ちょいボケじじいの旅・酒・エーとそれとね

毎晩酒を愛で古き日本と温泉を愛す、少し物忘れも出始めた爺が、旅日記やコレクション自慢などと、時々の興味のままを綴る。

旧HPからの移行版***北茨城でアンコウを喰うぞ(五浦・小名浜・奥久慈) 茨城補足編1 2005.2.25~27

2014-04-01 17:29:44 | 旅日記

 茨城方面への旅には、一つに冬場の味覚で3月まで旅館で供されるアンコウ鍋を食べたいということがあって、今年も昨年より早めの2月に北茨城と奥久慈を食い意地で回ってきてしまった。

 今回のコースは第一日目の旅館以外は馴染みのところばかり。常磐道は岩間ICで降りてまず栗の家に立寄れば、雪のためか門扉は閉まったままに<その後にここは土日祝だけの営業と知った>女房はガッカリし、それではと昨秋の匠のまつりに行けなかったからと、笠間の勝手知ったるところをいくつか巡り、友部のワイルドで気に入りのソーセージセットの昼を食べ、そのまま北茨城に向い曇り空で景色も良くないからと美術館は翌日回しにして、早めにその近くの日帰り温泉施設のすぐ裏にあるこじんまりした旅館の長浜荘に一泊するまでが第一日目。

 翌日はこの季節でも本当に冷たい風がやや吹く中、青空にだけは恵まれて9時半開館の五浦美術館をまず見物、素晴らしい景色を眺めてコーヒーも味わってから、福島県小名浜に北上してら・ら・ミュウで食事し、すぐ近くの水族館アクアマリン福島を見物してからまた北茨城に戻り、地元で評判のますいち海商で日持ちするものだけを買込み、花貫渓谷経由で山越え、里美の農産物直売所に立寄ったあとはまた一山小さいのを越えて、旧水府村の岩倉鉱泉には寒いからすぐ温泉に浸かろうと二日目も早めに到着。

 最終日は大子町に大回り、袋田の滝は凍結していないらしいのでパスして、市街にまで直行し麻呂宇土の菓子や酒蔵家久長の特吟という銘柄酒を買込んですぐまた南に逆戻り、JA大子直売所で三宝産業の生湯葉などを仕入れて、山方町では紙の里の和紙、舟納豆、蕎麦パンなどを順次いつものように買物してから、ひとっとびに那珂湊まで足を伸ばして鮮魚類を購入し、さらに隣の大洗の海鮮森田で食事してから一気に帰宅という旅程であった。茨城周辺はこの前にもまたちょっと違った目的での旅について書いたもの(こちらはまた機会を見て旧HPからブログ側にも再掲するつもり)があるから、それらに詳しく書いていないところだけ補足にと箇条書きしておきことに。

・長浜荘

 ここは昨年通りがてらに五浦美術館のすぐ手前、海に臨むロケーションの良さそうな場所に一軒だけでひっそり建ち、しかも温泉施設天心の湯の背後ということで、もし温泉旅館でなくてもすぐ前の施設を利用すればよいことだしということで予約した。泊ってみると遠めで見た外観以上に古びた宿ながら部屋は民宿より広く、思った通り目の前は海で朝日が昇るのを眺められるのが良いところ。トイレは冬場には入るのをためらうような寒寒した昔風タイル張床の共同使用というのは、安料金からはしょうがないか。ただ旅館というだけに一つだけのタイル張の風呂は大きめで、24時間入浴できるというが残念ながら温泉ではない。

 我々はさっそく道路側に隣接してある天心の湯(平日600円)に入ったが、ここは平潟と共通の塩化物泉で、露天風呂には美容に良いと講釈書がある地元の陶土にもなる粘土を溶かし込んだ泥湯が珍しい。サウナのオンドルの湯は専用ガウンかタオルを着用するように表示していて、借りるのに300円とは頂けませんね。自分でタオルを持込んで入っちゃいましょう。あとで宿の女将のお婆さんに温泉をひけばと言えば、配管その他を一切新規にしなければならないので1000万円かかるという見積に諦めたとか。それなら天心の湯のすぐ背後の宿の駐車場敷地に簡単な浴室離れだけを造ったらとか、それも無理なら午後6時からは平日400円と安くなるそうなので、24時間入浴を止めて寝る前の一風呂ぐらいをサービス券でも出したらどうですかとも提案しておいた。

