小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

ウィルス、その安全のプロトコル

2020年08月04日 | エッセイ・コラム

昨日(8/3)rakitarou氏が「コロナファシズムの行方」の第2回目の記事をアップされていた。前回の記事が6月23日に公開されたので、関連記事は約40日ぶりの執筆になる。

内容としては、第1回目と基本変わらず「新型コロナ感染症に対して既定路線のみを世の中に強いる政治はファッショであると言いましたが、現行その方策は継続されているように見えます」とあるように、主張する骨子は変わらないという。
むしろ、SNSやYouTube(※)などの大手ITメディアが、「WHOや政府の見解に沿わない内容は検索から排除、削除するといったファッショ化」を強めていて、「世界の中国化(共産党政権化)」が一層進んでいると憂慮されていた。

現状の新型コロナ感染に関しても、前回と同様の「新規感染者と回復者」「回復率と致死率」の推移のデータを示されてい、相対的に見てウィルスは弱毒化していること。さらに、「外国からの入国制限や感染者の隔離、医療費や検査の公費負担の法的源泉」にもなっている感染症第2類の縛りさえも必要なく、「季節性インフルと同様に症状が出た人を検査して、発症したら適切に治療で良い」のではないかと、rakitarou氏は鷹揚なる見解を示されていた。
医者として見識からそのような判断をなされているのだろうが、素人の筆者からすれば、都内で連日2,300人を超える感染者が出ているばかりか、地方の主要都市や沖縄まで全国で感染者が増えているので、未知の恐れを覚えるしかない。

そして、rakitarou氏によれば、新型コロナウィルスの大規模な感染再拡大には当たらず、弱毒化したウィルスに恐れること勿れと示唆されていた。しかしながら、医学的知識の乏しい凡人の筆者は、氏の判断を鵜呑みいや信頼して、市中をマスクなしで歩けるかといえば、それはできない(勇気と確信がないのがいちばんだが・・)。

その理由を素人ながら、また憶測をふくめて列挙してみたい。むろんrakitarou氏への反論、異論を含めてであり、氏からすれば一笑に付される戯言であろうが・・。まずは怯まず、進もう。

〇ウィルスそのものが弱毒化したという科学的な根拠はない。感染者、回復者、死亡者の推移のデータを「類推」すれば、弱毒化していると判断できる。しかし弱毒化そのものを実証する免疫学的な研究データはない(と思う)。ウィルス「SARS-CoV-2」は、その毒性は当初とあまり変わりないと思われる。若年層を中心に、感染者の多く(ペットや動物園のライオンを含めて)は、自然免疫によって一定期間の治療、療養で容易に回復している。ただし、個人によって味覚・嗅覚、頭痛、呼吸不全などの後遺症がある。この事実は間違いない。

〇「SARS-CoV-2」により重症化するケースは、高齢者および基礎疾患のある感染者で、ウィルスそのものの毒性による免疫疾患ではなく、自身の免疫細胞の暴走ともいうべきサイトカインストーム説が有力で、対ウィルス対症治療ではなく患者の免疫機能を抑制する(!)治療が現在の本流らしい。(追記:この項、免疫暴走がおきた患者を想定。重篤患者一般には、抗ウィルス剤はじめ各種の適正な治療が施されている。8/5記)

〇重症化の大半は、血液中にできた血栓物質によるもので、人体の各所で血栓が生じ、致命的な症状となって表れる。血栓そのものは、前記サイトカインストームで生じた自爆したB細胞の死骸ということが判明している。これはウィルスの毒性の因果関係を示すものではなく、「SARS-CoV-2」の特殊性、あるいは人体との免疫機能と当該ウィルスとの親和性・共和性(?)を考えるべきではないか。

〇ふつうウィルス感染すると自然免疫のB細胞によって抗体ができる。新型コロナの場合、その生成と性質は実に百人百様で、また数量も個人差が大きいという。不思議なことに回復者のなかには抗体が消える人もいる。ある回復者の血清(抗体を多数ふくむ)を瀕死の患者に投与すると奇跡的に回復した例がアメリカであった。ワクチンよりも抗体の研究がのぞましい? (7種類あるといわれる新型コロナウィルスのワクチン製造にいまだ成功例はない。5年前のサーズウィルスもしかり)

〇日本における入院患者はこの1か月で5倍に増えている。高齢かつ重症患者も、急激ではないが増えている。救われるのは、死亡者が少ないことだが、1日で1000人以上あったアメリカ、ブラジルでは現在も500人ほどあり、依然として致死率はゼロに近づかない。クラスター感染が特定地域の各所で起こり、それがエピセンター化し感染拡大した。その特徴を示す例が、アメリカとブラジルではないだろうか。その国の指導者が感染を軽視し、マスクもしないで働くことを奨励する理不尽な政策。底辺で働く人々は無保険で、3密のなかで働かざるをえない環境。感染しても重篤化するまで体を酷使せざるを得ない、そんな格差が突出しているのがアメリカとブラジルだ。大量増殖したウィルスと、およびサイトカインストームによる細胞爆発。彼らの死因は明らかだ。

 

以上、若干の信ぴょう性のある事実、拙い考察と自己流の憶測でまとめた「Covid19 考」である。rakitarou氏からの直截の応答は期待していないが、これまで見聞きした新型コロナウィルスの不可知とその恐怖を自分なりに整理した内容なので、専門家の率直な意見が欲しい。

ともあれ、ご笑覧いただけたら幸いである。表題は、ある種の期待をこめたもので、本記事の内容を示すものではない。しかし、このウィルスがはやく安全なものとして人類が取り扱うことのできる、手順の枠組みのようなものが確立されたら、世界の新たな実相が開かれるに違いない。そう信じている。

▲細胞から増殖したウィルスが出てきたところ。NHKスペシャル「人体」から

▲自然免疫のB細胞が自爆して、内部の粘々した物質DNAを網のようにしてウィルスを絡めとるところ。(同じくNスぺだが、撮影主体は?)

