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団姫流 お釈迦さま物語 露の団姫《つゆのまるこ》 春秋社
露の団姫さん(30歳?)、天台宗の尼さんで、プロの落語家です。
天台宗のキャンペーンガールもやっています。
「団姫流 お釈迦さま物語」はこの3月に発行された本です。
お釈迦さまの生涯、教え、弟子たちなど分かりやすく書かれており、子供でも楽しめる本です。
この中にお釈迦さまの弟子賓頭盧《びんずる》さんの話がありました。
以下***までコピーです。
ピンドーラ(賓頭盧) テへぺロな仏さま
「びんずるさん」お寺に行くと本堂の前で出迎えてくれる仏さまがいます。
この方、もともとはお釈迦さまのお弟子さんで、「ピンドーラ」という名のお坊さんでした。
神通力をもち、法話もバツグン。どんなツッコミにも動じない布教の力をもっていたので、その強さから「獅子吼《ししく》第一」とも呼ばれました。
しかし人間、ちょっといい気になると、すぐに天狗になってしまうのが悪い癖。
実はピンドーラさん、素晴らしい神通力をもっていたがために、ついついそれを人々の前で、見せびらかすように使ってしまったのです。
そのためお釈迦さまからお叱りを受け、「お前には、最高の悟りを得て涅槃に入ることは許しません。それよりも、この世でずーっと人々を救い続けなさい」といいつけられたのです。
そこでピンドーラさん、現在では”びんずるさんの体を撫でると病気平癒のご利益をいただける”と噂されるほどの「なで仏」になったといいます。
ところで、このピンドーラさん、どこのお寺にもたいがいいらっしゃる仏さんですが、その顔は赤く、舌をペロっと出しています。
これには、お酒が好きだったために酔っぱらっていてお顔が赤いという説と、お酒を飲んでいたことをお釈迦さまから叱られ、その後、改心して修行に励んだので、体にその熱意がみなぎり、赤くなっているという説があります。
いずれにしても、お釈迦さまから叱られた際に「ぺロ」っと舌を出したので、このような姿になったとか。これには「ペコちゃん」もピックリ!
ピンドーラさんは元祖・テヘペロな仏さまなのです。
お釈迦さまから「本堂立ち入り禁止」を告げられたため、本堂の外にいるといわれるピ ンドーラさん。
しかし、どこか愛矯のあるその顔は「人生、一度や二度の失敗なんて大丈夫」と、私たち庶民に優しく話しかけてくださっているようです。
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どこかで教えてもらったようで忘れていた話、ああそういうことであったかというような話、おもしろく読ませてもらいました。