 この宿はかなり古く、設備も部屋内に洗面を設けたぐらいの改装だけと、この近辺はちょっと近代的ホテル旅館と格差が大きく、お値段も含めて中間が無いのが難点、定宿となるところがなかなか見つからない。今回の宿はロケーションと夕食の内容とボリュームでは二重丸、しかしその量にはとても食べきれずで勿体無いやら残念でしたねぇ。焼魚のノドグロは今まで食べたなかでは最も大型、刺身は鯛とホッキ貝の舟盛とアワビとウニとバイ貝の皿に、活クルマエビ2匹の踊り食いまで、焼ホタテに焼イセエビ、タコの珍味合え、この季節目玉のアンコウは共酢と地元定番のドブ汁鍋にうどん付と、これはもう途中降参必至ですぞ、これを全部平らげてさらに御飯まで食べた客が相撲取じゃなかったなんて信じられません。もし次回に行くことがあったらノドグロなどは初めから帰ってから楽しむからと持帰りにしてもらいましょう。それから天気が良い朝は是非早起きして、対岸の小名浜と右手間近にある岩陰の間に見える太平洋の青々とした海から太陽が昇るところを眺めるべしというオマケ付き宿ではある。

                           朝日が昇るところを

                           夕食

                           朝食

・天心記念五浦美術館<大震災で被害を受けたが再開している>

 以前は茨城大学附属の小さな美術館が天心旧居の敷地一帯の中にヒッソリとあったような記憶があるが、六角堂<大震災で流失したが復元されたと聞く>からはやや北の太平洋を望む景勝地に新たに立派な美術館が建設され、当然の如く日本画、日本美術をテーマに企画展示をしている。建物は珍しいプレストレストプレキャストコンクリート造で、木組風に丸や角のコンクリート部材を各所に見せているのは、日本美術を再生させた岡倉天心を現代風に意識しているのでしょう。常設ゾーンは天心の生涯から五浦の生活や遺品や書簡などが展示され、その奥にある大展示館の今回の企画展は院展となっていた。この他に映像ホール、資料コーナー、体験講習室、ミュージアムショップなどがあり、ロビーに続く空間には眺めの良いカフェや、廊下の一部を海側に窓を広く切り取って小名浜側に開けた眺望を眺められる休憩コーナーなどもゆったりと設け、これで企画展込み500円というのは嬉しい限り。確か笠間の陶芸美術館も常設展示だけなら300円だったし、茨城県は頑張っていますねえ。

                         天心記念五浦美術館

                         太平洋を望むロケーション

・アクアマリン福島<こちらも既に再開している>

 建物全体がガラスで覆われた奇抜な形の水族館は入場料1700円で、化石とその生残りの魚たちの展示からスタートさせ、日本の川や湖沼の魚、熱帯の湖沼の魚類などの展示が特色で、海獣類、大海槽、その他珊瑚礁や深海の魚などはどこでも定番で同じようなのものだが、ここでは海獣の芸は無くて給餌時の説明がショー代わりになっている。ここだけで成功したというサンマの水槽や、いわき市の魚である深海のメヒカリの水槽はここで初めて見た。

                         アクアマリン福島

                           大海槽

・ら・ら・ミュウ<大震災以後はまだ客の戻りは遅いようだ>

 いわき小名浜のフィッシャーマンズワーフ狙いの施設で鮮魚や海産物を扱う店が駐車場側1Fにズラッと並び、屋内には1Fはお土産と食事処、2Fは食事処と展示施設が設けられている観光客目当ての一大拠点、でも魚では那珂湊の市場の方が活気があるかな。それでも観光バスがひっきりなしにはやってきていた。水族館とは小型船舶停留海域を隔てて向かい合っている。食事処は勿論のこと魚料理店が多いが、回転鮨、ラーメン、中華料理、洋食などの店もある。メヒカリが生で食べられるのはいわきだけとか、しかしこの魚は唐揚や天ぷらが旨いと店の人は言うが、僕は絶対に塩焼を薦める。深海魚は白身だが脂が多いのが特徴で、その中でもメヒカリは最上級じゃないかと、昔は僕の故郷の浜松でも遠州灘で獲れたやつを七厘でジュウジュウいわせて食べたものだ。サンマより上品な脂が乗った味はとても美味しくて僕の思い出の味、その頃はさらに嬉しいことに安かったと思うが、でも今は結構いい値段になっている。

                           ら・ら・ミュウ

・海鮮処 森田 大洗店

 那珂湊の魚屋で一番の人気店森田がやっている大洗側にある回転すしと海鮮料理の店で、入口を入って待合場所から中庭を挟んでそれぞれが左右に分かれる配置となっている。那珂湊の鮮魚売場の隣にも回転すしがあるが、こちらの方が落着いた雰囲気で食べられ穴場と思ったものが、最近は広く知れ渡ったようで、混雑する上に観光バスの予約も取るようになったらしく、さらに輪を掛けて休日の昼時はそれこそ客々で一杯となってしまい、入る時間を考えざるを得なくなった。客回転は回転すしの方がよいので混雑時はそちらに記名して待ちましょう。

 


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