小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

報道写真展、車椅子で観る

2023年12月23日 | 日記

年末の報道写真展を観に日本橋三越へ行った。わが家の恒例行事といったところ。昨年は、正月を家で迎えるための一時的な退院の時だった。去年のブログを読み返すと、食事や病気のことなぞ、ぐだぐだと・・。最後に申し訳程度に、報道写真展に行ったことを書いている。実際は内容がどうだったのか、具体的にふれていないのは何ぞやである。

外出すると決めたからには、新鮮な外気を吸い、人々の活力ある動きに元気をいただこう。そんな気持ちが、今の自分にとって最上のクスリである。とはいえ内実は、行くことが決定した二日前から体調は落ち、食欲のない不振状態が続いていた。家を出てみれば、20mほど歩くと息切れし、咳が出て疲れを感じた。ドラクエではないが、毒の呪いをかけられ、歩くたびにHPポイントが減ってしまう。それに等しい消耗度だ。

本格的な冬の訪れが近づいたのか、その日は晴れなのに寒気を肌で感じた。その分、体はやや怠(だる)い。大手町で半蔵門線に乗り換える段になって、歩くのが急に辛くなった。三越まで辿りついたはいいが、玄関のロビーでしばらく座って考えた。出かける前から車椅子で行くことを妻は提案していたが、やはりその考えに従うべきだった、と。

自立して歩けるうちは、好きなところ行きたいところに行く、そんな強い気持ちはあるのだが・・。病魔は少しずつ浸食し、体力を無理につかうと、体は脳の命令についていけなくなる。頭と体の分断がおきている。未だに車椅子を使うことに抵抗を感じる愚生。その意固地な判断の半端さを改め、三越の車椅子を借りることにした。

会場は思った以上に空いていた。会期終了の1日前、午前中だったせいか、車椅子で観覧するにはもってこいと云えた。ただ、椅子に座って仰ぎ見る姿勢だから、スマホで撮ると上からの照明が写り込む。仕舞いには首も疲れてきて、一つひとつ鑑賞せずに、後ろ側からすーっと見るようにした。座っていても疲れるのは尋常ではない。家人にはゆっくり見てもらって、小生は会場から少し離れて待つことに・・。

こんな具合の報道写真展探訪だが、年末のやるべきことはやったんだ、と少しホッとした。全体の印象だが、SNS隆盛はここにもといった感じで、主に新聞紙上を飾るスチール写真はすべからく小粒な感じがしないでもない。また、ウクライナ戦争も2年目に入り膠着している。10月にはイスラエルでハマスのテロが起きたが、海外情勢のトピックは例年より少ない。今回は、大谷翔平のWBC優勝を筆頭に、ラグビー他スポーツ関連が気を吐いた2023年だったといえる。

車椅子を押してもらいながらのスマホ撮影は不馴れなので、これはと思ってシャッターを押したものは、後で見直すと案の定インパクトは薄い。その少ない撮影から何枚か下に掲載する。その後、日本橋で外食する予定であったが、地下でお弁当を買ってゆっくり歩いて帰宅。ま、外に出て、車椅子に乗りながらも恒例の行事をクリアした。それだけでも満足感が得られたのは幸いである。

 

▲小生にとっては、大谷くんがNo.1だった。新球団との契約も破格だったが、野球で勝つ、仲間と共に優勝する、そんな純粋な気持ちからだ。高校時代に作った彼の「野球曼荼羅」、モデルはありそうだが、野球関係者のみならず誰にとっても参考、研究の対象になるだろう。

▲史上初の八冠独占を達成した、将棋の藤井聡太さん。こんなこともやらされていたのか、と驚きのショットだ。

▲浅草の三社祭。下町の人間は神輿を担ぐことはある種のステータスであるし、元気がもらえる。

▲ウクライナ関連。バンクシーはウクライナにも行ったんだ。日本の報道カメラマンは、近ごろ前線に近い危険なところは行かない。致し方ないことか・・。

▲今回の報道写真展のなかで、個人的には、もっとも今年の人を象徴した写真として表彰したい。我が道をゆく、一人の閣僚が階段を上っている。独善的な雰囲気を感じるのは小生だけだろうか。誰であるか、お分かりであろう。

 

追記:我が家の報道写真、今年のNo1!

 家の近くの電柱に見たことのない派手なチラシが貼ってあった。見ると飼っていたインコ(?)を探す、自家製の広告チラシであった。色使いにメリハリがありよく目立つ。田端に住む方で、2駅も離れたところの電柱に貼ったのだ。可愛い小鳥は見つかったのだろうか?


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