ちょいボケじじいの旅・酒・エーとそれとね

毎晩酒を愛で古き日本と温泉を愛す、少し物忘れも出始めた爺が、旅日記やコレクション自慢などと、時々の興味のままを綴る。

旧HPからの移行版***海の幸だけじゃないぞ、旨い物のよくばり旅行 1/5 山形 2001.10.6(土)~8(月)

2012-10-20 17:53:05 | 旅日記

 2週間前に会津に行ったのにまたこちら方面へ。前回は喜多方が最北部だったが今度はそれが手始めの最南部で、その先の山形までの旅。米沢、山形経由で、新庄近くから山に入って肘折温泉に一泊、二日目は酒田まで最上川沿いに下り鶴岡を経由して温海温泉へ、最終日は村上に立寄り新潟から一気に帰るコース。ここ数年この時期に3連休があるので続けて行っている定番の旅ではあります。このコースは春から初夏にも行ったことがあるけれど、山菜よりキノコの方が好きな僕のお薦めはこの時期のほうなのだ。かなり強行軍なので朝は4時ちょっと過ぎに出発、愛犬の散歩を済ませてこの時間に出るとなると前日は酒を控えて、翌日はまだ暗いうちに起きることになるものの、あとが楽しみなんでなんのそのということだ。

 いつもは東北道から磐越道と大回りして会津河東ICで降り喜多方に向かうのだが、今回は多少早く出られたので白河で降り、西郷村から地方道を羽鳥湖のダムサイドを通って会津西街道に湯野上の先で入り、会津若松を抜けて行くことに。思った通りスイスイで走れて時間的にそんなには余計にはかからないで8時15分頃に到着する。喜多方では坂内食堂は7時から、まこと食堂は7時半から開店なので、ここまで飲まず喰わずで来てラーメンで朝食の地元で言う所の朝ラーが我々のお決まり。まこと食堂ではこの時間でも地元客だけでなく結構な客が入っていて座敷の方迄客がいたが、外で待つようなことはまずないので、昼の長い行列を考えたらこれが正解。ここで観光するならこのあと10時頃開店というラーメン店が多いので、その最初を狙ってもう一杯というのはどうでしょうかね、だから大盛りは食べないで腹に空きを作っておきましょうや。やっぱりまことのラーメンは旨いですなぁ。

                                 まこと食堂の中華そば

                            蓮沼製麺、手前の観音様の手から伏流水が

 今日の喜多方はいつもの如く清川蔵の太左衛門酒と蓮沼製麺(どちらでも天然水が汲めルペットボトルを持参するべし)の生ラーメンパックを買っただけで、9時前には次の米沢に向かう。途中では日中にあるパーキングで天然キノコとリンゴなどを求めて峠越えで約1時間弱、市内は米沢神社近くの観光施設の上杉城史苑(冒頭写真)の無料駐車場へ。ところが生憎と鷹山公生誕250年祭の催しで入れずで、郊外の指定駐車場に停めてシャトルバスで来てくれとのこと。こちらは先を急ぐのでちょうど隣に博物館が開館したばかりの時だったので、そちらに駐車して開館記念展というのををみることに。あの信長がご機嫌取りのために謙信に送ったという有名な洛中洛外図屏風を目玉に、上杉藩の伝来品、謙信、景勝、直江兼続などに関する遺品(甲冑、刀、愛用品、手紙や文物)、書籍、曼陀羅図などの重要文化財が展示されていて見ごたえがあった。屏風はこの開館展に合わせて修復したということで、この手では一番の作という非常に細かな描き込みの絵がまさに金箔も鮮やか、思わぬ所で初めての出合いと、これもまた旅の楽しみではないでしょうかね。

                            正面に上杉神社

                            上杉博物館

                            館内のカフェから

 10数年前は会津と米沢だけにもよく来たし、山形にも何回か旅行しているので最近は今日のように目ぼしい所だけ廻って先を急ぐ旅になっているが、これまで通り過ぎるだけの場所にも蕎麦街道(なんと山形県に5箇所もある)と名付けられた地元名物の蕎麦を巡る旅などはまだ残っている。まぁそれはもうちょっと歳とった先のことになりますかな。参考までに米沢周辺には鄙びた良い温泉がいくつかあり、白布温泉は茅葺の江戸時代そのままの旅籠の風情が素晴らしかったし、今日通り抜けたところにある小野川温泉もまぁまぁ良かった。そういえば山形の三古式温泉とは白布、肘折、銀山ということだが、白布は昨年惜しいことに全焼して新しく古民家風に再建したが消防法で茅葺はダメだったとか、今日行く肘折は鉄骨ALC造に建替えられてしまって古い木造旅館は壊滅的に少なくなっている。木造三階建が今も並び、街中央に城之崎温泉のように川が流れる銀山が温泉街の風情では現時点で一番かな。でも値段は高め、以前泊った旅館は女性風呂は家より小さいと女房はプンプン、東北の大浴場は混浴があたり前だった名残だろうけど、今はどうなっているでしょうかね。

