カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

夏季休暇の余韻3 森崎和江*中島岳志 『日本断層論』

2012-08-31 18:20:40 | 本日の抜粋

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中島 森崎さんは、『からゆきさん』のころ、からゆきさんにも産んだ女と産まない女の断層があると意識されてきた。そこから目を背けず、問題に真っ直ぐ向き合って、話を聞こうとされてきた。ここまでのお話から、森崎さんはさまざまな場面で、すごくしなやかにいろんなものを乗り越えられてきたという印象を受けました。
森崎 それしかできなかったんですねよね。どうしてか分かりません。意識してそうしたわけでもないんですけども。それでその見えてきたものについて、「なぜなの?なぜこれがあるの?」って、その人たちに近づいてしまうんですよ。そしたらまたその人たちが受け止めてくれる。「泊まりなさい」とか言ってね。たいていどこに行っても泊まれって言われました(笑)。方言も最初は分からなかったんですけれども、二、三日もすると、わかるような気がしてね。文字よりも仕草、身体表現とそして日常的な食べ物だとか、そういう暮らしの中での交流みたいなのは、とても具体的というか、そしてある意味で、「日本の断層」を知らせてくれる、そういうことがありましたね。
中島 そこがすごいと思います。やっぱり、自分がある枠組みをつくった瞬間に見えなくなるものって、たくさんあると思うんです。その枠組みを作っては壊し、つくっては壊し。森崎さんは、壊すことをまったく厭わないですね。そこに他者がいることをまず尊重する。そして耳を傾ける。
森崎 「異質な他者を受け止める力が、どうして日本にはないの?」と思うわけよ。それは意識してきました。

 森崎和江*中島岳志 『日本断層論』より NHK出版新書

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83歳になる森崎和江。
孫の世代に当たる中島岳志が福岡県宗像市の国民宿舎に三日間泊まり込んで集中インタビューを試みてくれた。

インタビューの場所もらしくていいや。

おかげをもって、今まで断片的にしか受け止められなかった森崎和江の通史が整理されることになった。

それにしても、森崎和江の自然体、というのは凄い。
思い返せば、森崎和江の中に、政治的な振る舞いというのは一切なかった、、、。
人からアカと呼ばれても、そこにある実態は割烹着を着たおばさん。
ただそれは、我が子のためとか、我がだんなのためにと限定されたものでなく、不特定多数の未組織労働者、不可蝕選民にも対応した割烹着、だったということだ。

この20行の抜粋の中にも、その凄さが詰め込まれている。

無意識の意思。
会話不能でも意思を通じさせる。
警戒心をほどくどころか、寄り添って寝て行け、とまで言われる。

異質な他者をとことん受け入れる森崎の振る舞いを、天性のもの、資質によるものと、いわばあきらめにいた心境で眺めるのでなしに、自らの課題として行きたいものである。

徳さん、老い先短いが、、、、。


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