小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

作句は細々と、諦めずに

2021年12月01日 | エッセイ・コラム

作句はつづけたい②

最近、俳句について書くことがおろそかになっている。詠んだときの季節感とか季語の味わいを感じてもらうには、間をあけないでブログに載せるべきだ。
半年前のものを披歴しても感興は弱く、季を寄せる俳句の印象も乏しいものとなる。性根が忠実(まめ)ではないから、いつも情けない後悔をしてしまう。

以前「作句はつづけたい」というタイトルで4カ月分まとめて掲載したが、今回も同じ轍をふむことになった。
1カ月に5句は少ないと思われるだろうが、実力とはこんなもんである。実際にはもっと詠んでいるが、同人誌に載せてもらっている拙句のなかで、少しましな句を提出している。これ以上書くと、ボロが出るばかりだからよそう。

最近のものから古い順に掲出する。ひと様に晒すことで向上心を保ちたい。

(11月)
風に揺れ夕陽を揺らす枯れ芒
枯枝になりて生きとし蟷螂や
ほつくりと酔ひて帰りぬ冬銀河
落葉満つ池の水面の静寂(しじま)かな
老いてなほ知友を憶ふ古日記

(10月)
前歩く人のポンチョは霧に消ゆ
秋雨の山蛭潜む靴のなか
柿を剥く刃の切れ味に脳軋む
新酒呑む吾(あ) 山頭火になりにしか
芭蕉葉の帆は高くして戦ぎけり

山中で振り落としたが、なおも靴下のなかに潜んでいた山蛭。

バナナの葉は帆のようにゆったりとそよぐ。

(9月)
 日和山ハイキングにて詠む
秋日や木立は耀り線のごと
秋桜は色とりどりに風の妙
訪れる人の数ほど彼岸花
秋郊の見知らぬ人は笑顔かな
爽やかな林道を踏破する足

(8月)
墓に住む猫は舐めたる露の玉
苦瓜の棉の行方を考えをり
曼殊沙華かなしみは一蹴す
亀斃れ往生せよと秋の空
秋暁やコロナは見えぬ芥は見ゆ

寿命25年とされた我が家の亀、「イクラ」は34年の生を全うした。川崎の王禅寺にあるペット霊園にて供養。

もう一匹のクサガメ「しめじ」は元気で、これから半冬眠の状態で活動をやめる。

(7月)
炎帝に臥す樹々黒く居並びて
蚊一匹に蚊遣りたてたる不経済
夏雲や勝負を挑む声澄みて
焼け跡の塔礎に坐る露伴忌や
かき氷隊列組みて喰う元気

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。