カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

真山仁 『ハゲタカ』 講談社文庫

2015-08-22 19:44:12 | 本日のしりきれとんぼ
新宿は通勤途中駅なのでどうしても新宿の高層ビルを見上げる。
最近は、奇をてらったデザインが評価されるようで、エッとか、オットとかの声をあげさせられる建造物が多い。
それが他の建物と協調関係にあればいいのだが、みな、俺が俺がと吠えているだけだ。
「不揃いの林檎たち」というのは肯定的な表現だが、「不揃いなビル群」というのは戴けない。

街並み、という愛すべき情景があった。
それは暗黙の協調心、共生心を土台にしていたはずである。
それが今、確実に崩壊している。
そこにあるのは、目先の利益、利潤。
そして、偏狭な自己確認、自己満足。


さて、徳さんには縁遠い世界だが、患者さんの中にはそのビル群の中で働いている人も何人かいる。
高所で仕事することに何となく生理的な不安感を訴えている。

当たり前だ。
人間の遺伝子設計に、高所での生活は設定されていないのだから。

でも、高層ビルの最上階に棲息することに適応する人たちがいる。
その一部が「ハゲタカ」と呼ばれる乗っ取りファンドである。

この小説は、主人公にある理由を持たせ彼の行動を正当化しているが、現実の乗っ取り屋は純粋利益追求のけだもの達なのだろう。
そんな破廉恥な行動に、紳士面した大手銀行が常に関与しているのも見逃せない。

大手金融機関と政界とヤクザ世界の癒着だって、誰もが知っているが、誰も触れない。

ああ、ヤダヤダ、、、。


日本人の死亡理由で多いのは、病死を外せば自殺だという。
なのに、その自殺理由の解読はほとんどゼロに近い。
誰も本質には触れないことによって、この世を成り立たせようとしている。
負の遺産を謙虚に解析する行為の中からしか未来は無いというのに、、、。

この小説は、一人の中小企業の社長の大蔵省での割腹自殺から始まる。





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