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ちょいボケじじいの旅・酒・エーとそれとね

毎晩酒を愛で古き日本と温泉を愛す、少し物忘れも出始めた爺が、旅日記やコレクション自慢などと、時々の興味のままを綴る。

ノスタルジック木曾路は股旅三度笠気分で その1

2011-05-14 17:15:00 | 旅日記

 ここ数年行ってないのが木曾路で、木曽駒高原にあった会社の保養所が閉鎖されてからは軽井沢からの日帰りも大変だしで、ついぞご無沙汰している。ここへはまだ子供が小さい頃初めて訪れて気に入り、毎年2回ぐらいはこの周辺を行き来していたのにね。特に軽井沢の小屋を開ける4月第二週には土曜早朝に家を出発、午前中に山荘の掃除と布団干しを済ませ、昼過ぎにはこちらに向かい暖房完備の立派な保養所で一泊という段取りでよく出かけたものだ。

 ちょうどこの時は多治見の陶器市があって、翌日はそちらに廻って掘出物探しというお楽しみ定番コースがあったのですよ。多治見は益子や笠間の市より安くて、これがこんな値段で買えちゃうのというようなものを見つけたことがある。また6月第一土日は旧楢川村の漆器祭があって、楢川から奈良井まで旧道にずらっと並んだ漆器店を見て廻り、格安品を漁るなんてことも何年か続けたのも懐かしい。その時期には行者ニンニクが売られているから精力付けに如何と、誰かに喜ばれること請合いなんてね。僕はまだ試していませんから誤解無きように。

 またここから開田高原を抜け飛騨高山に廻り松本に戻ってくるルートも、途中の前半は御岳の眺め、開田村では温泉と蕎麦や木曽駒牧場などを楽しみ、高山では市内観光だけでなく飛騨古川や世界遺産の白川郷にも足を伸ばし、出来れば奥飛騨の豪快な野天風呂までを堪能し、後半の道筋では乗鞍高原や上高地も組込み、最後の松本で旨い物と工芸品を求めるなんていうのは、飛び切りのコースになりませんかね。でもそんなに欲張らなくても、木曾はなにか郷愁を誘って魅力あるところなのだ。
 木曾路は中仙道の贄川から馬籠までの7宿、全長約70kmの谷筋、かの藤村の夜明け前書き出しどおりのロケーションと、近代化に取り残されたような宿場の面影を色濃く残した町々の佇まいが観光資源だと納得しちゃう。

 その宿場町の風情でまず最初に売り出したのが妻籠。ここは本当によくこんな風に残ったなと、ビックリを通り越して出来過ぎているなというほどの印象を受けてしまう。ここは町内の取決めで、コーヒーはこの街並に似合わないと、その手の喫茶店が無いというほどの徹底ぶり。僕は日本茶も好きだけど町歩きのあとコーヒーで一服だってもう日本に定着しているんだから、古いに拘るにしてもそれは行き過ぎじゃありませんかと。ここの道筋を着物にチョンマゲ姿でなけりゃ、歩いちゃいけないといっているようなもんですよ。まあその方が街並とはピッタリとはまった宿場町ではあるけれど、もう観光!観光!といってもいい町になってしまっていますねぇ。
 妻籠の南には藤村の出身地馬籠宿で、今は中津川に編入され、長野県から岐阜県に変ってしまった。ここは坂道の両側に多くは昔の宿場風に復元した建物が並び、街並途中には藤村の生まれた庄屋屋敷跡に記念館が出来ていて、これがここの観光の中心になっているようだ。こちらは妻籠に比べると昔の雰囲気では見劣りするものの、ここから妻籠に通じる旧中山道の山道を歩いて昔の旅を偲ぶ出発地としたら良いということで、結構人気らしい。僕はまだ試みていないが途中には昔ながらの景観が残っているそうだし、馬籠と妻籠のあいだを歩く人のために、荷物は別途に運んでくれるサービスがあったはず。我々は木曾路では最初にここ馬籠を訪れてまずは感心したものだが、まだまだ奥が深ーくあったということですね。
 もう一つ見応えのある宿場は奈良井で、ここは木曾路で僕が一番好きな街並なのですよ。昔ながらの建物が並び、しかも観光土産屋ばかりというようなこともなくて、今でもそのまま生活しているという感じが好印象なのです。鍵の手に曲がった道筋の両側にびっしり建つ町家はいかにも狭い谷間で、少しばかり開けた土地に皆が寄せ合って住み着いているようで、なんとも言えん風景ですねぇ。町には何ヶ所か山から湧水を引いた水場があって、ペットボトルに汲んで帰るのがいつものことであった。コーヒーのつちやや、旅館ゑちごやなどは江戸時代そのままらしき建物を旨く活用しているので、昔の生活を偲ぶべく是非覗いてみるべき場所だ。また土産物屋では話をすると面白い親父がいた松坂屋は、少しばかりほかとは違ったものも置いているから立寄ってみるといいでしょう。その娘のブログというのに、前日の前書きのところでリンクをはっておいたが、NHKの番組おひさまの影響で観光客が増えたそうだ。ちなみに奈良井と妻籠は伝統的建造物群保存地区に指定されているのは当然で、ここと規模や素朴さで並ぶのは東日本では上田の海野宿や会津の大内宿ぐらいかな。祇園花見小路や高山三之町、金沢東茶屋街などはもっと華やかな街の雰囲気になってしまっているものね。

  同じ楢川村の隣駅周辺は平沢地区で木曾漆器の主産地、旧道筋には製造販売店がズラッと並ぶ。伝統工芸展などに入選した作家も居るけれども最初は大きい店を見ておく方が無難だと思う。その一つ龍門堂はこことバイパス街道沿いとに店舗を出していて、バイパス店にはお買得品コーナーもある。バイパスのもう少し北には村営だった木曾くらしの工芸館があって、2Fにはここいら一帯の作り手の作品をほぼ網羅して展示しているので、気にいった作者を探すのも良いだろう。工芸館には漆器類だけでなく木曾の物産販売所や和風レストランもあるのでなにかと便利、漆器祭りでもここに駐車場があるなど地域の拠点になっているようだ。冒頭写真のミミズクは漆器祭りでこの工芸館の中庭で、個人で参加していた出展者が並べていたものから色で選んで買ったものだ。


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