小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

秋葉原に行ったのだが

2017年11月27日 | まち歩き

 

▲歩行者天国。万世橋から御徒町方面をのぞむ。

何年前だったか、秋葉原の中央通りの路上で大量殺人事件があった。一瞬、その惨事の映像が脳裏をよぎった。実際には、多くの人たちが楽しそうに行き交う、和気あいあいとした歩行者天国の光景。平和で安心に満ちた現実を目の前にする。ISがEU諸国で実行したテロ事件を考えるなぞ厳に慎め! と、天からの声が聞こえる。なんて無駄口を傍らの妻に呟いてみたかったが止めた。

日本人と同じ顔に見えて、中国語などアジア各国の言葉が各所から聞こえてくる。英語をネイティブのように話すアジア人もいる。シンガポールやマレーシアから来た人たちだろうか。
髪をスカーフで覆った中東の女性たちや欧米の人たちも入り混じり、秋葉原という街はすっかりグローバル空間、サイバーチックで高感度な街になった。

    

▲秋葉原の猥雑さは独特、歌舞伎町にはない明るさがある。メイド喫茶の可愛いお嬢さんが、老人の私にも笑顔でチラシをくれた。こんど行こう!

駅周辺はいつのまにか高層ビルが林立。電気街のごちゃごちゃした昔のビルも、中層階の新ビルに様変わりした。どれもが青少年の好むアニメ・ゲーム専門のビルに見え、裏通りに入ると、例のコスプレをきたお嬢さんたちの客引きの姿がまぶしかった。

好奇心全開で、若い人たちに混じって全館マニアックな商品をうるビルに入る。少年向け、女子向け、男子向けのフロアにはっきり区分され、カテゴリー別にいろいろ売り場が構成されているようだ。静かな熱気というか、大人たちがロボットのおもちゃやらアニメキャラのフィギュアを喰い入る様にみている。誰もがぶつからないように、するすると歩くのは素晴らしいと思った。

 ▲一箱ずつマニアが自作のフィギュアを売るフリーマーケット。一体が1万円以上するものも・・。すべてを売り切った箱もちらほらと見かけた。

中央通りの住友の高層ビルに行く。1階のイベントスペースでは、「多文化フェス」が開催されていた。バリ島やインドの民族舞踊のショーが行われていて、かなりの賑わいを見せていた。フードコーナーでは、各国の屋台風のキッチンカーからそれぞれスパイスのきいたいい匂いが漂う。フィリピンの鳥料理プラス魚介スープで遅めの昼食をとった。

▲バリの民族舞踊。ゆっくり踊るという動作は、やはりコミュニケーションであり、文化だ。

この日は、東京都主催の「おもてなし外国語フォローアップ研修」に参加するのが私のメイン行事。といっても1時間ほどの研修なので、たぶん外国人による講習だろうとふんでいた。これに参加するのは抽選で、参加できたのは運がいい方なのだ。先に行われた本講座には10回以上応募して、やっと参加できたという人もいた。なかなかの人気であり、この日は総勢400人の参加者(ほとんど中高年層)だったのだが、欠席者はないに等しかったと思われる。

研修は、予想通り在日イギリス人の方による講演オンリーの内容。「日本と海外の違い」が主たるテーマで、文化・習慣などの違いを語るのだが、ほとんどを日本の特長や特異点を挙げるにとどまる。BS番組の「クール・ジャパン」の要約のような中味で、あまり新味がなく残念だった。講師の方は、外国人が日本企業で働くにためのコーディネートをされているらしく、日本を紹介するのがうまいのだが・・。

日本語は流暢で、話すときの「あのー」まで日本人風。あまりに頻繁にでてくるので、逆に耳触りな感じがしたほど。英語の「you know」の合いの手というか、つなぎの言葉をはさむ感じで「あのー」を覚えたのであろう。

英語では「you know」の頻度が多い人は、知性のほどを疑われると聞いたことがある。人前で話すときは、日本人でも緊張して「あのー、えーと」などの言葉をはさみながら話をつなぐ。それはしょうがないことだし、話を聞く人たちも大目にみるのが当たり前だ。ただし、プロの話し手ならつなぎ言葉を使わずに流暢に話すであろう。外国人の方がその辺の事情をのみこんで、ゆっくりと正確に話したら、まず日本のビジネス界では一目置かれること間違いない。

さて、この日の研修での成果。「おもてなしは、言葉ではない。行動すること、それがいちばん」。日本人らしい笑顔、というよりも「人なつっこい微笑」(A disarming smile)を忘れずに、ということを必ず実行しよう。

その後、途中でわかれた妻と合流し、御茶ノ水方面へ散策した。秋葉原はほんとに洗練され、綺麗になったと感心することしきりだった。

 

  

▲懐かしの赤煉瓦造りの高架。いまは『Ecute』といって、中には洗練された店並みが続く。この向こうの昌平橋側に交通博物館があった。小学生の頃は年に1,2回行った。 

 ▲サティ風の生ピアノ演奏もあって、上品でお洒落なムードがいっぱい。

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。