小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

原民喜を偲んで

2018年08月06日 | エッセイ・コラム
  梯久美子が岩波新書で『原民喜』を上梓した。「その繊細な精神は、過酷な運命を生ききった」と、宣伝文にあったが「生ききった」どうかは彼の胸のうちに秘められている。彼女が書いた評伝なら読んでみたい。 私の生後5か月ほど1951年3月13日、中央線吉祥寺・西荻窪間の鉄路に原民喜は身を横たえ自死した。自宅には、近親者・友人宛の遺書が19通あったという。 遡ること6年前。1945年8月6日 . . . 本文を読む