「BBB」

BASEBALL馬鹿 BLOG

居酒屋放浪記NO.0147 ~立ち飲みラリー!北区へ突入!~「扇(せん)」(北区田端)

2007-11-20 13:38:36 | 居酒屋さすらい ◆東京都内
 その日、わたしは立ち飲みラリーに出ようと思っていた。
 前回、西日暮里駅で終えた立ち飲みラリーの続きだ。
 自宅の最寄り駅まで、ひたすら歩いて立ち飲み屋を制覇する企画、立ち飲みラリーは、いよいよ北区へと突入するかと思われた。
 だがその日、「ボクも行きますよ」と背後で声をかける輩がいた。
 その野太い声の主は会社の同僚T根川君だった。
 声をかけられちゃ、「イヤ」とは言えん。
 行く店もある程度、アタリをつけているから、一緒に飲むことにした。
 本来ならば、前回終わった駅から徒歩で現地に向かうのが慣わしとしていたが、T根川君にそれをつき合わせるのも悪いナと思い、現地の最寄り駅で下車することにしたのである。

 アタリのつけていた店とは安達屋酒店という小売の酒屋の裏にあるという立ち飲みコーナーである。東京新聞の土曜日版最終面で連載されている「TOKYOどんぶらこ」に、そのような記述を発見し、田端駅では、真っ先にこの店を訪ねようと思っていたのだ。

 結局、T根川君に、その相棒であるA藤君を含めた3人で山手線に乗り、我々はその店を目指したのである。
 間違って田端駅の南口に降りてしまい、我々は急峻な上野台地を駆け上がって、酒屋を目指す。すると、10分もしないうちにその店は見つかった。
 お店はまだ開いており、お客さんも中にいた。
 我々は中を窺ったが、立ち飲みスペースは見当たらない。
 その店は角に面していたので、道を折れて文字通り店の裏に回ってみると、白い提灯を下げた居酒屋らしい店を見つけたのであった。
 見たところ、酒屋と建物も対をなしているようで、どうやら東京新聞に書いてあった店はここを指していることで間違いなさそうだ。だが、立ち飲み屋らしい開放感はなく、店のドアは閉ざされたまま。微かにドアが開いており、その狭い隙間を覗くと、数人の客が飲んでいるのが見える。だが、お客はちっとも立っていないのだ。
 「T根川君!ここ立ち飲みじゃないゼ!」
 T根川君も黙って、中を覗く。
 「ホントだ!」。
 一同、「どうする」ってことになったが、ひとりのときなら、わたしは迷わず他の立ち飲みを探しに再び歩き出したことだろう。だが、立ち飲みラリーとは関係のない若者と一緒なのだから、ここはこの店に入って楽しく飲むのが一番じゃないか。この店と出会えたのも何かの縁だろう。
 そうやって、我々は店にはいることにしたのである。
 
 店は6畳間ほどの小さなものだった。
 右手に厨房。それをカウンターがカバーする「コの字カウンター」。
 カウンターは白いコーティングが張られ、頭上の蛍光灯が眩しい。このため、店内は極めて明るく、目が痛い。厨房もピカピカ光っていることから、店はまだ開店して間もないようである。
 お店の主は陽に焼けた顔が逞しいおじさんと中年の女性が切り盛りしている。

 既に2人の酔客が酒を飲んでいた。
 一人は爺さん、もう一人が落語家のどなたかにそっくりの中年男性だ。どちらも、ご近所の方のようでフラリと寄ったあんばいである。
 我々は着席して生ビール(450円)を1杯ずつ貰うことにしたのである。

 3杯目のビールをお店のおばさんが注いでいると、サーバーから突如ゴボゴボと音を立てて、泡が吹き出た。どうやら、タンクの生ビールが空になったらしい。
 はじめの2杯はそれぞれ若手に配ったので、今トラブルに見舞われているビールはわたしのものということになる。
 おばちゃんの必死の復旧作業によって、無事、続きのビールが注がれたが、とにかく泡だらけになってしまった。T根川君のビールは8:2でビールと泡の均衡が見事に保たれているが、わたしに運ばれようとされるそれは6:4でとにかくいびつだ。わたしは、はじめそれは運ばれてこないと思っていた。それはもう商品とは呼べなかったからである。タンクの泡を落ち着かせて、もう一度おばちゃんは注ぎなおしてくれるものと思っていた。だが、おばちゃんはその不完全なビールをわたしの目の前に置いたのである。何の躊躇もなく。さも、それが当然であるかのように。T根川君とA藤くんに注がれたビールとは明らかに違う、その飲み物を。
 わたしは一瞬、「代えてくれないか」と言おうと思った。
だが、喉まで出かかったその言葉を飲み込んだ。「大人の対応を」と言い聞かせたが、ただ単に小心者なだけである。

