を見ていても分からなかったから、とうとう厨房のおばさんに聞いた。
すると、般若のような顔で、台上の札を指さし、「欲しいメニューの札を出す」という。
分かりにくい。このスクリプトは極めて分かりにくい。
リバティータワーの中で繰り広げられる超アナログの対応。
しばらくして、カレーがわたしの手元に運ばれ、それを持って中央の会計に。
このカレーの海に3つの島からなる、豊穣なカレーが僅か520円である。
器がトレーではないかと思わせる、この巨大なカレーを、たった今、バリウムを飲んで胃を膨らませた中年が完食できるかおおいに疑問だったが、スプーンを握り、いざ食べるモードのスイッチが入った途端、まるで海を吸い上げるリバイアサンのように、ボクはカレーを貪った。
まるで、倉本聰脚本、ドラマ「ライスカレー」の陣内孝則演じるアキラ。誰が演じたか、その母のように。
だから、もしかするとカレーの完食と同時にボクも絶命するかもしれない。
だが、カレーの海に浮かぶ「ひょっこりひょうたん島」の量はハンパではなかった。
ご飯一山が230gあるという。したがって、トリプルだと690g。ご飯だけで2合強もある計算だ。
これで僅かに520円。
すごすぎ。
だが、何故トリプルなのだろう。トリプルにはどのような意味が込められているのか。
どなたかご存知の方は是非教えて欲しい。
ともあれ、この豊かなるカレーの海にまるで溺れるような気持ちになるトリプルカレー。
天空の学食で海を見る。「トリプルカレー」の魅力はその征服欲をかき立てるエロティックなほどの3つの山にある。
ボクのバリウムに満たされたお腹の中に、すっかりとこの大海が納まってしまった。
劇団ひとりならその見事なお腹を出してこういうだろう。「もうパンパンですよ
」と。
この御飯の量、そしてカレーという高カロリー食品は、正に致命的なメタボフードと言えるね。(苦笑)
体育会系の学生のみに許され、楽に食すことのできる食べ物であるなあと思ったよ。
それにしてもそれを完食する師。おっさんながらやるねえ・・・、っていうか、おっさんが故に完食なのかもしれないね。(笑)
しかし、学生なのにスカイラウンジ系。おっさんマキシマムな俺は、時代の流れをしみじみと感じたよ。
だから、食後は本当にお腹がパンパンだった。
しかし、学食っていいなぁ。
あの非日常性がいいんだろうな。
師も行ってみたらどう?
例えば佛教大学とかの学食とか。
精進料理だったりして。