12時を過ぎてオプションで昼飯を申し込んだ食事処の勢乃国屋という店に行けば、こちらは1Fが何でもアリの土産物売店で2Fと3Fが食事場所となっていて、どうやら食事は団体さん専用みたいでズラリと準備した膳が並んでいる。我々のツアーでは伊勢うどんと手こねずしという伊勢名物のセットのみとなっていたから、どちらも食べたことが無いからどんなものかと頼んでみたんですよ。
ほとんどがオプションを頼んでいたようで、割り当てられた席は3Fの畳席となっていて、御一行様はギュウギュウに詰め込められての食事となった。伊勢うどんは太目で柔らかい麺に甘目の醤油をぶっかけたものという予備知識はあったが、まずは全体を掻き混ぜてという説明に従って醤油ダレをからめて食べてみると、フンニャリしたところに粘りネットリ感が加わった何とも頼りない食感に思わずウムムと。これが名物で好まれるとはそんな人がいるのかと不思議不思議、やはりうどんはコシとツルリが王道でしょうにねぇ。何でもお伊勢参りに来た人の旅の疲れを思って消化に良いように柔らかくしたということであるが、今時の参拝客は楽チン旅で来るんだからもう過去のやり方は止めたほうが良いのではと意見したくなりますな。
手こねずしのカツオは薄い切身にしてヅケにしているから新鮮でないとダメなはずで、ネタはそれなりかとは思えたが、こちらもまぁこんなものかなというぐらいのもの、名物に旨いもの無しでしたな、辛うじて味噌汁が名古屋が近いからか八丁みそ風味でこれだけは関東から来るといい意味のコクを感じさせて、毎日では飽きるかもしれないがたまにはいいもんだと僕は思った。食べ終わった皆さんの膳を見たら伊勢うどんを残す人が多かったようですよ、全員が老人ということもあるけれどうどんと飯の両方はもう止めないといけませんな、年よりはラーメンライスなんていうのも食べないもんね。
伊勢うどんと手こねずしのセット
午後1時に駐車場に迎えに来たバスに乗込んで朝に来た道をまた戻って鳥羽のフェリーが出る港まで戻って行く道筋では、一部有料道路の往路でチラリと見えた城が今度はもっと見易い方向から姿を現してきた。この異様な姿は安土城を模したものだとすぐに分かったが、なんでこんな場所にとこれも不思議、下のほうにも関連した施設があるようで伊勢安土桃山文化村の看板がある。こんな所にとてつもないテーマパークを造ったものだと、その割にはツアー参加者で知っていた人はいないというぐらいで皆さんもビックリ、果たしてこの施設はペイしてるんでしょうかね。この辺りは杉が赤茶けた色になっていて杉花粉が飛ぶのはもうすぐみたい、これからのシーズンはその対策もして来ないといけませんぞ、場所選びも失敗していませんか。
安土桃山文化村
安土城を忠実に復元したとか
伊勢湾フェリーの鳥羽港には1時間足らずで到着、この日は天気が良くなったから海が真っ青に輝いていてクルージングはこれでなくちゃと、船に乗り込んで早速にもデッキに出れば昨日ははっきり見えなかった港から西の方も眺望が利いて、昨日から停泊していた海上保安庁の船も配して写したのが冒頭写真である。ここにはすぐ隣に鳥羽水族館や御木本真珠島などの観光施設もあって、何かのツアーでは組み込まれているものがあるかも、女房は水族館だけは見たかったと残念がっていたが、僕のほうはこれだけ海を巡るツアーなら真珠なんぞよりも海産物を買える大型施設に帰り道に立寄ることを考えてもらったらよかったのにと。フェリーの乗り降りもバスに乗ったままでとなると、港の併設施設など全く覗けなかったものね。
帰りは天候に恵まれてやっぱり景色がキレイだと、昨日とは一変してこれならクルージングを楽しむことができたなと、片道だけでも真っ青な海を眺められてよかったね。写真では豊橋方面などの高層ビルはよく捕えれなかったけれど肉眼では見えて、でも写真だけでも往きのものとは見栄えが全く違うことは分かりますよね。
御木本真珠島
船の最後尾には展望デッキが
答志島
擦違った伊勢湾フェリー
神島
伊良湖港方面
渥美半島に渡れば昨日よりも天気がいいから遊休地の菜の花の黄色も生えること、畑では露地物はキャベツ一色で少しだけブロッコリーが混じるぐらいか、暖かい気候を利用した温室も多くて確かこの辺りもメロン栽培が盛んなはずだが、温室の中は見えなかったから今は何を栽培しているやら。
遊休地に菜の花が
キャベツ畑が広がる奥に温室が
帰り道では豊橋バイパスが2車線拡張工事中で大渋滞、ここだけでかなりの時間をロスして豊川ICで東名高速に乗った時にはもうかなり日が傾いてきた。その後の高速は順調となって、帰りは三ヶ日から新東名に入って浜松PAでやっと休憩をとることになったが既に夕暮れに、外の景色が見られたのは天竜川ぐらいまでで、二日間共に富士山は眺められませんでしたなぁとこれだけは心残りに。あとは暗くなった中を足柄SAでの休憩をとっただけで横浜天理ビル前までは往きと同じ道でまっしぐらに走ることとなって、車中はお休みという人ばかりとなったようですね。
豊橋バイパス付近
新東名浜松PA
天竜川も上流は水量が多い
今回のバスの運転手はスキンヘッドで立派な体格のレスラーみたいなオッサン風、かなり威勢のいい方のようでグングン他車を抜いて走り、おかげさんで横浜には予定よりも早目に戻ることとなって夜8時には我家に帰ることができましたよ。