小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

わが家のポルターガイスト現象

2017年10月20日 | 日記

 

生まれて初めての経験である。いい歳の人間が超常現象を語るなんて馬鹿げている。わが家に突然、おかしな現象、超常というか霊的というか、科学では証明できないようなことが重なって起きた。その事実を、科学者あるいは識者が観察したのなら、つぶさにその原因と結果を解き明かせる現象だと思いたい。無知な私たちに優しく説明できる、ある条件下では発生するありきたりの現象だと言って欲しい。

事実は観測され、その結果と状態は科学的方法によって認知できる。あるいは、同様の現象をつくりだす実験を繰りかえし、事実であると証明される・・。

理科系の人間でないから、それらしい言葉を羅列して定義しようと試みたが無駄だ。しょうがないので、冗談として後で笑って過ごせることを願って、取りあえず起きた事実を書き残すことにした。


朝、眠りから覚めてぼんやりしていたら、机の上のLEDスタンドが煌々と灯っていた。前夜はなんの作業もしなかったし、電気を点けた覚えもない。妻が起こしにきたのかと訝んでいたとき、エアコンが突然ひとりでに運転しはじめた。これは変だと思い10秒ほどして、やはり本格的に起きようとしたところ、エアコンは止まった。スタンドの電気を消して、階下に降りていった。

何か可笑しなことはなかったか妻に尋ねると、テレビ台に内蔵されているスピーカーの電源が入ったままだったと言う(使っていないし、電源を入れていなかった)。

自室の異常をささやかに報告すると、「あなたの先祖の霊がしたんじゃないの」と、妻はちょっと揶揄するようにいう。昨夜、ちょっとした家庭内のいざこざがあって、そのことに引っかけて私を詰(なじ)っているのか・・。

なにか突発的な異常電流が流れてきて、考えにもおよばない電気関連の何かが、超常現象を引き起こしたのだろうか・・。

しばらくして、トイレに行った。シャワートイレが温水になっていた。寒い日が続いたので、妻が気をきかせたのだろうと思った。用を済ませて便座から立ち上がると自動的に水が流れた。ふだん節約のために自動洗浄装置は使っていない。ハンドルを手で回して、水を流すことなど面倒ではない。だから、節約好きの妻が電源スイッチをわざわざ入れる筈がない。おかしいと思い、電源コントロール盤を開けると、自動洗浄と温水シャワーの電源スイッチはなんと[off]になっている。オフなのに作動した。


背中がぞっとした。冷たいものが背筋をスーッと流れる、そんな震えがきた。触ってもいない電気スイッチがオンになっていたり、オフであるのに作動する。妻が言ったように「先祖の霊」の仕業? いわゆるポルターガイスト現象なのだろうか。

他になにか異常がないか、各部屋をチェックした。風呂と給湯のメイン電源がオフになっていた! これはもう24時間、点けっぱなしだ。新築して足かけ16年間ほど、何の異常もなかった。夏でも洗面台で顔を洗うときなどお湯を使うことがあるから、メイン電源は点けていた。それが消えていた。誰が、何のために・・。

私の家以外にも、他の場所でも、なんか異常が起きていないか。その後、同じような事象に基づく事件があるかないかを気にして、四六時中ニュースをチェックした。家庭内の異常でなにか事件が起きたようなニュースはなかった。ただ、自衛隊のヘリコプターが原因不明の事故により墜落、そんなニュースが2件ほどあった。何処かの工場で停止中の電源が入って、それが元で事故(火災)だったかの報道があった。それが当日のことだったのか、最初の部分を見逃したので、確認はとれていない。


笑いごとで済ませていいものか。先祖の霊の仕業としても、やることが大袈裟である。誰か、科学的な解説ができる方がいたなら、どうか説明していだだきたい。

この記事は、余りにも馬鹿ばかしい話なので、後になって削除するかもしれない。いや、そのように願っている。一度に6か所の異常が起きるのはレアに違いないが、いまのところ、先祖の霊の存在を暫定的に信じるということにした。

忘れ去られようとしている我がご先祖様が、もっと信心を深めよと警告しているのだろうか。妻曰く、私たちを見守るために、いつまでも仲良くしなさいよと・・ここに居る。いずれにしても私たちは前向きに、自分たちに都合のいいように考えることにした。

この記事を笑って削除できるように祈るしかない。

全然関係ないことだが、カズオ・イシグロの「忘れられた巨人」を読みはじめた。大昔のイングランドで、私たちが経験した似て非なる不思議なこと、受け入れがたいことが老夫婦に起き、二人は顔も忘れてしまった息子に会うため旅に出た。忘れてしまったことを、忘れさすまいという何かが物語を回しはじめた。



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