カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

荻原規子 『RDGレッドデータガール はじめてのお使い』

2014-02-02 17:47:48 | 本日の抜粋

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 見られることが怖いのは、傷つけられるのが怖いからだ。見られることが恥ずかしいのは、自分で自分を否定しているからなのだ。このような自分がここにいることを、心の底から認めていなかった。これほど冴えない鈴原泉水子ではなく、他のものになりたかったからだ。

 荻原規子 『RDGレッドデータガール はじめてのお使い』より 角川文庫

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柄にもない物を読んでしまった。
少年少女向けのファンタジー小説だ。
しかし、66歳のじじいが読んでも面白かった。
全6巻とあるので、きっと近日中に読んでしまうんだろうな。

何が面白いんだろうか?

一つは、精神的にも肉体的なひ弱な少女が、本人の意思に関係なく襲って来る試練に立ち向かうことによって成長していく、その過程が面白い。

そして、この小説自体の背景設定が興味深い。
修験道、今はめったにお目にかかれない山伏の世界を扱っている。

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「修験道はね、山にある自然そのものを信仰する道なんだ。行者は山中に分け入って、他界におもむき、山の霊力を身につけて里に下る。山の巨大な岩根がたたえている力に感応する力は、人々が神や仏をそのような姿で見いだす以前からあった、古い古い能力だったんだよ。だから、修験の行者は、本来ならば仏教徒でも神道家でもない。教義を習合して表現してはいるが、在り方は太古のそのままで、今ある宗教とは厳密に一致しないんだ」
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だってさ。
明治政府によって根絶やしにされた修験道の怨念を背景とした、少年少女向け小説。
って思って読めば、面白くないはずがない。


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