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司法、教育、福祉、そして…

2009-10-03 22:13:26 | welfare
今日は、弁護士の先生のお話を3時間聴講した。

名前が一致していなかったのだけれど、先月参加したシンポジウムの主宰者の先生だった!

おそらく、この業界(SSWの活動や教育福祉的な分野)では有名な先生のようで、お話を伺えることをとても光栄に思った。

子どもたちの問題行動の背景にあるものを、細かく分析され、アセスメント(見立て)の重要性を説かれた。

今の仕事をするようになって、弁護士さんのお話を聞く機会がたまにあり、弁護士さんの福祉的視点は少し福祉専門職とは違っていて、それを「冷たい」と評する人の話も聞いたことがあるが、私は弁護士さんの視点はとても科学的で納得できることが多いと感じている。

表現するのは難しいけれど、社会的正義の視点や、効率的な時間の使い方、科学的根拠の重視、結論を重視するなど、いろんな要素が絡んでいると思うが、少し立場の違う人の考えを聞くことは、客観性という点でもとても大事なことだと思う。

実際には福祉的心だけでは解決しない事が多いということを福祉専門職は、しっかりと自覚しておかないといけないと思う。

先生は、3時間の間一貫して、子どもたちの自己肯定感、自尊心、自信、愛着行動、愛されていること、安心感…このような言葉をキーワードとして繰り返された。

そしてきちんとしたアセスメントさえできれば、プランニングはそれほど難しくないと、それを理解するには十分な内容の授業だった。

先生の言葉はおそらく多くの出逢いと経験から導き出されたものだろうが、この先生の子どもたちへの深い愛情と思いやり、そして、弁護士という職業からおよそ想像がつかないライフワークとしてのこうした活動への熱意と強い信念が感じられた。

SSWは、当事者である子どもの環境調整がその大きな役割であるけれども、私たちがエンパワーするのは実は教員であるということであった。

なるほど、それはいわゆる間接援助技術というもので、教員と子どもの信頼関係をどのように守り、あるいは再構築していくか、時には教員自身が子どもや保護者との摩擦で自尊心や自信を喪失していることがあり、それをエンパワーすることが、すなわち子どもの最善の利益、子どもの幸せにつながるということは、とてもよく理解できた。

私たちが黒子であると言われる所以はそこにあるのだろう。




午後からは元教員をされていた先生の授業で、教育基本法や学習指導要領について学んだ。

学校教育はある意味、国の方針や制度、組織に翻弄されているところがあるのだろう。

その世界はとても特殊で閉鎖的であると言われる。

私は、学生の頃から結婚して大阪に来るまでは、いろんな学校の小中学校の先生と話をする機会がたくさんあった。

当時からすれば、学校が抱える課題は多様で複雑になっていることは容易に想像できる。

けれども、子どもたちの本質は何も変わっていないと私は思っている。

子どもたちは本来持っている能力を十分引き出せない生きづらい現代社会で、もがいているように感じている。

ソーシャルワークの中でも、SSWほど難しいものはないと弁護士の先生は言われていたけれども、こうしていろんなことに思いを馳せていると、SSWの役割には大きな意義とやりがいを感じる。




その後、「貧困を越えて バングラデシュ報告」「闇に差す光 略奪の大地で~コンゴ民主共和国から」という世界子ども救援キャンペーンの報道写真展を見に行った。

前者は、船の解体現場で働く人々や学ぶ子どもたちを中心とした写真で、過酷な状況の中で、働く喜び、学ぶ喜び、生きる喜びが、生き生きと写し出されていた。

一方、後者は難民が身を寄せるキャンプ地や避難所での様子で、不安と苦悩の表情、様々な悲劇の様は、同じ地球でまさに今起きているの現実だと思うとやりきれなさばかりが残る。

日本の最高の撮影技術が映し出す、世界中でいまだ続く紛争とそれらがもたらす悲劇…。

豊かな日本で起きている課題と、世界のどこかで起きている悲しい現実。

その間にあるものは何だろうか。

その差は、その違いはどこから生まれたものだろうか。

子どもたちの苦しさは単純に比較はできないんだろうけれども、どこかやりきれない思いとともに、世界の平和と、子どもたちの笑顔と、そしてその向こうに、希望の光を見いだす日が訪れることを願わずにはいられなかった。



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