 

(※)YouTubeのウォシッキーCEOは、YouTubeでは嘘の情報や効果が実証されていない新型コロナウイルスの治療法に関するコンテンツを禁止すると述べた。rakitarou氏はこれをファッショ化の現れと見た。WHOのガイドラインに沿わない動画を削除するのは、きわめて一企業として越権行為であり、WHOという政治的団体の擁護をするものだという見方。ただ、調べてみたらYouTuberからの反発を受け、1週間後に撤回したとあった。確かにウィルス対策として、「ビタミンCが有効だ」とか「感染したらターメリックが効く」などという、極めて科学的根拠のない素人の投稿が多く、そんな無秩序な状態にウォシッキー女史は歯止めをかけたかったのだと思う。まあ、そんなものが出回ってもいずれ淘汰されるだろう。民主的リベラルは寛容であり、知性的であることが本分だ。


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2 コメント

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病気はコロナだけではない (rakitarou)
2020-08-05 18:16:29
小寄道さんこんにちは。早速拙ブログについて取り上げていただいてありがとうございます。私は「コロナ騒ぎすぎ」といなす方の人間ではありますし、医者の立場から1月の発生初期から各種論文なども調べてきていますが、決してウイルスの専門家ではありませんので間違った内容を書いている可能性もあると自戒はしています。
ただ少しだけ反論させていただくと、ウイルスの毒性というのは数値で表せるものではないので、やはり致死率、重症化率で判断するのが科学的だと思います。例えばMRSAの様な普段無害の細菌でも人によっては致死的になります。死ぬ人がいるから強毒性ということだと便に含まれる大腸菌も敗血症になったら死にます。また嗅覚異常などは他のウイルス感染でも報告があり、新型コロナ特有のものではありません。とにかく「怖いぞ」と強調するために敢えて後遺症が残ると強調しているように思えます。
厳しい条件で働かないといけない人たちの事に言及されていますが、まさに大事な視点です。特に経済が困窮して多くの人や社会が「普通の医療」を受けられない状況になると、今まで治療可能であった疾患まで治療できず、死ななくても良い人たちが命を落とす結果になってしまします。健康診断が行われないために、早期に見つかる癌が見逃されている事例は日本でもすでに多く起こっていますが、そんなことはメディアでも紹介されません。
伝染病をコントロールする目的は「通常の社会生活を送る」事にあります。私には本末転倒の事しかやっていない、責任を持って今までの政策に対するアセスメントを誰もしていない、(例えばロックダウンの功罪)ように見えるのです。小寄道さんの視点を否定するものではないので気を悪くしないでください。これからもよろしくお願いします。
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rakitarouさま (小寄道)
2020-08-05 23:09:18
早速のご丁重なるコメント、心からの謝意を表させてください。
書いたものが第三者の方に読まれ、吟味され、意見をいただくことは少なく、大変ありがたいことだと思っています。
今回は、rakitarou様の記事を読んだうえでの、いわばアンチな(敬意を込めてです)異論・反論を展開したわけですが、これに関する応答ができることは望外の歓びです。
さて、「ウイルスの毒性というのは数値で表せるものではない」との文意、いや事実は承知しております。細菌やウィルスは人体に侵入して、毒物質をまき散らすわけはありません。
彼らのもっている生存本能と独自のタンパク質が、私たちの細胞や免疫機能とぶつかりあい、彼らが強ければ、私たちは発熱し嘔吐し、さらに臓器不全になり、最悪の場合は死に至る。
とにかく死亡者が少ないのは事実で、これを僥倖と考えなければなりません。ただ、日本を騒がせているコロナウィルスの、これが力量であり限界と考えていいのだろうか。
マスクの習慣が普及し、規制が緩く罰則・罰金のない「緊急事態宣言」でも、国民の多くが粛々と家にこもって仕事や学業にいそしんだ。こんな国って日本をはじめ極東アジアの数国しかありません。
安部首相が、トランプ大統領やブラジルの何とか大統領のように、「このウィルスは恐れるにあたらない。自由に行動し、繁栄を謳歌しよう」と音頭をとっていたとしたら・・。
企業はじめ国民の多くはそれに続けと普段通りの生活をしたでしょうね。まあ20%ぐらいは、やや自粛モードの生活をおくったんじゃないでしょうか。
その結果、現在と同じ死者数が維持できたとしたら、安倍首相は世界のヒーローになれたかもしれません。
つまりです、現在の死亡者数は現在史の一コマを著わす数値でしかありません。
「今までの政策に対するアセスメントを誰もしていない」のは、たぶん誰もができないからでしょうし、評価した結果が裏目に出た場合の責任を取りたくないのでしょう。
安部首相は地団太を踏んでいるかもしれませんが、感染者数の増減で視聴率を稼いだマスコミはほくそ笑んでいることでしょう。
日本人はもっと自力で考え判断できる、何ものかを身につける必要がありますね。個人では難しいですから、サークルとか、ネットの仮想コミュニティとか・・。
コロナで私たちの意識が高まり、未来を切り開く契機になれば、と思う次第です。
長文になりました。これからもよろしくお願いいたします。
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