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岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

中国の未来。

2008-05-18 14:30:23 | 世界のなかま
今、中国に「未曾有」の災害が襲っている。
「未曾有」は国家首脳の発言だから、その危機感は並大抵のものではない。
一人でも多くの人が救出され、生き延びていただくことを節に願います。
こうしてパソコンに向かうのみの身に心は痛む。

中国について考えることは多い。
しかし、断片としてしか考えがおよばない。
日本のマスコミをみても、断片的な論評に終始しているが現状ではないか。

この日本の10倍という人口規模を持った国が、これからどのように
進んでいけばよいか。
隣人として自国のことと同程度以上に考える必要があるのではないか。
いまや、中国は米国以上に日本に影響を与える国になっている。
(米国も心配だが、中国に比べれば日本人が米国を心配しても影響は少ない)

私たちが日常使っている機器や用具の原産国は中国が圧倒的ではないか。
廉価で性能や品質もよくなっている(私はユニクロ愛用者)。
恩恵に浴していることは多い。

世界の労働者の中に中国人が占める割合をご存知だろうか。
26.0%(ILO報告)!
世界の労働者の4人に一人は中国人なのだ。
(日本人は40人に一人程度だと思う。)
その中国人が生産し米国と日本が中心になって消費している。
中国の公害が日本への飛来するのは、現在日本で消費している商品の生産過程の
公害と思っても間違いではない。
今や日本経済と中国経済は一蓮托生といえる。
「困った隣国だな」などと悠長に構えている場合ではない。

確かに中国には問題がゴビの砂漠の砂の数ほどあるというのは大げさだが、
12億人分はあるだろう。
胡錦濤国家主席が、来日時に中国を「発展途上の国」と自己評価しているのは
正しい。一方、この30年で中国が成し遂げたことも冷静に評価することも
必要だ。
にもかかわらず、中国の世界に与えるその影響力は正確には理解できていない。

一党独裁政権と市場主義という経験のない試みは、一定の成果を得た。
しかし、政権には、一党独裁につきまとう国民に対する過度の警戒心がある。
国家統治のために必要と考えられている国民管理は、、世界の人々が
求めて獲得してきた「人権」とは相容れない。
「人権」に対する考え方は日本人とて、水準以下(欧米諸国と比して)と
言わざるをえない。
中国にとって「人権」は、政権と国民のこれからの最重要課題である。
国外からの助言や提言、忠告に真摯に向かい合うことが不可欠である。

そのための人材は、とても豊富だ。
海外に出ている中国人の数は、聖火リレーを見ても驚くほどの数だ。
彼らが海外で学んだ「人権」に対する考えを、どのように生かすか。
それを模索しなくてはならない。
彼らは、お金のためだけに海外に出て行ったのではない。
自国のために自らの果実を生かそうと思う人は多くいるはずだ。

中国の政治を変えるための方法として、小さな改革の繰り返しという程度で
可能なのか。それとも大きな政争が必要なのかわからないが、
国を二分するような政治的混乱が許されるはずがない。

ソフトな改革を成し遂げること。
これこそ、「未曾有」で世界的に価値のある改革である。
隣国として、隣人として、自らの課題として、日本も取り組まなくては
ならないと思う。やりがいのある仕事ではないか。

今回の救助隊員の役割は、とても大きい。
イラク派兵とはまるで違う。
日中関係の改善の国民レベルの突破口になるのではないか。
このようなことが、歴史を作っていくのである。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (チン)
2008-06-21 16:43:10
コメントをいただき、ありがとうございます。
私のブログはまだまだ若いなので、ご指導をいただいたら、ありがたいと思っております。
また、今は日本における医療制度のいい面と悪い面について勉強しておりますが、これからも、ご成長をよろしくお願いします。
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チンさんへ (岩清水)
2008-06-24 12:23:16
こちらこそコメントありがとうございます。
ブログ、見させていただきます。

中国には中国の医療制度が必要と思います。
そのために日本の医療を研究・比較することは重要なことだと思います。
NHKで中国の医療の厳しさを見ました。
本当に価値のあることをチンさんは研究されて
いると思います。
がんばってください。
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Unknown (チン)
2008-06-24 19:16:34
 中国の医療制度の現状は良いと言え難いですね。
 いつまで日本みたいな皆保険になるか期待されるが、なかなか現実になれません。かなり夢だと言っても過言ではありません。
 中国政府はなぜか経済が一方で発展しつつ、「看病難」という問題はずっと放っておくか解明したいと思っております。
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「看病難」 (岩清水)
2008-06-26 15:50:04
コメントありがとうございます。
経済発展と医療制度の遅れについて、直ぐに思いつくのは、経済発展に金を使うために、ほかに使えない。経済的に余裕ができれば、医療にまわしたいという考え。しかしそれが現実的か?そのようには思えない。なぜなら、国民あっての経済発展だから。一刻でも早く社会保障制度つくりに取り組むことが求められていると思います。チンさん頑張れ!

自宅のパソコンを使えないのでチンさんのブログを見ることができません。URLをコメントに入れていただければ助かります。
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久しぶり (チン)
2008-07-11 12:49:28
最近、家のパソコンが壊れてしまって、ブログはぜんぜん...今回はちゃんとURL入力しましたが、よかったら、一度目を通してください。
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農村合作医療の高揚(1965年~1980年) (岩清水)
2008-07-12 11:11:52
チンさん。
ブログ読みました(一部分ですが)。
農村合作医療について理解できました。
80年以降は状況が一変するのですね。
都会青年は、やがて都会に戻るのですね。
続きを読みたいです。

日本の健康保険制度は、大政翼賛的国策の中で進むことになるのですね。
安心して国のために働ける環境をつくる。
しかし、それは選ばれた人々を対象にしていた。どのように社会福祉が国策に利用された
か、私たちにも欠けている視点です。
研究成果を楽しみにしています。
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