 ともあれ、我々の前にビールが並ばれた。
 なんとなく、わたしの不満を彼らも薄々気づいてくれているようだった。
 ビールが出てくるまでに要した時間は約10分。
 ウチの社長なら完全に怒っている場面である。

 乾杯をして、つまみを頼む段になった。
 目の前にあるこじんまりとしたメニュー表を見る。どうやら、ここはやきとんが主力の店のようだった。
 カシラ、タン、ハツ、皮(各130円)を3本ずつ頼んだ。

 次にトラブルが起きたのは、2杯目の飲み物をもらう段になってからだ。
 T根川君とA藤君が生ビールのお代わり、わたしはホッピーを貰うことにして、おばさんに注文すると、おもむろにおばさんは今我々が飲んでいたジョッキを取って、再びそれに注ぎ始めた。
 同じジョッキを使うことを非難しているのではない。
 問題はわたしのジョッキに再びビールを注いでいたからだ。
 わたしは、ホッピーを頼んだのである。
 「はい」とおばさんはわたしの目の前に生ビールを置いた。
 わたしは、「ボクはホッピーだよ」と言うと、「アッ」と声を立てただけで謝りもしない。
 結局、行き場のなくなった生ビールはT根川君に引き取られたのだった。
 我々の中にしらけた空気が漂った。

 それでも、気を取り直して会社の愚痴などを3人で話していると、いつしか我々の機嫌もよくなって、いつしか若手2人もホッピーを追加していた。すると、これまた近所のおっさんがふらりと現れ、我々の話しの輪に入ってくる。
 そうこうするうちに、店のおばちゃんとも打ち解けて、話しを始めた。
 今日、この店を訪ねた理由を話し、東京新聞の切り抜きを見せたりした。
 残念だったのは、その立ち飲みコーナーが実際存在したのかという核心部分はとうとう聞くことができなかった。

 駅からは少し離れており、商店街のそばに店を構えたということは、今後常連相手に商売を行うことがまず前提だろう。
 その点では、店の雰囲気は温かく、食べ物も決して高くはないが、店のおばちゃんが時折してしまうポカが心配だ。
 店のおじさんも「トイレは1km先だよ」などと冗談を言う、おもしろい方。おばちゃんのミスをさっとカバーしている。
 メニューはやきとん中心でおでんも各種揃えており、味も悪くはないが、もう少しメニューがあってもいい。
 店の場所はJR田端駅北口を出て崖側の階段を昇ってすぐ。



コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 緊急連載 「明日の広島カー... | トップ | 目指せ!独立リーグ草野球日... »

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (まき子)
2007-11-22 13:12:32
ふらっと飲みにくる近くの住民が常連さんだったら、
おばちゃんも「接客・サービス」という気持ちも
薄れちゃってるのかもしれないですね~。
馴れ合い?って感じでしょうか。
それでも「新しいお客はいらないさ」っていうのもあるかもしれませんが・・・。
返信する
おばちゃん (熊猫刑事)
2007-11-22 13:23:35
このおばちゃんの場合、ただ仕事に慣れていないという感じでした。
それを考えれば、まだこのお店はオープンして間もなかったのでしょう。

今後、息の長いお店になるか、或いは、1年後に行ったら、もうなかったか、それはやはりオープン当初の頑張りにしかないと思いますね。

個人的には、頑張っていただきたいお店です!
返信する
Unknown (いまああ)
2007-11-22 21:31:33
うーん。一杯めが出てくるのに十分かかるなら、しゃちょーと同じくぼくもちょっとおこるかも。
そして。
お酒が出てくるのが遅い店はだめー。注文まちがえるのもだめー。そして間違えたの謝んないのはサイアクでしょ。
行くコトはナイだろな。。。
返信する
風評 (熊猫刑事)
2007-11-23 08:13:07
悪い風評流しちゃったかな。
でも、お客は飲みに行っているんであって、その肝心のものがなかなか出てこないっていうのは、感心いませんね。

これからも、チェックしておきます。

過日、T根川君とA藤君が御徒町駅前の「\100ダイニング」に行くというので、わたしも途中から合流しました。この店は以前、当ブログNO.0088(北区のカテゴリーを参照)で、ビールが「その他の雑酒ではないか」と指摘したtころですが、今回行ってみると、モルツに変わっていました。
当ブログを見て改めたわけではないとは思いますが、こうしうお客を欺く行為をこれからも監視して、指摘したいと思いました。

ところで、「いまああ」さんは、今pですか?
返信する
ハイ (今p)
2007-11-26 16:13:02
ワタクシです。
返信する

コメントを投稿