 米沢で知っていることをもう少し、かの有名な米沢牛を食べさす有名店が幾つかあってTVや雑誌で紹介されているのでご存知の方も多いと思うが、何処も旨いけれどもさすがのお値段ではある。地元の人が教えてくれた1階が肉屋のミートピアは、気楽な店で初めてならいいと思ったが高級感はない。またここは喜多方、白河と対抗するそんぴんラーメンなるものでも有名で、ラーメン専門店もあるけれど蕎麦屋がラーメンもというのが山形スタイル。これも地元で聞いた可祝屋などはお薦め、この店は喜多方より醤油を抑えた薄味でもコクがあるというスープで、これがまた旨い。また赤湯ラーメンで有名な龍上海の支店もあり、こちらも人気のようだ。もう一つ名物の鯉の甘露煮では、佐久と違ってこちらでは水飴を使って表面パリッとさせている。食べ物以外ではまず上杉会館近くに牛やというバッグ屋は全国区に、初めは米沢牛の皮のバッグが中心だったが皮がしなやか柔らか過ぎて大型バッグが出来なかったようで、最近はテント地のバッグが多くなっている。紅花染めや織では資料館と販売所の織陣や、からむしなどの古くからの織物を展示する古代織参考館、酒蔵では東光(以前はやや甘口だった)など、骨董屋では後藤などには立寄ったことがあるが何処も結構頑張っていた。上杉藩関連の名所以外でもその手が好きな方はこれらも訪ねてみたら良いのでは。そういえばかなり前に松園工房という時代裂のクロスなど卸す店(なにかの雑誌で主人は日本一の時代布収集家と載っていた)に行ったことがあるが、今でもあるかな。

  上杉城史苑の売店では米沢の名産はあらかた揃っているので最初に見ておくといいと思う、米沢牛のタン燻製や玉コンニャクなどいろいろ試食もできるし、でもあんまり食べるのも顰蹙ものだけどね。女房は家族が好きなので寒河江が本店のさがえ屋の煎餅をいつも買っていた。ちなみに上杉祭のメインは川中島合戦の再現で、確か5月3日にやっていたと思う。

 11時過ぎには米沢を発って山形市方面へ、途中高畠町の高畠ワイナリーでこの時期にやっている収穫祭に立ち寄ってみる。ワインの試飲から地元物産品販売や食べ物の模擬店などのテントが並び、実ににぎやかにぎやか。車の運転があるのでちょっぴりだけ味見、ちょうど昼時だったので大鍋で作っていた350食限定という豚肉のワイン煮300円の予約券を頼んでおいたが、以前は牛肉だったはずなのに最近の狂牛病騒ぎで豚に変えたのかな。また山形の至る所でいも煮会が行われるシーズンなので、山形でも内陸部では牛肉入りながら、狂牛病なんぞ恐れず名物は食べるべしとこれも食す。芋を野菜、コンニャク、牛肉と一緒に醤油味で煮たもので、芋といえば当然日本では古来より里芋(山芋に対して里で作ったから名付けられた)ですよ。そのあと地元シルバークラブによる蕎麦も食べてみたが、これは田舎蕎麦をゴボウと鶏肉入りの暖かいツユをかけて食べるもので、鶏の脂が効いた初めての味わい、鶏肉がいいからかかなりいけるものでしたよ。以上で腹も満足、安上がりの昼飯になりましたねぇ。

 試飲して旨かった高畠ファームのデラウェアジュースや農家直売で安かったラフランスなどを買って、一時間半ほど楽しんで次は山形市内にもちょっとだけ寄道する。

                              高畠ワイナリーの収穫祭

                              ワインテースティング会場

                              外には模擬店や農産物直売テントが

                          大鍋によるワイン煮

 ここで訪れたいのは旧県庁だった文翔館、無料で見学でき、明治の建物なのに水洗便所があったことにビックリし、知事室でエラクなった気分を味わいましょうや。向いには観光案内所があるほか地元物産館も近くであるが、霞城(今は市郷土館になっている木造洋館建物もある)や県立美術館、最上記念館は今の街中心部からはやや離れていて、歩ける距離と言えるけれどちょっとばかりどうだろう。これで街中を大きな川が流れていたら盛岡と同じ雰囲気を感じさせる都会になるのに、そうしたらさらに好きな町になると思うけれどこれは無いものねだりですかね。

                              立派な旧県庁の文翔館

                              ボーノ

 ここでの一押しではまず山田家の富貴豆、これは山形市内に立寄ると女房は必ずクール宅急便で帰った頃届くように頼む。上品な甘さで人形町の有名店よりずっと上、近所の友人も行ったら是非とも買ってくれと頼まれてもいるのですよ。また蕎麦についても僕が長野より上だと思う店がいくつかある。第二公園山長などはお薦め、案内書にも歴史ある老舗や有名店が幾つか紹介されているので確かめてみるといい。よく紹介されている栄屋では普通の冷し中華とはまったく違う冷しラーメンなるものがあり名物ということで食べたが、僕はやっぱりラーメンは熱い方がいいな。冷しといえば紅花の本場河北町の冷し肉そばが旨いと浮世絵研究で小説家の高橋克彦が言っていたが、これはまだ食べていないが高畠ワイナリーで食べたものの冷し版かなぁ。あとはイタリアンのボーノや漬物屋まるはちに隣接の蔵店の和食なども割かしいけるのでは。工芸品に関しては鋳物は盛岡と同じようなものが見られたが、それ以外は物産館で見ても山形市内にはあまり目ぼしい物がありませんな、この点でも盛岡とは違う印象がするのかな。郊外に昔からの民芸窯が何軒か続く平清水には、肝心の焼物の方はたいしたことはない今物ばかりだったが、草木染の工房瓶屋があって、やや高めながらスカーフなどの良い染物があるから女房づれは避けた方が賢明か。酒は市内の蔵元では羽州男山(男山なる銘柄は各地にあり辛口で共通するが僕はここのが好み、また辛口では鬼殺しというのも全国にあるが島田の若竹鬼殺しは吟醸造りでさらにアルコール度が高くして味わいを出していて一番だと思うが)というのがあって、デパートに駐車した時は必ず買うのだが、今回は先を急いで13号に出ていく方向にあるビッグウィングへ向かう。というのも昨年この時期に森林祭をやっていて面白かったから、今年もと行ってみれば今回は来週とのことで残念でした。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 10月短期滞在中の信州の温泉 | トップ | JA横浜北の秋の農業まつりは... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

旅日記」カテゴリの最新記事