小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

啓蟄の日に

2015年03月06日 | 日記

今日は二十四気節のひとつ啓蟄である。冬眠していた動物たちが、春をかんじてそぞろ動き出す。そんな季節の、潮目のようなものであろう。
「蟄」は、かくれる、ひそむ、とじこもるの意で、その状態から「啓(ひら)」かれるので「啓蟄」という字を当てたのか。
英語では直訳はできないと思うが・・あるとすればご教示願いたい。
さて、我が家にいる生きものたちは、めだかと亀がいる。両方とも半冬眠の状態でじっとしていてエサを食べない。亀たちは水もほとんど飲まない。
それでも陽気がいいと、ちょっと外界の様子をうかがう感じで出てくるがほんの束の間。
冬のあいだは死んだように動かない亀は二匹いて、ミシシッピアカミミがめ(通称ミドリガメ)とくさがめがいる。


最初は二匹ずつペットショップで買った。両者とも五百円玉ぐらいの大きさで、その可愛さだけで四匹も飼いはじめたのだった。
ミドリガメの方は現在25センチもあり、くさがめは10センチほど。
わたしの不手際で一匹ずつ死なせてしまったが、残った亀たちはもう二十五、六歳というわけだ。
生物学的な寿命でいえば最晩年だが、外見的な変化はまったくないのが不思議といえばふしぎ。
これまで冬のあいだでも水のなかで飼っていたが、去年から冬は外に出した。

とはいえ、部屋の片隅にある家具の隙間のようなところに、毛糸やフリースの古着にくるまってじっとしている。
一週間ものあいだまったく動かないこともあるが、陽気がいいときには様子をうかがう感じで顔を見せる。
表情がないに等しく、人間になつくような素振りもない。くさがめの方は小さいくせに足の指を噛んできたり、こちらが移動すると「待てっ」とばかりに追いかけてくる。
亀にしてはたいそうなスピードで、甲羅が床にあたりカタカタと甲高い音を出しながらついてくるのだ。可愛いといえるのはそれぐらいだ。
二十五、六年も一緒にいるから家族のようなものか。啓蟄をむかえてこれからは、エサもたべるし下の世話もしなければならない。

上記写真は去年の秋ころ

犬や猫を飼っている人ほどの感情移入や世話はないが、生きものが身近にいる環境はわるくない。
こうした日本のなんでもない平和がいつまでも続くことを願うこの頃である。

追記:防衛省内の「文官統制」規定の廃止、武器輸出禁止三原則の事実上廃止ともいうべき「防衛装備庁」の新設が、今日閣議決定された。また、集団的自衛権における武力行使の三要件も法制化への実現に揺るぎないものとなった。
着々と「戦争を厭わない」未来のカタチが出来つつある。啓蟄の日に「戦うぞー虫」が這い出てきたようだ。若い人々の無関心、とりわけ女性たちの安穏ぶりはどうしたものか。何も考えない、行動しないのは戦前の日本とほぼ同じだ。結果が見えるだけにおそろしいことだ。

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2 コメント

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ペットの世話 (Tokyo Doll)
2015-03-17 15:19:49
昔、弟が亀を飼っていた事を思い出しました!
我が家は、ペットを飼うのは御法度だったのに
亀は、なぜか許されていた... (・・?)
亀は、食事と下の世話を あまりしなくてよい のですね。
私は、小学生の頃、犬を飼いたかったのですが、母に「 ウンチやオシッコをする動物を飼っては ダメだよ o(`ω´ )o 結局、ワタシが面倒を全てみるハメになるのに決まっているんだから!!」と強く言われて、しかたなく犬屋へ毎日のように通って、ただ[ 犬達を]眺めていました... ( ̄^ ̄)ゞ
大人になってからも、カナリア諸島で人様の犬に とても懐かれて[ 犬が ]愛おしくなり、再び飼いたくなってしまった時期がありましたが、その頃は海外へ行く事が多く、泣く泣く諦め... (>_
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Unknown (フジ)
2015-03-19 18:02:50
 ありがとうTokyo dollさん。
ペットを飼う家庭環境やらその代表的な犬猫への関わり方のスタンスは、ほぼ私と一致していまね。
ある種の生活の余裕の認知と、許容限度がペットの存在理由なのかもしれません。つまり、親は現実の生活を重視しますが、子供はそんなことは知ったことではない。
 ところでカナリア諸島の犬に懐かれるとは、稀有といっていいのでは?  
だって大西洋やカリブ海の諸島って欧米のお金持ちのアジール・アイランド。そういうところで生育した犬との交流は、優雅といっていい物語が生まれても不思議ではありません。
 羨ましいな、ほんとに・・。Tokyo dollさんの弟さんと同じく、私にとっても亀とふくろうはある種の「物語」があるはずなんですけどね。でも優雅さのかけらもないんです。
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