般若心経

写経
四国八十八ヶ所

般若心経

2017-03-25 | Weblog
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電車の中で

 四国から帰るとき電車で瀬戸大橋を渡ります。一駅15分ほどの区間、約30分に一回快速電車がやってきます。
その間立っていても疲れるというほどのことはなく、少々の電車の揺れにも耐えられることができるのですが、座席に座ってぼーっとして海に沈む夕日をながめていると、一日の疲れもなくなるような気がして、あの感覚が好きで味わいたく、いつも電車到着の15分位前にはホームに出て並んで待っています。するとほぼ確実に座ることができます。
 先日、駅に着くと電車の発車時刻5分前、次の電車を待つのも時間の無駄と飛び乗りました。
日曜日であり、座席は満席、かなりの人が立っています。
出入り口付近で杖に少し体を預け、なんとなく外を見ていると、疲れもあったのでしょう、心地よい眠気に見舞われ、立ったまま体がかるくこっくりと揺れたような気がしました。
そのとき、腕をトントンとたたかれ、「どうぞお座りになってください」と若い女性。少し離れた座席を指差します。わざわざ席から立ち上がってきてくれたようです。
やさしそうなその女性の好意は十分わかり、うれしかったのですが、「ありがとうございます。つぎで降りますので」と 断わりました。後10分足らずの間席を譲られて、すぐ下車することがとても年をとっているように見られるような気がしたのです。
 断った後、電車が到着するまでの間、なぜ素直に座らせてもらわなかったのか、ありがたく好意を受けるべきだった、それこそ年をとった頑固さの証しではないかと後悔の念しきり、眠気も覚めちょっと気落ちしました。
電車が駅に到着し、降り際にその女性に軽く頭を下げたところ、その女性もにっこり笑って頭を下げてくれました。少し気が軽くなることができました。