岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

映画『幼な子われらに生まれ』 コミュニケーションを考える。

2017-08-31 18:32:23 | 映画・DVD 

「子どもに貧困」はお休み。映画の話です。

浅野忠信と田中麗奈の、ともにバツイチ同士の夫婦を中心に家族を描く、三島有紀子監督の映画です。

 浅野の前妻には寺島しのぶ。田中の前夫は宮藤官九郎と見事な配役。

3人の子役も頑張っている。

観ていてなかなかしんどい映画です。

何がしんどい?

会話がしんどいのです。

男女の会話といっていいかもしれません。

主人公(浅野忠信)は、妻(田中麗奈)から、相談事を持ちかけられます。

妻はただ聞いてほしかったのかもしれません。

しかし、彼は「そんなこと、聞かれてもわからないよ」と会話を続けることができません。

身につまされることです。

夫は何か解答や解決策を示さなくてはならないと思ってしまう。

妻は相談と同時に会話をしたかった。会話が重要なのです。

例えば、女性が買い物に行きたいといって同行することがあります。

そして、いろいろ売り場をまわり、結局買わないで帰ることがあります。

この時に男性はせっかく買い物に出かけたのだから、何か買わなくてはならないと考えます。

女性は、買い物にきてブラブラしたことでおおよそ満足しています。

やぼな男性は、せっかく時間をかけて買い物にきたのだから、成果としてなにか買ったらと考えます。

女性は経過を楽しみ、男性は結果を求めるのかもしれません。

三島監督の映画の作り方に浅野さんが苛立ち詰問する事が多かったようです。

浅野さんは、今がテンションも上がりショットを撮るチャンスと感じた時に監督は撮らないと感じたようです。

監督はもっと時を待ちます。しかし、子どもたちはテンションを持続できない。このような課題が発生します。

できた作品を観た浅野さんはすぐに監督に謝罪します。

映画の出来に満足したのでしょう。

(私は田中麗奈さんにも驚かされました。「写るんですよ」の美少女の今の演技、観てください)

実際の集合住宅の狭い空間での撮影です。それ自体ストレスが溜まりそうです。

(ロケは兵庫県の名塩で行われました。ポスターの階段状の集合住宅です)

監督はアングルに神経を注ぐことに対して、タイミングを重視する浅野さんはiphoneでも映画は撮れると考えます。

この葛藤からこの映画は生まれました。

ただ、この映画は男女のコミュニケーションという枠では終わりません。

ご覧ください。

異性コミュニケーションについて、wikiの記事に参考になるものがありました。

以下に転載します。

Wood 教授は、男性も女性も、どのようにすれば異性とうまくコミュニケーションができるかを説明して、次の6つの提言を行っている。

  1. 相手に対して善悪の評価を下すのは止めよう。
    異性に対する会話がうまく行かないときに、何が起きているかを理解せず、どうすれば相互理解が得られるかを把握せずに、相手を悪く言うことは、止めなければならない。
  2. 異なるコミュニケーションの方式に対しても、それが正当であることを認めよう。
    女性は人間関係や感情を大切にしているが、それは競争を行う男性のコミュニケーションの方式を尊重する意思が無いことを示しているのではない。同様に、男性は仕事の結果を重視しているが、それは他の人への思いやりを示す女性のコミュニケーションの方式を尊重する意思が無いことを示しているのではない。Wood 教授は、異性間のコミュニケーションにおいては、男性であれ女性であれ、どちらか片方だけの方式を採用するのは不適当であると述べている。男性と女性が、それぞれ異なる目標と、異なる優先順位と、異なる基準を持っていることを、全ての人は認めなければならない。
  3. 相手が翻訳する手がかりを与えよう。
    前項の提言に従えば、あなたは、男性と女性が異なったコミュニケーションの方式を身に付けていることを理解できるであろう。さらにあなたは、自分が伝えたい事を、相手が翻訳するのを助けることを思いつくであろう。これは、非常に重要なことである。なぜなら、自分の性文化に無いコミュニケーションの方式を、助け無しで自動的には理解できないからである。
  4. 翻訳の手がかりを探そう。
    異性間の相互交流は、翻訳の手がかりを探して正しく反応することにより、改善させることができる。相互交流を建設的に改善させると、異なる文化に属する人からの反応を改善させることができる。
  5. 自分のコミュニケーションの技術を発展させよう。
    相手のコミュニケーションの方式を学ぶことによって、相手の文化について知ることができるだけでなく、自分の文化についても知ることができる。オープンに学んで成長して、相手の文化で大切にされていることを取り込むことによって、自分のコミュニケーションの技術を改善させることができる。 Wood 教授によれば、男性は、どうすれば友人を支援できるかについて、女性文化から多くを学ぶことができる。同様に女性は、どうすれば何かをしながら親しくなれるかについて、男性文化から多くを学ぶことができる。
  6. Wood 教授は、6番目の提言として「相手に対して善悪の評価を下すのは止めよう」と繰り返している。
    これは、特に重要な提言である。なぜなら、評価を下すことは、「他者を評価し、我々自身の立場を擁護する」という西洋文化の一部であるからである。性文化は、相手の性文化を評価し、自分の性文化を擁護するのに忙しくて、効果的な異性間のコミュニケーションを行っていない。異なる文化の間で、効果的なコミュニケーションを行う際には、相手を善悪で評価をしないことは、最初で最後の重要な原則である。

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