
京都の自宅に帰ると市立図書館から借りた書籍が置いてありました。
家人曰く、「難しい」。
しかし、簡単にギブアップはできません。
なんとなら、森浩一先生が70代の最後の日々に渾身の力を振り絞って書いたとあるではないですか。
週3回人工透析の治療をされながらです。
そして、宇治、筒木、相楽という南山城の巻です。
まさに地元です。
私は幸運にも岡山と京都という歴史の古い土地に両足を置いているのですが、
南山城という地域は多くの焦点を持つためかピントが定まらないと思っていました。
もちろん、これは、表面的な歴史の知識では太刀打ちできないという意味です。
南山城は、京都と奈良の間にある地域ですが、この地にも天皇が住む宮がありました。
それも平城京や平安京ができる以前の話です。
古事記や日本書紀の世界です。
しかし神話ではありません。
史実です(だそうですとしか私にはいえませんが)。
ここ南山城は、森先生のまさに足元です。
現場主義に徹した先生の学問への姿勢は、わたしのようなものにも指針となります。
そして、70~80代で学びの成果をまとめられるとすれば、これほどの道楽は他にないのではないかと
思ったりします。