小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

言葉も被爆する?

2016年08月06日 | エッセイ・コラム

 

狂おしい狂おしき原爆ドーム

  


東京新聞に連載されているシリーズ「平和の俳句」から。6日の朝刊に掲載されていた、愛知県の高校二年生谷久保泰樹くんの俳句を紹介する。

6月に修学旅行で広島に行き、原爆ドームを見学。そして、爆心1.7キロの高等女子高で被爆した柳川良子さん(当時16歳)の話を記念資料館で聞いた。そのときの強い印象から「狂おしい」という言葉が浮かんだという。

若者らしくない言葉の選択だが異和感はない。「狂おしい」の言葉は率直に響き、反復され、より悲惨さと憤りが増幅されてくる俳句だとおもう。

70年ほど重ねられた歳月の重みと、被爆した多くの人々の慟哭さえも伝わってくる。

高校生の男子が発した言葉だけに、それはいっそうの愕きを感じた。同じ十六歳ということで、柳川さんの生きた証言が泰樹くんの胸を打ったのだとおもう。

じぶんでも詠みたいと思ったが、もがいてもこれほど句を作ることができなかった。情けないと思う。



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