カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

船戸与一 『降臨の群れ』 集英社文庫

2016-05-09 16:22:18 | 本日の抜粋
一九九九年一月、インドネシアのアンボンという島で、イスラム教徒とプロテスタントのすさまじい殺し合いがはじまり、三か月間で合わせて二万人以上の死者が出たという。その後、イスラム教徒とプロテスタントの村ははっきりと色分けされ、対立が続いている。(吉野仁の解説より)

この本の舞台と時代である。
徳さんは例によって何も知らなかった。
世界は知らないことだらけである。

でも、この本の基調である人々の憎しみの有り様は、現在も変わりない。残念ながら。

 *****
「どうなると思う、バリ島爆破でアンボンは今後?」
「おれに訊くなよ。そういうことはアフマド師やラスカル・ジハードが考えりゃいい。おれたちは断食月にはいったら徹底してプロテスタントどもをぶっ殺すだけだよ。そうだろ、シャキブ、それ以外は考えたくもないよ」
 *****

思考は止まっているが、憎しみだけはたっぷりとこの若いイスラム教徒の胸に詰まっている。
事情はプロテスタント側にとっても同様だ、、、。


物語の終わり近くで、そのイスラム教徒をも欺くテロリストが哄笑する。

 *****
歴史が歴史のつけを支払わないかぎり、わたしのような人間はかならず現れる!それは二度や三度じゃない、永遠に現れると思って欲しい!そして、歴史のつけは絶対に支払われることはない!
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読んでいてやり切れなくなる一冊だが、冷静に現実を見なければなるまい。




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